PUC Advent Calendar 2023 0日目
このnoteは、PUC 裏 Advent Calendar 2023 1日目の記事の導入部分となります。
これは、地球ととてもよく似た、けれども少しだけ事情の違う星での話───
…ううっ!!
朝、いつものように電車に揺られていた僕は、突然腹痛に見舞われる事となった。普段は余裕を持って家を出ているが、今日は寝坊してしまい、この電車が遅刻ギリギリのデッドラインである。途中下車=遅刻確定。そう考えている時に限って腹痛が襲ってくる。
(どうしよう、途中で降りてトイレに行く訳にもいかないし…)
そのとき、僕は「ある存在」を思い出した。急いで最後尾の車両に向かう。
そこには穴が空いていた。走行中の電車に穴。しかも底が見えない。普通なら線路が高速で動いてる光景が映るはずなのに。
僕は急いで穴の中に飛び込んだ。と、腰あたりまで穴の中に入ったところでつっかえる。と同時に下半身の感覚が急激に無くなっていくのを感じる。
そう。この穴はいわゆる「感覚遮断穴」。一昔前までは人類に多大な被害を及ぼしていたらしいが、魔王側(そんなのいたの???)と協定を結び、現在は人類と魔族が共存する社会になっている。その恩恵の1つがこの感覚遮断穴だ。僕も初めて使ったが、電車内のこれは腹痛を感じなくさせるのみならず、服を一切汚さずトイレの代わりを自動でやってくれるスグレモノらしい。…感覚が無いのでイマイチ実感が湧かないが。
その他にも影響の大きいところだと、出産の際にも用いられているらしい。麻酔無しで痛みを無くすと評判で、安全性も担保されているらしい。詳しくは知らないけど。
と、下半身の感覚が戻る。どうやら事が済んでいたようだ。しかしこんな得体の知れないもの、本当に安全なのだろうか?
感覚遮断穴のおかげで遅刻せずに済んだ。とりあえず今はそのありがたみを噛み締めながら登校しよう。
しかし、この時の僕は知る由もなかった。まさかこの後あんな事になろうとは…
To be continued…
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