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勝部祐子から……その7

「続ける」を続けて迎えた10年目。

今回は、Go For部!発信企画の「勝部祐子から記事がきました#5」に書いたことに対して、「で、10年目はどうなったの?」と投げ銭と一緒に質問をいただいたのでそのお返事です。

記事を読んでない方はまずこちらから是非!

とある先輩からいただいた言葉『勝部、お前は10年頑張れ』の言葉はどこか頭の隅に追いやられながらも「続ける」を続け、2007年私は10年目を迎えました。そうです!先日の配信で後輩の大塚君と語った『伝説の2007年』です。

その配信はこちら!

ミュージカル『女たちのジハード』は、イッツフォーリーズの30代の女優陣のために企画制作された作品です。年齢がバレる!って、先輩方怒らないでくださいね。もちろん後輩たちは当時20代です。

原作は、1997年に書かれた篠田節子さんの『女たちのジハード』(集英社文庫刊)です。5人の女性たちの人生を描いた作品で、私は、その頃の言葉で言う「三高」狙いの結婚願望の強いリサという役でした。実は、配役のオーディションは、リサの同期で自己主張の強い快闊な紗織で受けていたのですが、リサにチャレンジをと言うことで、リサ役となりました。

ひとつの役を二人と人形で演じるスタイル。私と後輩の池田和ちゃんがペアでした。リサは人前では常に良い子を演じているから、私が建前を口にし、リサの心を演じる和ちゃんが本音を喋る。和ちゃんの台詞に合わせて動きを考えたり表情を作ったり、常に二人で動いて見ての繰り返しでしたね。二人が反発することはなかったけど、稽古場には女性しかいないし、それも自己主張の強い先輩後輩ばかり!本気の女たちの戦いでした。私たちのソロ(歌)をくれ!から始まって、リサのソロを勝部が最後までひとりで歌うのはおかしい!の反感まで、色々とありました……。

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公演チラシ。それまで私が出演した東京公演は8ステージまでしたが、「女たちのジハード」は初めての10ステージでした。スタジオでチラシの写真撮影を経験したのも初めてだったかも……。

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初演の舞台を原作者の篠田節子さんが観に来て下さってサインをいただきました。「リサを演じました勝部祐子です!」と言ったとたん、篠田さんがプッて笑い出して、この言葉を下さいました。いやぁ~とても綺麗な方でした。

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初日の反省を翌朝ノートに書いてますね。配信でも言ってますが、なんせギリギリで、自分の中に落とし込めるほど台詞も歌も稽古できていなかったから、毎公演、直前まで台本と楽譜を睨み、大汗かいて200%くらいで演じてた。きっと、観てた方は苦しかっただろうなぁ~と思う。ちなみに、初めて歌詞が飛んで歌えない数小節を経験をしたのもこの公演です。あの時の、下手舞台前から見た客席の景色は今も脳裏に焼き付いています。

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私は、劇団ではテキパキ動いて早口で、後輩たちを叱っているイメージしかないみたいですが、元々はリサタイプで、その頃の言葉で言う「ぶりっ子」です(わかる~とか、見るからにそうじゃん!って思った方、正解です)。学校でいじめにもあったし、女子に嫌われてました。だから演じやすかったと言う訳ではなく、初めて現代の等身大女性を演じる中で、私とリサの相違を探し続けたり、リサと一緒に私の人生の目的を考えたり、演じてる時のカタルシスとかとか!色んなことを経験させてもらった作品となりました。そんな入団10年目でした。

大変だった稽古の思い出を、振付の先生は今でも時々笑って話したりします。私は、今でもリサのソロ曲を発声練習で歌うことがあります。

「10年頑張ったから『女たちのジハード』に出会えた。この作品に出会えたから次の10年が始まった」

声をかけてくれた先輩とは1回だけしか共演できなかったけど、先輩が時々公演を観にいらっしゃった時に、ポロッと言って下さる言葉にやっぱりヤル気をもらってきました。つまり、先輩に出会えたから!なんですね。

先日、篠田節子さんが紫綬褒章を受章された時の新聞の切り抜きを手帳に挟んでました。切り抜きとは違いますが、同じ内容の記事です。

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勝部祐子宛に投げ銭(noteのサポート)を下さった方、ありがとうございました。個々にお返事出来ておりませんで申し訳ございません。社長と二人、この時間まで(まだ終わっていない)音源の準備などなどをして、まだバタバタしています。過去の公演の譜面、音源の整理をちゃんとしていないから、こうなるんです!(自分への戒め)。リアルタイムで見られない方も、アーカイブで見られるので、投げ銭のつもりでぜひご覧ください。


サポート頂いた金額はnote使用料を引いた金額を出演メンバーで有り難く頂戴いたします♪暖かい、広い心でぜひ☆