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バイクとスコールとベトナム人

「犯罪係数オーバー〇〇、執行対象です。セーフティを解除します。執行モード、リーサル・エリミネーター。慎重に照準を定め、対象を排除して下さい。」 シンチャオ。Football bugsです。ベトナムはバイクの国。今回は少し濃厚(セーフか、アウトか言ったらアウトw)なベトナムのバイク事情をお話します。

まずベトナムは公共交通機能が発達しておらず、都市間鉄道はあるものの、あまり便利ではなく、日本のように電車で移動ということができません。なので、基本的にバス、タクシーといった移動手段とバイク、高所得者は自家用車での移動となります。そして都市部の交通渋滞に細い路地や比較的安価で中古価格も安定している、などの諸条件からバイクが好まれます。

バイクも近年ピンキリで50CC~150CCが中心ですが、一部ハーレー、Ducatiなども走っています。(これは近年規制が緩くなったのが理由だそうです)ただ、シェアとベトナム人からの愛着度を考えるとHonda,Yamaha,イタリア製Vespaあたりが圧倒的な人気と普及率です。 

さて、ここまではこの国のバイクの背景でしたが、ここからは実生活に基づく、お話です。ベトナム人はバイクをどう扱っているか。

1:バイクで通勤(普通)
2:バイクに4人乗り(お~!)
3:バイクで寝る(え?)(サムネ写真の通り)
4:免許はXXX.

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1:通常バイクで通勤します。朝のラッシュはなかなか壮観で、血管の道を移動する白血球の気分です。割り込みやクラクションは当たり前で、みんな我先にと突っ込んでいきます。仕事に行きたくない日はバイクが壊れたから遅れる、雨の日にはバイクが走れないからと仕事に遅れる理由にも重宝されてしまいますw。 
2:土日など家族で移動する際にはできるだけ多くの人数を積んでいきます。つまり4人家族くらいまではバイクに無理やり乗ります。(本来の交通規則は2人までで、子供の送り迎えなどの実運用的には2.5人までは取り締まられないことが多い)我が家も4人家族で移動する際にはよくこれやります。バイクの強さというか耐久性と便利さはこの国で受け入れられた理由の一つだと思います。
3:ウーバー(ベトナムではグラブなど)が一般的になるまでは、バイクタクシーのおっちゃんが町中に居ました。そのおっちゃんたちは器用にバイクで昼寝(昼間暑いので日陰で休みつつ、客を待つ)をします。これはさすがに私はできないです。というか、やってみても寝られるほど落ち着けない。。。
4:免許の普及率は高くないですw。ほぼ全員バイク持っているのになぜ?っとなりますが、こちらでは運転できるかできないかが大切で免許所持の有無はぶっちゃけ交通警察に捕まった時の罰金が上がる項目という認識のベトナム人が多いので、「免許は持ってないよ」っていうベトナム人も多いです。あと、持ってる人も「いくらで買った」なんてことは結構あるあるです。

そうそう、特に南部では雨季があり、その時にはバイクが走れないくらい激しいスコールが降るのですが、そういったときはバイクを止め、雨宿りをするのも日常の光景です。一応しとしと雨ならレインコートはありますが、そこまで急ぐ必要あるの?っていう感覚がベトナム人としては一般的です。

近年は政府やHonda社によるマナー向上講習や啓発で少しずつ赤信号では止まるといったあたり前のバイクマナーができてきましたが、まだまだ日本とは比べ物にならないくらいのカオス状態です。在住日本人も大多数はバイクは乗らない、(あるいは会社から乗ることを禁止されている)ことが多く、個人的にはもったいない気もします。バイクのある生活はそれこそベトナム人の普通の生活を体感するうえでなくてはならないものの一つだからです。その一方で交通事故は依然多発し、危ないのも事実ですので、海外赴任の日本人に会社から車が支給され、安心して移動できる環境が与えられる代わりにバイクが禁止される措置も致し方ないのかとも感じます。

当然交通ルールは守り、安全な移動がベストなのですが、上に政策、下に対策といわれるようなルールと実運用は少し実態が異なるのが、ベトナムの普通です。

今回はベトナムの生活に欠かせない要素、バイクについて書いてみました。

それではシンチャオ、ヘンガップライ。


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