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適切なフィードバックを受けることで伝え方が劇的に変わる~生命保険についてまとめてみた~

お久しぶりです。約1か月ぶりにnoteを書きます。

ある日、いつもお世話になっているKさんから
「生命保険会社について調べて、気付きを与える資料を明日までに作ってきて」
と言われました。
因みにKさんは保険業界でかなりの知名度があるすごい人です。
(アバウトな紹介ですが、、、)

なぜ保険業界を調べることになったのかという理由は僕なりに3つあります。

1つ目
自分の過去の失敗の理由を考える。
一時期、興行中止保険の事業を考えていることがありました。
今、タイムリーな話題となっていますが、
イベントを中止するにあたって
今回の様なウイルスや天候など原因の所在を見つけにくい場合において
イベントを金銭面でも参加者数の面でも持続可能な形にしていくべきだと思っています。
「中止へのリスクヘッジ」「開催するメリット」を両立させることが重要で一度リサーチした身からするとコロナウイルス関連の中止判断に対する返金対応等は残念に思うばかりです。
自分の力不足で実現できなかったことは悔しさが残っています。
(より詳しく聞きたい方はまた聞いてください)

2つ目
業界分析・企業分析からもう一歩踏み込んでみる視点を付ける。
金融や保険業界を考えるうえで、顧客の動向(ニーズ)に対してサービスを提供する側のある部門の人材が足りていなかったりと意外にバランスが悪かったりがあると思います。
ただの逆張りではなく、ロジックと世相で意思決定を行う癖をつけていきたいと思います。

3つ目
伝える能力を付ける。
どれだけ良いインプットをしてもアウトプットで伝えたい人に伝えたい内容が伝わらなければ意味がない。
「伝える能力」=「話のうまさ」とは言えないし、
伝える能力ってそもそも何?
というところを本noteでまとめていきます。

前置きが長くなりましたが、
今回は主に3つ目の内容を書いていきます。
僕のこのnoteを読んで

「誰でも資料作成を向上させることができる」

を目標に書いていきたいと思います。
本noteは以下のように進めていきます。
1 資料作成が向上する3つのポイント
2 資料作成をするうえでの手順
3 完成するまでの資料を紹介
4 まとめ

完成版はこちらです。

資料作成が向上する3つのポイント

デザインを習うにあたって、尊敬するデザイナーのUさんから言われた言葉があります。

「デザインはコミュニケーションのツール」である。
デザインと一言で言っても
「UI」、「UX」、「情報設計」の3つに分けられる。
相手の感情・状況・立場に対して
想像力を働かせてデザインを通じて
コミュニケーションを取る。
特に適切な想像力の上での情報設計ができるかどうかが鍵になってくる。

以上の様な助言をちょうど1か月前に受け、
自分なりに生命保険の資料を試行錯誤して作りました。
資料作成をする中で以下の3つのことが非常に重要だなと思いました。

**1 目的と対象を明確にする

2 的確なフィードバックを受ける

3 アウトプットを繰り返す**

当たり前のことで、僕もやってみるまで頭の中では分かっていても
実際手を動かしてみるとできないものだなと実感しました。
以下で簡単にそれぞれを説明していきます。

①目的と対象を明確にする

今回の場合、プレゼン対象はKさんです。
内容は「生命保険会社について調べて気づきを提供する」です。
Kさんの特徴としては、
生命保険商品のトレンドや生命保険会社のIRに載っていることは、
もちろんながら知っていますし、
語句説明は必要ないでしょう。
・内容は新規情報を求められてる
・対象は業界のプロフェッショナル

以上の点を加味すると、

・自分の強みを生かした分析方法
・世に出されているデータを違う角度で表現
(されていないにはそれなりの理由があることも留意)
・主観的な意見
**
これらを盛り込んでいくことが重要になってくると思います。
また、今回の場合は多数に向けての発表ではなく、
Kさん個人に対して送る資料を想定しているので、
PCで見るのに適した表現であるべきです。
以上を加味すると、
**・フォントサイズはモノによって小さくても許容される
・画像・グラフサイズはある程度小さくても許容される
・資料構成は言葉で補填できないことを考える
・情報量は一枚当たり少々多くてもよい

などなど状況に応じて変えていくべきです。

②的確なフィードバックを受ける

資料の作成は相手に内容を伝えるためのものであることはぶれてはいけない点だと思います。
僕自身は今まで学校等で発表資料を作ったりしてきた中で
一つのシートの情報を盛り込みすぎないはよく習うことですが、
情報設計はあまり習った記憶がありません。
家庭教師で僕が勉強を教えることができるように
今まで時間をかけて修得してきた人に適切にフィードバックをいただくことで短時間で重要なメソッドを学ぶことができますし、
アンラーンをするのに時間がかかる
「これはしてはいけない」を学べることは大きいと思います。
また、見てもらうために作っているのですから、
見せていい内容であれば積極的にいろんな人に投げてみることは大事だと思います。

