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そろり

寝転んで大きな音を聴いていると、この今がいつか訪れる死につながっているという実感が不意に降ってきました。

僕はそのことを不思議に思いました。

なぜなら僕はそれを蛹の中の芋虫のようにピュアに信じられたからです。

いずれ元型を留めていられなくなるたましいを器からこぼさないように、竟への階段をそろりそろりと昇っています。

そうしているうちに今の悩みも笑顔も知らぬ間に去ってしまいます。

竟への階段をそろりそろりと昇っています。

心の中に優しい夜風が吹いています。

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