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いわきFC vs レノファ山口 (23シーズン第3節)

22年シーズン、いわきFCの4敗のうち2敗は今治によるシーズンダブルだった。ホーム&アウェイの2戦を通して、唯一、今治からは得点を奪うことができなかった。
22シーズンの今治と同じスタートフォーメーションの4-3-3を採用する山口。村主監督が、4-3-3に対する攻撃、守備、攻撃から守備、そして守備から攻撃をどのように落とし込むのか楽しみな一戦だ。

試合結果

J2初勝利は次節以降に持ち越し。いわきFCの土壌で試合を進められていたが、山口の勝負強さが勝った一戦だった。
いわきFC 0 - 1 レノファ山口
 いわきFC: なし
 レノファ山口: 皆川(65分)

いわきFCの土壌に引き込んだ前半

いわきFCは第2節と同じスターティングラインナップ。山口は吉岡に代わって田中が右WGに入った。

スターティングラインナップ (第3節)

いわきFCは、試合開始から、山口のビルドアップをはめに行って、ショートカウンターで何度も決定機を作り出した。
CFの有田と谷村は、山口のCBがビルドアップを開始しても食いつかず、山口のアンカー佐藤へのパスコースを消す。CBに食いつくと3-2(山口は両CBとアンカーの3枚、いわきFCはCFの2枚)の数的不利で剝がされて、佐藤に前を向いて前進される。いわきFCは、CBにボールを持たせて、CBからSBやWGに配球をさせて、そこで素早く間合いをつめてボールを回収する、という選択で、ショートカウンターを成功させていた。
山口は、前半35分ごろから、パスでのビルドアップからロングボールを前線に入れる選択に切り替えた。何度も、ビルドアップをはめられたため、リスクを減らすための選択だったと思う。山口のFW3枚に対していわきFCのディフェンスはDF4枚でチャレンジ&カバーを徹底した。前半はいわきFCの土壌に引き込み、山口の枠内シュートを1本に抑えることに成功した。

皆川選手に脱帽(後半)

後半、山口は矢島をボランチに落としてトップ下に五十嵐を配置した4-2-3-1にフォーメーションを変更。前半は、MF山口大輝が中央に入り、またCF谷村が落ちてきて、山口のアンカー佐藤の両脇のスペースを利用した攻撃が効果的だった。山口は1アンカーから2ボランチに変更をして中央のスペースを消してきた。
永井を投入し、後半の主導権もいわきFCに傾きかけた63分、山口の皆川がアタッキングサード右でファールをもらう。何気ないプレーでいわきFCのCBの足が出た、ちょっとしたファールだった。そのフリーキックの流れから、皆川が決勝点を決めた。いわきFCに流れが傾きかけた時間に、ファールをもらい、ゴールを決めた皆川のような経験とスキルのあるFWと対戦できるJ2の舞台で、いわきFCの選手は経験値を得て成長をしてくれるはずだ。

69分に谷村に代えて近藤を投入したが、残念ながら1点が遠く試合終了。マッチデーが誕生日だった谷村は、前半の決定機を逃し悔しい1日となった。

昨年は29試合で6得点。今年は3試合ですでに2得点。有田とともにボックストゥボックスで攻守にプレスをかける、いわきFCのスタイルを象徴する選手の1人。決定機に顔を出して足を振れている。今後もいわきFCにゴールで勝利をもたらしてくれるだろう。谷村とコンビを組んでいるモンスター級のCF有田については、別の機会に掘り下げたい。90分間ずっと追いかけてほしい選手だ。

谷村に代わって投入された近藤は、マッチデーの前日まで、東海選抜としてデンソーカップを戦っていた。身体もきついはずだが、いわきFCのために戦ってくれて感謝しかない。いわきFCのトレーナーがケアしてくれていると思うが、どうか怪我の無いように。


今季対戦が楽しみなチーム

山口のホームページでは、各選手のQ&Aが紹介されている。質問の1つ、「今季対戦が楽しみなチーム」でいわきFCを指名してくれた選手がいる。野寄だ。前節の磐田戦では途中出場から、プレースキッカーを務めるなど活躍をしていたので、本節で出場機会がなかったのは残念だった。

野寄は大阪体育大卒で、今期いわきFCに加入した河村の同級生。本節はフィールドでの再開は叶わなかった河村だが、フィールドで躍動する河村を見るのが楽しみだ。DFで利き足が左なのは、本人にとってもいわきFCにとってもアドバンテージになるはず。
なお、山口の選手Q&Aは、選手の個性を楽しめる。野寄、高橋、五十嵐の好きな言葉・座右の銘を並べて「あなたは誰タイプですか?」と、山口の企業向け研修やワークショップのアイスブレイクに使ってもらいたい。五十嵐の座右の銘、雰囲気で理解したつもりになったが、ググると五十嵐のコメント以外にヒットしない。オオカミが何のメタファーなのかを正しく知るには五十嵐に確認するしかなさそうだ。
山瀬選手の好きな女性のタイプ、存じ上げております。

あとがき

山口のホームページが面白く、もっと共有したいことがあったが、愛する我がチームのことではないので控えました。
次節はアウェイで仙台戦。ちなみに仙台のホームページも、とても楽しい。試合データに湿度や芝の状態も記録されていたり、コーチングスタッフとのQ&Aもある。次節の開催日は、3月11日の翌日、3月12日。日程くんによる偶然かもしれないが、仙台は22年シーズンの3月12日に盛岡と対戦しているので、Jリーグの計らいかもしれない。
いわきFCエンブレムのたすきのような部分は、湊ブルーのグローイングスラッシュ(復興から成長へ)。次節もエンブレムを胸に声援を送りたい。


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