③アウトプットを繰り返す

生命保険の資料を完成させるにあたり、version9まで作成しました。
後で一番初めに作成した内容は載せようと思うのですが、
先ほども述べたように、やってみると手が動かず、中々1回では形にしきれないことが多かったです。
その都度、アドバイスをいただいたKさんや以前のnoteで登場したSさんやTさんには本当に感謝しております。
特にTさんには、週に1度3~4時間Zoomで話をしていただき、
ずっと添削もしていただきました。
感謝してもしきれないです。

資料作成をするうえでの手順

上記でも少し述べましたが、僕は資料作成をTさんに1から教えていただきました。
少し紹介すると、Tさんはある超大手企業の社長室で資料作成をずっとして
そこから営業やベンチャーのプレゼン資料の作成などをして、
来週からはカナダでプログラミングの講師をするなど凄まじいスーパーキャリアウーマンです。
ここでは、Tさんから教わった「資料作成のいろは」をまとめたいと思います。

【重要事項】
1 必要のない情報は入れない
2 聞いている側がついてきているかを常に意識する
3 1つのシートを必ず一文でまとめる(これは作成前に作る)

1、このnoteを例に出すと、一番最初の前置きで、生命保険について調べる3つの理由を述べる必要はあったでしょうか?
今回このnoteで述べたいことは、
・誰でも資料作成を向上させることができる
です。
そのように考えると、はじめの3つの理由は最後だけで十分で、
多少肉付けするだけで良いでしょう。

2、配布資料は言葉での確認ができないため特にサブタイトルや途中での情報整理は重要になってきます。目次を項目が変わるごとに出してあげる等も効果的です。

3、資料全体で情報設計をすることは上で述べましたが、シート内でも情報の濃淡をつけることを意識します。
例えば、配布資料でシート1枚1枚に要約を上につけてあげることで、
忙しい人でも読んでくれたりします。

フレームワークを作ることで、
追加のインプットや表現方法も明確になり、
作業スピードが飛躍的に上がります。
1文でまとめることができないのであれば、無駄な情報が入っている可能性もありますし、2枚に分ける必要があるかもしれません。

【手順】

1 対象・何を伝えたいかを決める
2 上記を説明するために最大3つほど大筋を分ける
3 それぞれで何を伝えるかをシート当たり1文で構成
4 基本ルールを決める(下で説明)
5 必要な追加のインプットをしながら作成
6 必要に応じて作りながら修正
7 見直し
8 提出(上司に渡す場合はPDFが良い)

以下生命保険での内容を当てはめていく。

1、対象・何を伝えたいかを決める
対象:Kさん(保険のプロ)
何を伝えたいか:保険業界のイメージ改善と若年層の基礎知識の向上

自分が知らないことをポジションを変えて述べても説得力に欠けるので、
「何も保険を知らない学生」が生保業界を見て感じたことを軸にしました。
⇒ ・なんとなく保険に対する世間のイメージって良くないな
  ・保険業界について調べて色々知ったけど、前まで何も知らんかったな
見せる対象が持っている視点と違う視点で且つ主観を述べられるポジションを取りました。

2、上記を説明するために最大3つほど大筋を分ける
   ①加入者としての保険業界の課題
   ②就職先としての保険業界の課題
   ③課題解決のために

若年層から見て、加入者としても就職先としても
生保は、❶イメージが悪く ❷よくわからない
この課題が共通するため、加入者と就職先に分けて、
それぞれの視点からデータの裏付けをして説明します。

3、それぞれで何を伝えるかをシート当たり1文で構成
全てを載せることは割愛するが、一部をしたに書きます。
是非とも資料で確認してほしいです。

①学生は「資産形成」「ローン」「保険」の知識をほとんど持っていない
②7割以上の学生が保険の必要性を感じている
③6割以上が保険について学びたいと述べている
④保険とのほとんどの接点は現状テレビで、細かい情報をネットで得ることができない

上記のように書くことで、
因果関係や時系列を整理することができ、
資料作成の途中で論点がすれてきたり、
本来伝えたいことと前提情報のボリュームのバランスが悪くなることはなくなると思われます。

4、基本ルールを決める
資料作成をするにあたり、いきなりパワポを開くのではなく、その前に決めておくべきことがあります。
【色】【文字】【グラフ・図】【記号】を決めます。

【色】
・テーマカラー
・強調色(色循環等を確認)
(基本的に同じシート内で3色が限界)

