ダウントン・アビー第1話冒頭10分でわかる5つのこと
ダウントン・アビーが大好きで、もう何周見たかわからない私です。
最近、いま一度初めからじっくり見てみようと思い立って、また見直し始めました。
そうしてみると、ダウントン・アビーって第1話の冒頭10分でかなりいろんなことを説明してくれているんだなと気づいたのです!
今回は私なりにダウントン・アビー冒頭10分でわかることをまとめてみました。
ダウントン・アビー第1話の冒頭10分の流れ
まずは第1話冒頭10分の流れをざっくりとおさらいしてみましょう。
各シーンを順番に追ってみます。
モールス信号(おそらくタイタニック号の訃報を伝える電報)
電車でダウントンへ向かうベイツさん
電線を伝ってPOSTOFFICEへ電報の内容が送られる
ダウントン・アビーの外観(タイトルが出る)
デイジーとともに地下から上階へ
メイドに厳しい声を掛けられるデイジー
トーマスとともに広間、食堂へ
ウイリアムに厳しい声をかけるトーマス
メイドとデイジーの電気に関する会話
鍵束とヒューズさん
銀器を磨くカーソンさん
デイジーに厳しい言葉をかけるヒューズさん
寝室のメアリー
使用人食堂で鳴り響く各部屋の鐘
メイドに命じるパットモアさんと少し偉そうなオブライエンさん
新聞を受け取りアイロンをかけるウイリアム
ウイリアムがタイタニック号の一面をカーソンさんに見せる
厨房で使用人たちがタイタニック号の噂話
階段から下りてくる伯爵、娘たちが食堂へ
伯爵の元に後継者の訃報を知らせる電報
伯爵、妻のいる寝室へ
寝室にコーラの朝食が運ばれる
大体こんな流れになります。
忙しく働く使用人と煌びやかな屋敷を見ていると、それだけでわくわくしますね!
初めて見たときはこのわくわく感だけだったのですが、何度もダウントン・アビーを見て多少なりとも知識がついた今では、当初とは少し違う印象を持ちます。
この冒頭10分で何がわかってしまうのか、まとめてみますね。
ダウントン・アビー冒頭10分で5つのことがわかる
ダウントン・アビーの冒頭10分で、こんなことがわかってしまいます!
各キャラクターの階級、使用人の役職
当時の英国の階級社会、使用人の序列の意識
当時の使用人の扱われ方
上流階級の暮らし、慣習
当時の生活文化の発達具合
たった10分であらゆることを盛り込んでくれているのがよくわかりますね。
ただ、気づくには少し知識がいるので、私自身も何周も見てやっと気づいたことばかりです。
どういうシーンからこれらのことがわかるのか、解説したいと思います。
ダウントン・アビー冒頭10分でわかること解説
各キャラクターの階級、使用人の役職
下記のシーンから各キャラクターの階級、使用人としての役職がわかります。
5.デイジーとともに地下から上階へ
6.メイドに厳しい声を掛けられるデイジー
7.トーマスとともに広間、食堂へ
8.ウイリアムに厳しい声をかけるトーマス
10.鍵束とヒューズさん
11.銀器を磨くカーソンさん
13.寝室のメアリー
15.メイドに命じるパットモアさんと少し偉そうなオブライエンさん
19.階段から下りてくる伯爵、娘たちが食堂へ
21.伯爵、妻のいる寝室へ
地下にある厨房から上階に向かっていくデイジーは厨房担当のメイドであることがわかります。
さらに下っ端の仕事であることの多い暖炉の火入れをしていること、メイドに厳しい言葉をかけられていることから、デイジーは一番の下っ端であることがわかりますね。
そして上階の部屋から出てくるトーマスの制服は下僕の制服なので、下僕であることは一目瞭然。
しかし、同じ下僕の制服を着ているウイリアムに厳しい言葉をかけているので、トーマスはウイリアムより上の立場だということがわかります。
地下でヒューズさんが登場するときに持っている鍵束は家政婦長の印です。
そして、地下で銀器の管理をしていることとエプロンの下の制服に注目すれば、カーソンさんが執事だとわかります。
上階の豪華な寝室で目を覚ますメアリーはご令嬢ですね。
そして地下の使用人食堂でメイドたちにお茶の用意の指示を出すエプロン姿のパットモアさんは料理人。
冒頭のデイジーのシーンでも厨房で指示を出しているので料理長だろうなと想像できますね。
お茶の用意をしようと声をかけたメイドのアンナに「私には奥様のがある」と偉そうに言っているオブライエンさんは服装とセリフから奥様付きの侍女だとわかります。
