2017秋ヘッダー

2017秋アニメ感想まとめ

面白かったアニメは後から振り返られるようにも記録していきたいと常々思っていたんですが(よく忘れるし)、やはり一作ずつじっくりまとめるのは時間もかかるしコストが高い。というか良作が多すぎる。

ということで、今回から適当なペースで視聴したアニメをまとめるやつをやっていきたいと思います。

第一回となる今回は、少し時を遡って2017年秋期のアニメをピックアップしていきます。本当はもっと前のクールから全てまとめていきたいんですが、いかんせん掘り返すのも大変なので、機会があれば。

では、早速2017年秋クールのマイヒットアニメを紹介していきましょう。今期はかなりの良作揃いでした。

そうそう、先に述べておくと、僕は原則ニコニコアニメ配信のみでアニメを視聴しています。ので、数割のタイトルはそもそもチェックすらしていないこともありますし、面白そうなタイトルで逃しているのもたくさんあります。その点も鑑みて、あくまで見た中で気に入ったタイトル、という感じで受け止めてください。

このはな綺譚

2017年秋は良作揃いなのでどれが一番かというと迷うのですが、やはり一番目に持ってくるならこのタイトル。『このはな綺譚』は、けも耳の女の子たちがこの世とあの世の間にある不思議な旅館で、仲居として働く日常系綺譚です。水の森綺譚とか懐かしいですね。語感。

本作を一番に持ってきた理由はシンプルで、主人公の柚ちゃんが2017年さいかわヒロインだからです。あのね、語ります。柚ちゃんの何が可愛いかと言うと、健気で、生真面目で、一生懸命で、ちっこくて、純粋で、人の心を動かす目を持っていて、天然ジゴロで、みんなのことが大好きなところが可愛いです。あとシンプルにお顔と声がもうさいかわですよね! そうそう、最近後輩に教えてもらったんですが、柚の声優である大野柚布子さん、ほんっと可愛いです! ひと目見た瞬間に推し一軍に決定しました。内田真礼さんは殿堂入りなので、本渡楓ちゃんと肩を並べる推し声優に決定です。柚布子さんのどこが可愛いかって、もう完全に柚と同一人物なんですよ! 名前まで一緒だし。ほんとね、可愛いです。

このはな綺譚は、毎話一話完結型で、旅館といろいろなお客さんを取り巻く不思議な物語が描かれます。これがまた毎回寓話みたいな感じで構成がよく練られていて、毎度あっとさせられる(はっとされられもする)のがまた面白い。そして柚がまいどまいど心を閉ざした人たちをほだしていく。ほんとジゴロ。俺も柚ちゃんにほだされたい。ほだされてる。

作画もきれいで、柚ちゃん以外もみんながみんなかわいいし、もちもちしてそうだし、俺も此花亭に泊まらせてください。泊まれるなら死んでもいいです。

ブレンド・S

二番手はこの次のタイトルとかなり迷いましたが、やはり萌え豚としてはここは外せないでしょう。

ということで『ブレンド・S』は、天然ドS主人公・桜ノ宮苺香が客を蔑み店長を踏む、萌え日常系ラブコメです。まんがタイムきらら原作としては異例の「男性キャラがクローズアップされる」恋愛描写も多く、合わない人もいたかもしれません。僕は作中キャラクター同士での恋愛成就を常に願っているタイプなので、ヒロインの女の子が幸せを見つけるなら無限に歓迎です。

本作では女の子たちが一人ひとり「属性」を持って接客する喫茶店が舞台となり、どの女の子もお店の属性(ドS、ツンデレ、妹など)としての顔、一方での素の顔という二面性を持っていることが特徴的です。無自覚天然ドSと営業ドSの狭間で困惑する苺香ちゃんも可愛いですし、王道ツンデレ恋する乙女の夏帆ちゃんも最高に可愛いですし、女子大生女子大生と思いながら見ているとリアルに可愛く思えてくる妹営業素はローテンションちびっ子女子大生麻冬ちゃんもまことに可愛いです。何が凄いって、みんな一番可愛いと言いたいところです。そこです。

そしてブレンド・Sは上で述べたようにラブコメ要素も強いため、店長と苺香のペア、夏帆と秋月くんのペアも見逃せません。てか夏帆と秋月くんは付き合え。秋月くんが好きな夏帆ちゃんが可愛いんだー! 店長は踏まれててください。麻冬さんは僕とお付き合いしましょう。

宝石の国

2017年秋の名作枠といえば、3D CGアニメーション『宝石の国』は多くの人が認める名作に違いありません。本作はコンセプト極振り系アニメーションで、内田真礼他人気声優が出演していたのでとりあえず見たのですが、3D CGの良さを際限なく引き出していた歴史的作品と言ってもいいでしょう。

宝石の国は、人間が滅び、宝石たちが心を持って日々を過ごす世界の日常を描く作品です。宝石を削り出しつなぎ合わせて人の形を作り、襲い来る月の使者から自分たちを守りながら毎日を過ごしています。

