ブロマガ転載:現代RPGを読み解く---第一回:ジャンルという概念(2013年6月1日投稿)

本記事は、2021年10月にサービスが終了したニコニコブロマガにて投稿していた記事を再録したものです。
2013年なので、高校生なりの創作に対する考察ということで。

 突発的にスタートした新企画、「現代RPGを読み解く」。このコーナーでは、ここ数年のRPGゲームについて常日頃思っていることを語っていきます。
 さてはて果たして、続くのか。

 第一回の今回は、そもそもの「RPG」の定義から考えていきたいと思います。
 RPGは、一般的に言うとゲームのジャンルの一つです。しかし、それはたとえばドラクエなどの エンカウント移行・ターン制バトル のみを指すのではなく、近年のFFの シームレス・アクティブタイムバトル やゼルダの シームレス・アクションバトル といったファンタジー・戦闘ものから、現代・亜現代もの、SF、コズミック……など、あらゆる「冒険的要素」を含む作品に当てはまるジャンルだと思っています。
 RPGの発祥から考えてみれば、指輪物語の世界を自分の身で冒険してみたいという考えのもとで生まれ出た概念なのですから、「ロールプレイング要素」、詰まるところ「プレイヤーが物語の進行に影響を与える」という部分が重要なのです。そういう意味で、たとえばサウンドノベル・ビジュアルノベルはRPGではありません(指輪物語、すなわち小説と同じもの)が、ノベルゲームはRPGであるといえます(D&D、すなわちTRPGと同じもの。両者の違いはまたいつか述べます)。

 まとめますと、RPGとは「インタラクティブ(相互作用)要素」を含む作品全般を指すといえるでしょう。
 結局、ゲーム自体がインタラクティブ要素がある(べき)ものなので、ゲーム=RPG、と言うことになります。
 まあそれも、ゲームというメディアの発祥(上に同じく指輪物語からのTRPG、それのコンピューター化)から考えてみれば自明なことです。
(故に筆者は、ビジュアルノベルなどはコンピューター作品ですがゲームではないと考えます)

 ここで、他のジャンルを考えてみましょう。

 考えつくのは……

・アクション
 ・リズムゲーム
 ・シューティング
 ・レースゲーム

・ターン制戦闘
 ・フロント、サイドビュー
 ・マス(俯瞰)
 ・自由移動

・シミュレーション
 ・戦略シミュレーション
 ・恋愛シミュレーション
 ・スポーツシミュレーション

・生活系
 ・育成

・学習、頭脳系
 ・謎解き
 ・パズル

・表現形態別
 ・オープンワールド
 ・面クリア型
 ・ノベルゲーム
 ・パーティーゲーム

・世界観別
 ・ファンタジー
 ・現代もの
 ・SF
 ・ホラー

こんなところでしょうか(うちにある作品では)。
 あらゆるゲームは、こういったジャンルのどれかあるいは複数の側面を持ち合わせているといえます。

 ちなみに、すべてについて語ると長くなりますが、大ジャンルだけ軽く補足しておくと、

アクション→「反応」要素のあるもの。
ターン制戦闘→「戦略」要素のあるもの。
シミュレーション→「試行・実験」要素のあるもの。
生活系→「蓄積・発展」要素のあるもの。
学習・頭脳系→「思考」要素のあるもの。

と言った感じですか。

 長くなりましたが、このジャンルという概念の整理は今後現代RPGを考えていく当たってとても重要なものです。特に、RPGというのが他のジャンルとは全く違う概念だということはなかなか世間に誤解されがちです。

 もちろんこれは筆者個人の考えなので、そうではないと言う方もいると思います。もしそういう方がいれば、ぜひ反論を聞きたいです。

 ではでは、次回から本格的な考察に入ります。基本的に、この第一回を読んでいただければあとはどの回からでも読み進められるように作るつもりです。
 って、小説でもないのにそんな但し書きは要りませんね。コラムは好きなものだけ読めればそれでよいのですから。

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