見出し画像

2004年生まれ、沢田研二のライブへ行く

小さい頃から父の影響で、父と兄とドリフの番組のDVDを見ていたのだが、小学5年生ぐらいのとき、父親がスカパーで録画していたドリフ大爆笑を見ていたら、超美しい歌手が現れた!

それが沢田研二、ジュリーだった。
「カサブランカ・ダンディ」でブランデーをぶん投げるかっこよさには思わず叫んでしまったほどに、私はジュリーにメロメロだった。

しかし、さすがに年代が違いすぎたため、それ以上ジュリーを追いかけたりはしてこなかった。自分にとってジュリーは、曲もコントでやっていたほんの数曲しか知らなかったけど、強烈に印象に残っている歌手だった。

昨年3月志村けんさんが亡くなった後に、「キネマの神様」の代役をジュリーがやると聞いて、けんさんとジュリーの仲を詳しく知っていたわけではなかったが、これは観に行かねばと思った。

映画は家族で観に行った。展開も展開なのでギャン泣きして映画館から出てきた帰り道、兄が

今度ジュリーのコンサートあるって!

と言ってきたので、映画を観た後は特にジュリーの生存確認(?)がしたくなっていたので、「行くか!」という話になった。

ホールは満席で、私と兄は三階席の一番後ろという位置だったが、席の移動がきかないほどだった。

開演すると、ギタリストの方とジュリーが出てきた。そのまままるまる2時間、キラキラ衣装をまとったジュリーは、ほぼぶっ続けで歌ったり喋ったり、時に広いステージの前側を端から端まで行ったり来たり走ったり。なんとも元気な73歳であった。

兄とオペラグラスを代わりばんこに、三階席からは遠いステージに立つジュリーを見ながら歌を聴いていた。

アンコールで出てきた時には10分ぐらい関西弁で「老後は〜」という感じで喋り倒した。沢田小路じゅりまろさんですか??
「ここに子供もいま〜す」と思いながら、ゲラゲラ笑って聞いていた。
キネマの神様のスタッフも、ライブを観に来ていたのだとか。

声は当時よりしゃがれていたものの、流石歌手。キネマの神様でも「やっぱ声がいいなあ」と思っていたが、歌を聴いてさらに実感した。(2曲ぐらいしか知らなかったのでもっと履修していけばよかったΣ\( ̄∀ ̄;))

で、気になる点が一つ。

楽器が2時間ずっとギターオンリー。

今回はツアータイトルが「BALLADE」で、バラード中心のライブ(ジュリーによれば、コロナもあって、ライブで歌う曲はあまり激しくないものを申告しないといけないらしい)だったのだが、だとしてもギターオンリーは少なすぎると感じた。ドラムもベースもピアノもない。

ジュリーがいつかやってみたかったライブ形態だった、という話もうっすら聞いたが、ギターが素晴らしくても、音が軽すぎてしまい、アコースティックギターのところ以外では、ギャンギャンしているように感じる部分があった。

ギターだけで伴奏のリズムまで取って、盛り上がるところも歌でカバーしていたので、ギターと歌だけでこんなにできるのか!という発見になった一方、私は70〜90年代のバンドサウンドや、機械で作られた密度の高い洋楽が好きでそれを聴き慣れているので、今回のようなライブは少し慣れるのに時間がかかった。

最近は特に隙のない曲が増えているようなので、自分の周りの人に聞いたら多分私と同じで「ギターのみは少し物足りない」と言いそうな気がする。

ライブの客層はジュリーより年上〜同じくらい〜ちょっと下ぐらいが圧倒的に多かった。(おそらく高校2年生は最年少?)

こういったコンサートでは、よりシンプルな音が好まれるのだろうか、と考えたりした。

現代音楽はほぼ聴かない、80年代音楽好きの兄はギターのみのコンサートについて「まあこんな感じなんじゃない?」みたいなことを言っていた。

この仮説が本当だとすると、聴く音楽の年代などに影響される新しい「ジェネギャ」を発見したのかもしれない。そういえば気づきそうで気づていなかった。

(どちらが良い悪いではなく、春にジャニーズのNEWS、秋口に藤井風、そして今回ジュリーのコンサートに行くというなかなかとっ散らかった趣味を持つ私がこの半年ちょいで感じたことである。)

さてなにより、ジュリーのコンサートに行けて、ジュリーの生歌を聴けて本当に良かった。ソロ活動50周年おめでとうございます。2023年まで現役宣言もいただいたということで、ますますのご活躍と健康をお祈りしています。

音楽に関わらず、今後もさまざまな文化を探訪し、自分なりに研究していきたいと思う。