見出し画像

機雷ローグを使ってみよう 戦い方ガイド

再び機雷ローグについての話です.前回の記事では,デッキの構成を中心とした解説をしました.記事の公開後,読んでくれた友人に指摘されたのですが,これはすでに機雷ローグを使っている方に向けての説明となってしまい,これから機雷ローグを使ってみようという方には物足りないものになってしまいました.
そこで,今回は機雷ローグを具体的にどのように使うのか,戦い方ガイドを書いてみたいと思います.解説で使用するデッキは前回と同じくこちらのリストです.

AAECAaIHAqH5A+2ABA7+7gPT8wON9AOh9AO9gASRnwT3nwT7pQT8pQSIsAS3swSJ0gTj0wTl0wQA

戦術の概要 肉を切らせて骨を断つ!

機雷ローグは6ターンくらいで決着をつける速攻型デッキだと書きましたが,具体的な戦術を考えると,短期決戦ではありますが,1ターン目からテンポよく攻め立てるタイプではありません.むしろ,初めの数ターンは準備期間であり,最後のターンで一気にダメージを与えるコンボタイプのデッキです.そのうえで守りが薄いため,自分のライフはどんどん減っていきます.「肉を切らせて骨を断つ」という表現が似合うデッキと言えるでしょう.

機雷ローグの勝ちパターンで頻繁に起こる動きに次のようなものがあります.

  • 3ターン目 「怪しい情報」を使用し,「機雷」を引くとともに断末魔を発動させる.(4ダメージ)

  • 4ターン目 「偽滅の刃」を装備し,断末魔を獲得して1回攻撃する.(4ダメージ)

  • 5ターン目 「段取り」「スノーフォール墓地」と使用してから,偽滅の刃で攻撃する(4ダメージ+断末魔8ダメージ).「フォーセイクンの将校」と「機雷」を出し,将校は機雷のコピーになって相手ミニオンと相打ち(断末魔8ダメージ).機雷を「死角からの一刺し」で破壊して断末魔を発動させる(8ダメージ).このターン合計で28ダメージを与えて勝利.

一見すると都合の良い考えに見えますが,本当にこれがよく起こります.ただし一方で,この動きですべてのマナを使い切るため,相手の行動を邪魔するような動きはできないと考えてよいでしょう.その間に相手はどんどんミニオンを展開して攻撃してくるので,1ターン遅ければ総攻撃でやられてしまいます.ハイリスク・ハイリターンなデッキです.
とはいえ,本当にやりたい放題させていては勝率は上がりません.そこで,コストの下がったワイルドポーのノールなどをうまく使って,最低限の対処が必要になってきます.

初手の選択 マリガンでキープするべきカード

それでは,ゲームの開始から順を追って説明していきます.

まずはマリガンで手札に残すべきカードの把握です.大まかな優先順位は,コンボ達成のキーカード,キーカードを引くためのドロー・サーチ系カード,序盤に展開すべきミニオンカードの順と考えてください.

最優先:偽滅の刃,スノーフォール墓地,怪しい情報,ワイルドポーのノール
優先:隠蔽の帳,墨隠れの伏兵,ブラックウォーター・カトラス,SI:7の強要

残さない:十面相のマエストラ,デファイアスの親玉エドウィン,機雷

以下は個別のカード説明です.

コンボ達成のキーカード:偽滅の刃,スノーフォール墓地

このデッキで1番のダメージ発生源となるカードで,ほかのカードによる指定サーチができないこの2枚は初手に来たら優先的に残します.ただし2枚目を使うことは少ないので,重なったときは1枚だけ残します.

ドロー・サーチ系カード:怪しい情報,隠蔽の帳

怪しい情報は,ダメージ源の機雷を引くとともに断末魔も追加で発動させる重要なカードです.ただし,このデッキでは機雷以外のカードを引くことはできないため,2枚目の機雷を引いた時点で「何も起こらないカード」になってしまいます.そのため,2枚目の怪しい情報は残さない方がよいでしょう.
隠蔽の帳はミニオン2体という点が強力で,短期決戦のため普通に引けるカードの枚数が少ないこのデッキにおいて,枚数を稼げることはとても大事になります.他の優先カードがない場合は,2枚残すことも考えます.

交換可カード:ブラックウォーター・カトラス,SI:7の強要

交換可の能力を持つこの2枚は,ドローの回数を稼ぐことでワイルドポーのノールのコスト減を促進することができます.またブラックウォーター・カトラスは呪文のコストもあわせて下げることができるため,マナの節約で勝利ターンが早まることも多く貴重です.

