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出張して見つけた札幌のお店たち
都内在住ですが、ここしばらく札幌出張しており、みつけたお店たちを紹介します。真面目に写真を撮っていなかったので、自分の写真であまりご紹介できず、すみません。個人商店への想いをつづります。
駿:
北大前。東横INNのすぐ近くです。並ばないとなのですが、その価値があります。沢山の種類の野菜や食材を日替わりで出すのは本当にすごいと思います。副菜の小鉢も、お味噌汁も何もかもが素敵でした。これ以上の定食に今後出会える気がしないほど感動しました。
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楼蘭:
大きなガラスケトルでお茶のお代わり用のお湯を出していただけます。これだけしっかり温かい水分をおいしいお茶で頂くと、それだけで身体が楽になる気がする。空気まで優しいです。
居酒屋とくさ:
ドメーヌタカヒコとともにあまおうの白和えや鴨ロースをいただきました。お酒、肴、器、空間全てが洗練されていて、素敵なご自宅に招かれたようなくつろぎがあります。このテーブルの色が、古唐津や九谷の色合いをひきたてて、ため息がでるばかりでした。料亭のような贅沢な時間を居酒屋の心地よさで堪能できることにとても驚きました。
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鳥てん:
男山、献立はビール(大)、清酒、しんこ、がつ・・、そして赤提灯と外観にほれぼれして偶然入ったお店。店内は昔の映画の中に入り込んだような懐かしさで、高倉健か、田中邦衛がコップ酒を飲んでいそうなお店です。
しら菊:
外観のすがすがしさ。小さなカウンターでお寿司をいただくと、会話もあたたかくなります。道内のお酒が沢山あって、つい飲みすぎてしまいます。
えいじん:
生ラムジンギスカン。ジンギスカンというより羊焼肉に近い感じの味付けですが、その分いくらでも食べられます。特筆すべきはダクトレスになるよう工夫された特許鍋。煙くなくておいしく焼ける秘密は、飲んでいて忘れてしまいましたが、本当にびっくりしたのを覚えています。明るくて楽しいお店です。
おでんと家庭料理 うちだ:
札幌って良い昆布が手に入るからか、おでんのお店が多いのですね。出汁としては関西風なのか、あっさりしみじみおいしいおでんでした。
この雑居ビルの中に、ふっとしみじみとしたお店が入っている感じ、とても楽しいです。
Wine 晴 Bistro:
道産食材のワインつまみが素敵で、一杯だけのつもりがついついまた飲んでしまうお店です。周囲にあまり遅くまで空いているお店がないので、とてもありがたいです。街の活気や暮らしとの一体感があるお店です。
郷土料理 加賀屋:
ご夫婦で50年営まれている料理屋さんです。女将さんが色々親切に相談に乗ってくださいます。食べきれないほど、これぞご馳走という魚料理に鴨。大きなオホーツクの八角をいただきました。緯度があがると動植物は大きくなるといいますが、北海道の食材はどれも大きいのです。煮物にさりげなく添えてあったミントの葉が、はっとするすがすがしさで、そんなところにも心惹かれました。
春駒食堂(千歳):
札幌ではなく千歳の駅前にある60年近く続く駅前食堂です。お父さんもカウンターにいらっしゃいました。お店の中は昔のままだけれど、時は流れて外国人が沢山来るようになっても、元気にやりとりされている話を伺いました。ごろっとさと、滑らかさのちょうど中間のポテトサラダが絶妙においしいですねといったら、皆がどうやればいいのか聞いてくるのだと嬉しそうにおっしゃっていたのが、本当にチャーミングでした。
ひのでそば:
こちらも創業50年。ホテルの朝食もよいけど、朝そばも早くて元気が出る。取り出しやすく整えられているつまようじ、気持ちよく磨き上げられている什器、きびきび動く店員さんをみていると、生きる喜びが湧いてきます。本州より大きくしっかり感じるねぎ、まっくろの汁、太やわの麺が、わしわしと入ってきます。
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十勝valleys:
空港のお土産品を売る店も、数が多くて贔屓はなかなか決められなかったのですが、売り場は小さいけれど、実は良いものがなにかしらみつかる十勝Valleysさんのファンに落ち着きました。美瑛選果のとなりです。生鮮も乾物も加工品もはずれなしで、ソフトクリームについては口コミの熱さをみてほしいです。お店の人の商品知識が豊富でたのしくなります。生で食べられるピクニックコーン、最高でした。
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ダッタンそば通商の韃靼そば茶:
十勝Valleysのお向かい、北海道きたれんの入り口で社長さんが手売りしている韃靼そば茶。香ばしいかおり。韃靼そばといっても、品種もちがうし、どういった焙煎をするのかで味が違うのだと教えてもらいました。
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飲食店も多様性が街の力
私は、そこで過ごしている人達の生活感や想いがにじんでいるような場所、ほんのひとときでも誰かの人生の重みを感じることができる場所が好きです。都内の山手線の内側は開発が進んできて、じわりじわりとそうした個人店が減っています。ビルオーナーも大手企業で、個人商店のテナントのリスクをとりたがりませんし、個性よりもマーケティング戦略との整合性を重視します。新宿の駅の喫茶ベルクの立ち退きについて、多くの反対署名が集まったように、地域に根差したお店を大切にすることが、地域を活性化して、ビルオーナーにとってもプラスになるということが、もっと意識されてもよいのではないかと思っています(小規模飲食店を優遇し、マルシェやフードコートの多様性を確保して街の活性化をはかるといったNYでの試みをどこかで読んだのですが、どうしても記事を見つけ出せませんでした・・)。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%93%E3%82%A2%26%E3%82%AB%E3%83%95%E3%82%A7BERG
新しい建物は、オフィスもカフェもホテルも住宅も、一様にカフェ風のおしゃれな内装が施されていて小ぎれいですが(その方がコストが下げられるのはそうなのだと思うのですが)、なかなかそこで過ごす人たちの気配が染みていきません。それでもいつか、いまの内装もいつか令和風で懐かしいということになるのかもしれませんが、1日のシーンの中で過ごす場所の雰囲気がぐっと変わった方が気分転換になる気がするのです。
雑居ビルや京都の会館などの中にある雑駁さ、ご夫婦で営まれるお店のあたたかさ、つい客同士話しをしてしまう活気、そんなものがこれからの飲食店にもずっと残っていくことを祈っています。
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