本作の魅力の一つは、主人公のフォスフォフィライト。硬度が低く戦闘経験も少ないため、しばしばお荷物扱いされる末っ子です。そんなフォスが孤独な夜に閉じ込められたシンシャと出会い、段々と戦いの中で成長していく……やがてアニメ1クールが終わる頃には、もはや1話の面影もない変わり果てた姿へと変貌していきます。宝石の透明感や立体感が3D CGで繊細に表現され、手書きアニメにはないまた違った魅力をもたらしています。特にフォスが金の腕を手にしてからは、液体金属の絶妙なドロドロ感がうまいこと表現されていて素晴らしいです。

本作の内田真礼キャラクターは、服飾マニアのレッドベリル。メインキャラクターではないものの要所要所で場を明るくしてくれるのでかわいかったです。にしても豪華声優陣で、佐倉綾音演じるボルツもむちゃかっこいいし、茅野愛衣演じるダイヤモンドもかわいいし、あと海のお姉さんもえっちですきです。それにしても主人公フォス役の黒沢ともよさん、演技がキレッキレで素晴らしいですね。

少女終末旅行

『少女終末旅行』は、ほとんど全編を通して二人の女の子だけで話が進んでいく、非常に没入度の高い作品でした。水瀬いのり視聴です。

色々あって滅んだ世界を舞台に、たった二人の女の子がひたすらに旅をするだけの物語。旅と言っても生き延びるための旅で、食料や寝床、体を清められる設備を探しては休憩し、階層都市の上層を目指していくのが本筋です。しかしほとんど物語の躍動感はなく、ただひたすらに終わった世界で終末を過ごす、まさに空気アニメとでも言うべき独特な空気感が特徴です。

チトとユーリ、二人の女の子は対称的で、頭脳派と直感派、適当派と慎重派、と度々意見がぶつかります。それでも彼女らは深い友情で結ばれているのか、互いを信頼しつつ一蓮托生、といった感じで多くの苦難を乗り越えていきます。百合と言うと怒られがちですが、まあ友情百合ってやつですかね。百合のラインは人によってまちまちなのでそういうこと言ってると怒られそうだけど、まあ公式でもいろいろやることやってるし? 尊み。

全編を通してほぼ二人のキャラクターしか登場しないため、主人公二人の声優・水瀬いのりと久保ユリカの二人の声を延々と聞き続ける静かな時間でもあります。静かにテーマを感じさせる描写もありつつ、基本的にはきらら系日常系アニメみたいな感覚で、女の子たちのトークを聞いて和む、終末世界ながら独特な空気感が特徴(二回目)のアニメでした。

ラブライブ!サンシャイン!!

最後に、良作というより好きな作品として、『ラブライブ!サンシャイン!!』を挙げておきます。

もちろん面白くなかったわけではないんですが、まあお世辞にもいい出来だったかというとうーんと唸ってしまうものではあります。というのも、サンシャインは今期で2期となり、1期の出来もなかなかになかなかでした。その流れからすれば悪くない滑り出しかと思いきや、やはり無印の勢いは超えられずか、満場一致でいい作品だったと語られるには程遠い完結となってしまったのは否定できないでしょう。

それでも僕はこの作品を推すのは、主人公の高海千歌の叫びに心を打たれたからです。二期一話、Aqoursがどうしてもスクールアイドルとしての壁を打ち破れず、志半ば倒れそうになっているところで、千歌ちゃんは逸る鼓動を抑えきれず、朝早く校庭まで駆けて「がおおおおおおお!!!」と叫ぶのです。叫びと言えば、無印ラブライブでは穂乃果の「雨やめえええ!!」がありましたね。この二つを比較したときに、穂乃果の叫びはメッセージであった一方、千歌の叫びには何の意味も込められていなかったと言えるでしょう。ではこの言葉には何が込められていたのか。それはきっと、やり場のないエネルギーの放出だったのです。膨大なエネルギーは胸のうちに秘めているけど、その扱い方がわからない。そんなもどかしい気持ちを抱えながら、それでもなんとか形にしようと試行錯誤を重ね、それでも消化しきれなかった純粋なエネルギーの塊が、二期一話で爆発したのです。どんなに辛い結果を受けてもそれでも顔を上げて、恥をかいてでももう一歩もう一歩と進んで、それでも望んだ結末が得られなかったとしても……。

『ラブライブ!サンシャイン!!』は、敗者たちの物語です。奇跡を起こしたμ'sとは対照的に、奇跡なんて起こらなかった少女たちの物語です。最後の最後まで報われなかったとしても、それでも自分が自分の物語を生きる、涙と青春の物語です。僕はだからこそ、彼女たちの戦いに、たとえハッピーエンドにならなくとも、それでも輝きを目指す彼女たちの姿に、心を打たれたのだと思います。

……他にも『キノの旅』や『干物妹!うまるちゃんR』など、安定した作品が多かった2017年秋アニメ。『クジラの子らは砂上に歌う』や『妹さえいればいい。』はちゃんと見られなかったので、機会があればぜひ見たいです。

という感じで、2017秋アニメでした。次回は2018冬アニメか、あるいはもっと先かな……?

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