序盤に出したいミニオン:ワイルドポーのノール,墨隠れの伏兵

この2体のミニオンはこちらから仕掛けてダメージを与える能力に秀でていて,相手に必要以上のミニオンを展開させない役目を担うことが多いです.もちろん相手の体力を早く減らす目的もあるのですが,機雷ローグは1枚で8ダメージを出すカードが多いため,4点のダメージを何度も出すのは効率が良いとは言えません.ミニオンによるダメージ争いでは基本的に相手の方が強いと思っておき,守備の役目に重点を置くのが良いと考えます.

また,手札に戻すカードとして機雷をあげています.これはキーカードであり,最終的には2枚使用するため本来はキープしたいのですが,怪しい情報で引いてくるというのが最も強力な形ということがあり,デッキに最低1枚は残っていて欲しいので初手にはキープしない選択を取ることが多いです.
例外として,後攻で手札4枚がすべてキーカードであるような場合は,速攻決着を狙うためにキープしておくこともあり得ます.

対戦開始後 序盤に意識すること

対戦開始直後,1~2ターン目はほとんどの場合交換可のカードを入れ替えるくらいしかすることはありません.行動はシンプルですが,意識しておくべき事柄がいくつかあるのでそれを述べていきます.

カードを引いた回数をカウントしておく(ワイルドポーのノールのコスト把握)

十面相のマエストラによって,対戦開始時にはローグ以外のクラスに変装しています.この状態では,ローグのクラスカードを1枚手札に加えるたびに,ワイルドポーのノールのコストが1下がります.そして,このデッキではいったん変装が解かれたら,あとからほかのクラスカードを手に入れる機会は(相手から押し付けられる場合を除いて)ありません.ですから,カードを引いた回数(機雷を除く)がそのままノールのコスト減となります.
隠蔽の帳を使ってノールを引いてくるかもしれないというケースで,ノールのコストがすぐに召喚できる分まで減っているかどうかを気にすることは重要です.

敵ヒーローへのダメージを焦らない

先に少しふれていますが,機雷ローグは決着ターンに大量のダメージを稼ぐことができるデッキで,20点を超えるようなダメージを出すことが当たり前となっています.また,仕掛けの準備として,偽滅の刃に断末魔を付与するための機雷発動1回と偽滅の刃自体の攻撃力によるダメージもありますので,ウォリアーの装甲以外で敵の体力を意識しすぎる必要はありません.
(正確には,ほとんどのダメージが4の倍数なので体力28にしておく意味はあります)序盤にダメージを稼ぎたい気持ちが強すぎて,敵ミニオンを放置して本体を攻撃したり,スノーフォール墓地の発動を急いだりするのは負けにつながりますので,焦らないようにしましょう.

機雷の破壊方法を枚数分確保する

対戦開始直後に機雷を引いてしまったり,逆にうまく怪しい情報を確保できていたりする時には,機雷を破壊できる手段があるかどうか(コストも含めて)慎重になる必要があります.シャッターシャンブラーは余裕があるときにあらかじめ出しておけばよいので比較的わかりやすいのですが,気を付けたいのは死角からの一刺しとSI:7の強要によるダメージで破壊する方法です.死角からの一刺しはアグロデッキに対するミニオンの除去手段でもあり,展開によっては機雷を破壊するまで残しておくかどうかを検討するのが大事です.また,SI:7の強要はノールのコスト減を目的に交換することが多いですが,コストが十分に下がっている場合には,いざ機雷を引いたときのために交換せず確保したほうが良い場合もあります.
これらは特に,隠蔽の帳が手札にある時に重要な決断になります.隠蔽の帳からは機雷を引くかもしれないし,シャッターシャンブラーを引いて破壊手段が増えるかもしれません.確率の問題なので確定的なことではありませんが,勝つためには機雷を壊すことが必須のデッキですので,これは序盤のうちに計算が立っていた方が有利に展開を運ぶことができます.

勝ち筋の展開 定番となる動き

この項では,対戦で起こりやすい状況を数点とりあげ,具体的にカードを使用するタイミングについて述べます.いわゆる定番ムーブというもので,覚えておくことで戦術の整理に役立つでしょう.

変装の解除はカード効果が終わった後(隠蔽の帳)

ノールのコスト計算でよくあるのが,隠蔽の帳によってカードを引く場合の処理です.十面相のマエストラによる変装は,ローグ用のカードを使った後に解けるのですが,隠蔽の帳(あるいは釣りバカフィッシン)でカードを引く場合,変装が解けるのはカードが引かれてノールのコストが減った後になります.ですから,すでに3枚のローグ用カードを引いていた場合,隠蔽の帳でノールを引くと0コストになる可能性があります.
そこで,後攻1ターン目に通常のドロー+交換可カードによるドローで2枚のローグ用カードを引いていたら,2ターン目のドローもローグ用(機雷以外)だった場合にはコイン+隠蔽の帳とすることでノールを引いて,そのまま0マナで出すということができる場合があります.アグロデッキ相手にミニオンを処理するばあいも,あるいは機雷デッキといえど2ターン目に4/5のミニオンが出てくればそれだけダメージを稼ぐ機会が増えますのでだいぶ有利です.一方,1ターン目に交換できずカードを引いていない場合には,仮にコインから隠蔽の帳を使ってもそのターンにはミニオンを展開する余地がないことになりますので,ここでコインを使うのはあまり得策ではありません.この場合は無理にスペルを使わず,ヒーローパワーを使って変装したまま3ターン目に回ったほうが良いこともあります.

