【応用編/個体リスト活用】定時授精プログラムの日程管理リストの作り方
お世話になっております。ファームノート/プロダクトマネジメントチームの中村です。
2020年9月16日にテンプレート『[シダーシンク1〜4]リスト』を追加しました。こちらのテンプレートの条件を少し変えると、シダーシンクに限らず牧場でご利用中の各種定時授精プログラムの日程管理に対応ができます!
こちらの記事では、個体リストを活用した定時授精プログラムの日程管理リストを作成、活用していく方法をお伝えします!
手順が煩雑なので、よく分からない場合はお気軽にお問い合わせください!
個体リストでの定時授精プログラム管理の流れ
個体リストでの定時授精のプログラム日程の管理の方法は大まかには以下の流れとなります。
① 個体リスト上に定時授精プログラムの処置対象牛が表示される
② 現場で定時授精プログラムの処置を行う
③ Farmnoteで治療(定時授精)の活動登録をする
④ 次の処置当日に次の個体リストに処置対象牛が表示される
くり返し・・・
よって、定時授精プログラムの処置の数だけ個体リストができることになります。
【応用】定時授精プログラムの管理リストを作ってみよう
では、シダーシンクリストのテンプレートを応用して、別の定時授精プログラムのリストを作成してみましょう!
今回は例としてオブシンクプログラムのリストを作成します。
リスト作成にあたって、お手元に作成したい定時授精プログラムの工程を準備すると分かりやすいと思います。
今回例とするオブシンクは以下のスケジュールを元に作成します!
1. 下準備(投薬マスターへの登録)
リストを作成する前に、下準備があります。
何かというと、定時授精プログラムで使う薬剤の投薬マスターへの登録です!
上の図を見ていただくと分かるように、今回の例ではプログラム全体で3回投薬があります。この3回の投薬名を予め決めて、投薬マスターへ登録しておきます。
この際、投薬名の決め方で以下の注意点があります!
【投薬名の決め方の注意点】
・投薬名は他と被らせずに、そのプログラム専用の投薬名をつくる
・同プログラム内で同じ投薬が複数ある場合も同じ投薬名にしない
他の定時授精プログラムや繁殖治療と同じ投薬名を使うとリストに誤った牛が表示されてしまうので、作りたい定時授精プログラム専用の投薬名をつくります。
また、同じプログラムで同じ薬を複数回使う場合も投薬名を別にする必要があります。
なので、投薬名をプログラム名+薬剤名などにすると分かりやすいと思います。今回のオブシンクの例では、以下のように投薬名を決めました。
投薬名①:オブシンクGnRH1回目
投薬名②:オブシンクPG
投薬名③:オブシンクGnRH2回目
投薬名が決まったら、投薬マスターへ登録します。
ではいよいよリスト作成に進みますが、1つ目のリスト内容に関しては留意点があります。
一つ目のリストはプログラム授精を始めるきっかけが何かによって内容が変わります。下の2つのケースをご覧ください。
A: 繁殖検診にて、獣医師の指示に従ってプログラムを開始する
B: 分娩後日数◯日以上の牛に一律でプログラムを開始する
Aの場合、当日にプログラムをやる事が決まると思いますので、プログラム開始予定リストは必要ありません。
シダーシンクのテンプレートもAのケースを想定しており、1つ目のリストでは1回目の処置が済んで2回目の処置待ちの牛が表示されます。
(そのため、もしプログラム開始した牛をリストで見る必要がなければ1つ目のリストは作らなくても大丈夫です。)
Bの場合は、該当の条件の個体リストを作成すれば、プログラム開始予定リストを作ることができます。
今回はAの場合の想定でご紹介します。
2. プログラム開始のリストを作成(条件変更)
では、1つ目のリスト作成に入ります。
1つ目のリストは『オブシンクの1回目投薬済みの牛』を表示させます。
まずテンプレート選択画面で[シダーシンク1]シダーE2リストを選択すると、条件式の設定画面になります。
ここで注目すべきは【定時授精区分別最終投薬名】です。
この項目は、最新の治療(定時授精)の活動登録の投薬名によって絞りこみができるものです。この投薬名を、オブシンクプログラム1回目で使用する投薬名へ変更します。
ここで、下準備にて投薬マスターへ登録しておいた投薬名の登場です!
