フォルケホイスコーレ留学 次期校長に聞いた スウェーデンのフォルケとは? (役割と目的)
タイトル画像引用:Folkbildningsrådet
こんにちは、sweco です。
今回は、留学先の次期校長にスウェーデンにおけるフォルケホイスコーレについてインタビューした際の内容についてご紹介します。
Löftadalens Folkhögskola の次期校長は、30代の女性。校長になるべく、現在は校長のサポートをしながら校長職を学んでいるそう。そんな彼女はフォルケホイスコーレについて知識があるとのことで、色々とインタビューさせていただきました!
スウェーデンにおけるフォルケの役割とは?
デンマーク発祥のフォルケホイスコーレですが、スウェーデンではどのような役割を担っているのでしょうか?
このインタビューの中で、次期校長が "folkbildning" という言葉を使われていました。スウェーデンのフォルケホイスコーレを深く理解するために、ぜひ知っておいていただきたい言葉なのですが、英訳すると education for folk といったところでしょうか。すべての人に開かれた教育、と私は解釈しています。
"folkbildning" は言葉に表しずらいと次期校長も仰っていたのですが、wikiでは folkbildning の目的について、こんな風に書かれています。
Syftet med folkbildning är att på ett demokratiskt och jämlikt sätt få medborgarna i samhället att ta till sig ny kunskap och nya värderingar genom exempelvis studiecirklar, bibliotek, konferenser och föreläsningar utanför den traditionella skolvärlden.
"市民に、民主的かつ平等な方法で、伝統的な学校の世界の外で(例えば、スタディ・サークル、図書館、カンファレンスや講義など)を通じて、新しい知識や価値を吸収してもらうこと" という風にあります。
何となくイメージできましたでしょうか?
この "folkbildning" の概念がまさにフォルケホイスコーレの役割を表しているのですが、詳しくは、全国に155校あるフォルケホイスコーレをまとめている組織 "Folkbildningsrådet" のサイトに掲げられています。
そこでは、教育方針として
「Folkbildning はすべての人に、他者とともに学ぶこと、個人の能力開発のための知識と教育、社会に参加する機会を与える」ことを掲げています。
Fakta om folkbildningen 2020
また Folkhögskola についても
「社会において教育のレベルを上げること、教育格差をなくすことに大きな責任を持っている」と言っています。最近では、十分な学歴を持っていない、何かしらのハンディキャップを持っている学生の割合が増加しているとあります。
Om folkhögskolan
最近では、学ぶ意欲を失った学生たちが、学び直すためのコース(studiemotiverande kurser)や、新しくスウェーデンに移民として来た人のためのコース(etableringskurser)がつくられ、学生たちを受け入れているそうです。
フォルケホイスコーレの4つの目的
さらに Folkbildningsrådet では、フォルケホイスコーレを支援する目的として、次の4つを掲げています。
1. stödja verksamhet som bidrar till att stärka och utveckla demokratin
2. bidra till att göra det möjligt för en ökad mångfald människor att påverka sin livssituation och skapa engagemang att delta i samhällsutvecklingen
3. bidra till att utjämna utbildningsklyftor och höja bildnings- och
utbildningsnivån i samhället
4. bidra till att bredda intresset för och öka delaktigheten i kulturlivet
引用元:Statens syften med att stödja folkbildningen
1. 民主主義の強化と発展に貢献する活動を支援する。
2. さらなる人々の多様性が生活に影響を与え、社会の発展に参加するという
コミットメントを生み出すことを可能にするのを助ける。
3. 教育格差の標準化と教育の向上、社会における教育レベルの向上に貢献する。
4. 文化生活への関心を広げ、参加を増やすことに貢献する。
これらの4つの目的をもとに、各学校は教育方針を決定しているそうです。
デンマークのフォルケホイスコーレの理念にも共通している部分が多いようですね。スウェーデンの場合は、より教育から遠い人たちにフォーカスしているように感じます。
今回は、スウェーデンにおけるフォルケホイスコーレの役割や目的についてご紹介しました。少しでも理解が深まれば幸いです。
次回も引き続き、次期校長へのインタビューについてお伝えします。
それでは今回はこの辺で、Hej då!
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