祖母にむけて
私を呼ぶ優しい声、少し腰の曲がったまあるい背中、眼鏡の奥でにっこり笑う目、あったかいてのひら、いつもかけている青いエプロン、きれいな歌声。
あなたのことを想うといつも脳裏に浮かんでくる。
大好きだよ。私を育ててくれてありがとう。これまでたくさんお世話になりました。
私が1番素直でいられる話し相手だった。いつも優しく、私を受け入れてくれてありがとう。辛い時に意地を張ってしまうわたしだけど、あなたの前では唯一素直でいられました。
私が就職して東京に行くよと言ったら、泣いていたね。ずっとそばにいてあげられなくて、ごめんね。
でも、私が仕事の話をすると、いつも嬉しそうに聞いていたね。
段々と認知症が進み、私のことを思い出せなくなっていったね。でも、たまに思い出してくれる時、とっても優しい顔をしていた。
最後に会えたのは、亡くなる直前だった。前にあった時とは比べようもないほど痩せていたから、最後の数ヶ月は苦しかっただろうね。私が会いに行ける時まで待っていてくれてありがとう。最期に会えてよかった。これまでありがとうと伝えられてよかった。
あなたが私に与えてくれたたくさんの愛をずっと忘れることはないし、辛いときには必ずわたしの支えになってくれる。
大好きだよ。
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