投薬マスターにて登録した名称と全角・半角含めて完全に一致させた投薬名をご入力ください。ここが一致していないとリストがうまく活用できません。
今回の例では先ほど決めた投薬名①『オブシンクGnRH1回目』へと変更します。
最終的に下記のような条件にできたら「次へ」ボタンを押します。
3. プログラム開始のリストを作成(タイトル変更)
条件式を決めると次に表示項目の編集画面に移ります。必要があればご変更いただき、次へ進みます。
続いてタイトルを編集します。タイトルを見てリストの目的が分かりやすい名称にします。
一つの処置に対して1つのリストができるので、プログラム名と通し番号、処置内容を入れると分かりやすいかと思います。
今回は ”[オブシンク1]GnRHリスト”という名称にしました。
必要があればメモもご編集ください。変更できたら、「次へ」ボタンを押します。
次に通知の設定が選択できます。こちらは24時間以内に牛が追加された際にプッシュ通知を送れるものです。どちらか選択して頂き「保存」ボタンを押します。
すると、個体リストの最下に”[オブシンク1]GnRHリスト”が作成されます!
4. 2つ目のリストを作成(条件変更)
続いて2つ目のリストを作成します。
2つ目のリストには2回目の処置対象の牛を表示させたいので、『1回目のGnRHを投薬して7日後の牛』を表示させます。
[シダーシンク2]シダー抜PGリストを選び、編集していきます。
ここでは条件式のうち以下2つを編集することになります。
・【定時授精区分別最終投薬名】
・【定時授精区分別投薬後日数】
前述のように、このリストでは『1回目のGnRHを投薬して7日後の牛』を表示させたいので、
【定時授精区分別最終投薬名】 -> (下準備で決めた投薬名①)
【定時授精区分別投薬後日数】 -> 7
に変更します。
今回の例だと下のようになります。
5. 2つ目のリストを作成(タイトル変更)
条件ができたら、1つ目とリストと同様にタイトルを編集します。
このリストの目的は、2回目の処置対象牛の表示、言い換えるとオブシンクでPGF2α投薬対象牛の表示、となりますので、タイトルは"[オブシンク2]PGリスト"という名称にして保存します。
6. 同様の手順で以降のリストを作成
以降は同様の手順で各処置のリストを作成します。
今回の場合、3つ目のリストは3回目の処置対象牛、つまり『オブシンクでPGF2αを投薬して2日後の牛』をリストアップします。
手順4と同様にテンプレートを編集してもいいですし、既に作ったリストを複製し、それを編集して作成することもできます。
3つ目のリストは、『オブシンクでPGF2αを投薬して2日後の牛』を表示したいので、以下のように条件を変更します。
投薬名は下準備で決めた投薬名②を入力します。今回の例では『オブシンクPG』となります。
タイトルは、このリストの目的が、3回目の処置対象牛の表示、言い換えるとオブシンクで2回目のGnRH投薬対象牛の表示、となりますので、今回は”[オブシンク3]GnRHリスト”という名称にして保存します。
7. 最後の授精リストを作成
一番最後のリストは [シダーシンク4]本日授精リスト をもとに作成します。
今回は『オブシンクで2回目GnRHを投薬して1日後の牛』をリストアップします。
これまでと同様、【定時授精区分別最終投薬名】と【定時授精区分別投薬後日数】を適切なものに変更します。
最後のリストは、『オブシンクの2回目GnRHを投与して1日後の牛』を表示したいので、以下のように条件を変更します。
投薬名は下準備にて登録しておいた投薬名③を入力します。今回の例だと『オブシンクGnRH2回目』となります。
タイトルは、このリストの目的が授精対象牛の表示、となりますので、今回は『[オブシンク4]本日授精リスト』という名称にして保存します。
これにて、めでたくオブシンクプログラム管理のための4つのリストが完成しました!
リスト活用の2つのポイント
【ポイント1】 活動登録は当日に!治療区分の選択も忘れない
このリストを活用するには、プログラムの各処置行程で治療(定時授精)の活動登録が必要です。さらに、対象牛を正確にリストアップさせるには、活動登録を速やかかつ正確に行うことがとても重要です。
処置日を過ぎると、たとえ治療の活動がなくてもリストから消えてしまうので、処置当日に治療の活動登録を行ってください。
活動登録の際は以下の2点にご注意ください。
・治療区分で「定時授精」を選択する
・マスター登録した投薬名を使う
【ポイント2】 リスト確認を習慣に。個体リストの新着通知機能を使うと便利!
対象の牛は処置当日に該当のリストに表示されます。なので、これらのリストに牛が追加されているかの確認を習慣化できると、うまく活用ができます。
毎日の確認は忘れるので追加された時に教えてほしい!という方は、ぜひ個体リストの新着通知機能をご活用ください!特定のリストに牛が追加されるとプッシュ通知でお知らせしてくれる機能です。
個体リスト全体で3つまで通知を設定することができます。
個体リストの新着通知機能について知りたい方は、下の動画かこちらの記事をご覧ください。
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