相打ち用のミニオンを残す(フォーセイクンの将校)

フォーセイクンの将校は,後から機雷が出たときに機雷の2/2コピーとなります.元の機雷は0/2なので自分からは攻撃できませんが,コピーは攻撃力を持っているので攻撃を仕掛けることができます(急襲も得るのでコピーになった直後に動けます).とはいえ,機雷のコピーになった以上,目的は断末魔によるダメージを与えることですので,攻撃対象は攻撃力2以上のミニオンを選び,破壊されるようにします.可能なら体力2以下のミニオンと相打ちしたいところです.
このためには,必要なミニオンは残しつつ,相手の場に攻撃力1の挑発ミニオンを残してはいけない,という事になります.今の環境でよく出てくるミニオンは,マジウザ・オ・トロン(1/2)や宝物の警備兵(1/5)です.これらのミニオンは(挑発なので当然ですが)先にワイルドポーのノールなどで倒しておきます.逆に,相打ち用のミニオンはわざと倒さないでおく(相手のターンにノールと相打ちになったりすることも考えにいれる)という必要があります.この点では,攻撃される際には攻撃力1になってくれる墨隠れの伏兵は適任とも言えます.特に最後のターンでフォーセイクンの将校をぶつける相手がいない,というのが致命的になる場合があるので気を付けましょう.

スノーフォール墓地は偽滅の刃破壊直前に使用する

スノーフォール墓地は,断末魔のダメージを倍にしてくれる強力なカードです.そのため,断末魔の発動はできるだけ墓地の効果が効いている間に行いたいということになります.特にプリーストや呪い系のウォーロックのように,いくらかの回復手段を備えている相手には大量のダメージが必要になります.
ですが,あまり急いでスノーフォール墓地を使ってしまうのは逆効果になりかねません.スノーフォール墓地の効果は「使用ターンを含めて3ターン」です.墓地自体の使用に3マナ使いますので,マナに余裕がないうちはそのターンで追加のカードを使うのは難しくなります.
また,偽滅の刃は耐久力が2の武器で,武器による攻撃は1ターンに1度しかできませんので,実際に断末魔が発動するのは1ターン後です.さらに,断末魔を付与するには1度機雷の断末魔を発動させておく必要があります.ここで先にスノーフォール墓地を使っていると,偽滅の刃の装備に4マナ支払ってますます機雷の破壊が大変になってしまいます.結果として,時間内に断末魔を発動させる回数が減ってしまう,というケースが多くなります.
そこで,準備用の1回分は普通に発動させておき,偽滅の刃を装備して1回攻撃,次のターン以降のマナに余裕があるタイミングでスノーフォール墓地を使用して偽滅の刃を破壊し,さらに余ったマナでフォーセイクンの将校を機雷を出して一気に3回の断末魔を発動というのが有力な使い方になります.

偽滅の刃はヒーローパワーでも破壊できる

偽滅の刃は耐久力2の武器ですので,攻撃を2回するのが通常の使い方です.しかし,小技というか結構よくあるのは,6マナ以上ある場合に「偽滅の刃を装備して攻撃→ヒーローパワーでダガーを装備」という行動です.こうすると,偽滅の刃は破壊されてちゃんと断末魔も発動します.当然ながら攻撃は1回しかできなくなりますが,そのターンの断末魔発動でダメージを上乗せして勝てるならば問題ありません.1ターンの間に大量のダメージを稼ぐ手段(特にスノーフォール墓地の効果終了ターン)で頻出するパターンなので,覚えておきましょう.

おわりに

今回は,機雷ローグを実際に使う際によく起きることについて書きました.対戦相手のクラスに応じた行動の調整など,説明できなかったことはいろいろあると思うのですが,ひとまずこれくらいのことを把握しておけば楽しく対戦できるのではないかと思います.最後に心構えというか,僕の対戦経験から思ったことを一つ書いて終わりたいと思います.

「引かないノールより引いた伏兵」

墨隠れの伏兵,なかなか見かけませんが強いですよ!
最後まで読んでくださりどうもありがとうございました!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?