【文字】
・全体のフォント
・タイトル・テキスト・グラフのタイトル・ソースなどの文字サイズ
(同じ要素のフォント・サイズh全体で必ず合わせる)

【グラフ】
・タイトルの位置
・凡例の位置
・色使い
・データラベルの位置
(エクセル等のリンクはつなげておく)

【記号】
・各アイコンの意味
・矢印等の意味(因果なのか時系列なのか)

マスターシートなどを活用し、
まず上記のこと決めておくことは重要だと思われます。

5、必要な追加のインプット

上の資料のように
「インフルエンサー起用をすることでイメージアップを図る」
という内容であれば、僕は中国のHuizeという保険会社の事例を追加で調べてまとめました。
3番の工程で決めた論旨に合わせて根拠を書いていくために
データや事例を調べていく必要があります。

6必要に応じて作りながら修正

新しくインプットをしていくと、
他の言い回しの方が良いのではないかということがよくあります。
上の図では、当初「若年層は、ネット情報で保険を比較したりすることを求めているため、
信用のある保険会社が自社メディアでやるべき」と述べようとしましたが、
調べているうちに定量的に比較して表現するようにしました。

7、見直し

後は仕上げ作業に入る。
誤字脱字を確認して、最後にざっと見て大事なところの文字の色を変えたりする。
ここで、フィードバックを受けて修正する場合や追加の説明を求められる場合もあるので、
上のように必ず枠外にソースや追加資料のURLを張って置いたりすることは重要だと思います。

8、提出
文字化けの可能性もあるので、上司に求められたときはPDFにして、
指摘しやすいようにページ番号も振っておきます。

完成するまでの資料を紹介

上の資料が、一番最初に作った資料です。ひどいですね(笑)
これを何人かの方々に見ていただき、
・誰に対して何を伝えたいのか?
を意識しました。その結果がこちらです。

次にどのようなフィードバックを受けていたのかをについて抜粋して紹介します。

version9にわたるまでお付き合いいただいたTさんにはあらためて感謝します。

今回は、かなりの時間をかけ作成しました。
初めは何をしていいかわからず、マッキンゼーが出しているコンサル資料を毎日コピーして作成したりとかもしていました。
確かに、そのような過程も役に立っていないといえば嘘になりますが、
フィードバックを受けてアウトプットを繰り返した時の方が何倍も早かったです。

【Kさんの反応】
完成版を先日、Kさんにお見せしました。
第一弾を提出したときには、ほぼ読んですらもらえなかったのですが、
最終的に目を通していただき
「いいね、これは公開してみたら?」
とおっしゃっていただきました。
もっとあっと驚かせたかったですが、それはまた次の機会に(笑)

まとめ

このnoteを書いて自分もまだまだだなと率直に感じました。
デザインのこと話してるのに、
文字多すぎでしかも視覚情報で説明できるやろって思うところが多いです。

横軸をインプット量(かけた時間) 縦軸をスライドの情報量としたときに上の様なグラフになるのではないかと感じている。
質は指数関数的な動きをする気がしています。
何が言いたいかというと、
そもそもインプット量がない資料は中身がなく論外であるが、
1枚のスライドに情報量が多いスライドは、「未完成」だと思われます。
ちょっとメッセージ性のありそうなインプットがあるとあれもこれも入れたくなる気持ちは常にあります。
ある閾値を超えると、情報の優先順位の整理ができるようになり、取捨選択もできるようになるのではないでしょうか。
そのような観点でセミナーとかに参加すると、
その人の能力や人となりも見えてくるのではないでしょうか。
意識していきたいところです。

また、上記の点を学ぶためにも場数をこなすことが重要だと思います。
社内の報告資料なのか?リサーチ資料なのか?営業資料なのか?
外部向け?内部向け?で作り方や見た時の反応が大きく異なってくると思います。

今は、かなりの時間がかかるのですが、
10割の力で取り組み外部のフィードバックにより内燃機関をあげて、
どんなお題でも5割の力で8~9割の完成度を持ってこられるようになったら自分で時間も質もコントロールできるようになるのだろうなと思います。

そのためにも上で述べた型を崩すことなく、
アウトプット量をあげていかないとだめですね、、。頑張ります!

余談ですが、先日ある国際会議に参加して様々な発表を見たり聞いたりしたのですが、ほとんどの日系大手の会社が「何のために発表しているのか」ができていないように感じました。改めて、伝え方次第で自己評価はどうにでも変わるなと考えさせられました。
スタートアップのバリュエーションを見ていると伝え方大事だなと思います。
僕ももっともっと具現化して伝えられるように頑張っていかないと👍

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