階段から愛犬とともに食堂へ下りてくる男性は伯爵。
一緒に食堂へ入ってくる女性たちはご令嬢だということもわかります。
その理由は見た目の若さもありますが、朝食を食堂で食べるから。
既婚の女性は寝室で食べるという慣習があります。
この後のシーンで実際に伯爵夫人のコーラは寝室に朝食を持ってきてもらっています。
このように各キャラクターの階級や使用人としての役職が言葉で説明しなくても、うまく表現されているのです。
当時の英国の階級社会、使用人の序列の意識
冒頭の10分でいろんな主要キャラが登場しますが、おおむね階級や序列が下の人から登場しているのがわかります。
一番下っ端のデイジーがメインのシーンから、メイド、下僕、家政婦長、執事、ご令嬢、当主のような順番ですね。
階級はもちろんですが、使用人の序列も表現されていておもしろいシーンだと思います。
デイジーやウイリアムが厳しい言葉をかけられているところを見ると、使用人の中にもしっかり序列の意識があるように思います。
また、タイタニック号の話をしている際、執事に女性客の多くが助かった話を聞いた伯爵が「一等船室のだろ?」と返し、そして「神よ、船底の客をお救いください」と言っています。
階級社会において、上流階級は優先されるのが当たり前だということを示しています。
伯爵がそう思っているというよりは、世間一般がそういう意識なのでしょう。
当時の使用人の扱われ方
会話などを聞いていると序列がわかりますが、当時の使用人が実際にどんな扱われ方をしていたのかがわかる部分もあります。
例えば、12.デイジーに厳しい言葉をかけるヒューズさん のシーン。
ヒューズさんはデイジーに「姿を見られる前に厨房にお戻りなさい。」と言います。
当時のメイド、特に下っ端で汚れながら作業をするようなメイドは主人たちに姿を見られてはならないというのが決まりとして広く知られてました。
一生懸命に仕事しているのに、主人たちに存在を知られているかどうかもわからないなんて、なんだかかわいそうな気がしますね。
また、使用人食堂で朝食を取っていると、上階の各部屋に取り付けられた鐘が鳴りだします。
主人たちが使用人を呼ぶための鐘ですが、それが鳴れば食事中だろうがなんだろうが動かねばなりません。
当たり前といえば当たり前ですが、食事くらいはゆっくりしたいものです。
全編通しても見ても、クローリー家は使用人に冷たい印象は受けません。
むしろかなり寛大で優しいと思います。
そんなお屋敷でも厳しい決まりがあるのですから、当時の使用人さんたちは大変だったでしょう。
上流階級の暮らし、慣習
冒頭10分のシーンでは、上流階級の暮らしや慣習も知ることができます。
先ほども解説した朝食を取る場所もその一つです。
男性と未婚の女性は朝食を食堂でとり、既婚の女性は寝室で朝食を取ります。
話が進んでいくと、食堂での朝食のシーンのメンバーが変わったりするのでおもしろいですよ!
この慣習は一説によると、朝食のときに食堂に集まるのは各人の無事を確認し合うためであり、既婚女性に関しては自分の夫が無事を確認・証明してくれるので食堂に下りなくていいということらしいです。
寝室での朝食は既婚女性の特権なのですね。
また、下僕のウイリアムが新聞にアイロンをかけるシーンがあります。
「新聞にわざわざアイロン?」と思いますし、デイジーが実際にその疑問を口にしていますね。
その疑問に答えたオブライエンさんによると、新聞のインクが主人の手につかないようにするため、とのこと。
なるほど!
主人の手を汚さない、煩わせないというのは使用人たちの掟なのでしょう。
当時の生活文化の発達具合
この冒頭のシーン、モールス信号の音から始まるのが印象的です。
このモールス信号はダウントン・アビーへの電報を打っているものだと思われます。
そう、この当時の最速の連絡手段は電報でした。
この10分のシーンの中では、この電報のように当時の生活・文化に何が取り入れられ、発展途中だったのかがわかる映像や会話が出てきます。
電報の他にもこの日ダウントン・アビーに初めて訪れる従者のベイツさんは電車に乗ってやってきます。
電車は身近な移動手段であったことがわかりますね。
また、デイジーとアンナたちが話をするシーンではデイジーが電気が怖いと言っていました。
電気が使われてまもなく、まだ慣れない人がいたことがわかります。
それくらいの時代の話なんだということがわかりやすく表現されていますね。
シーズンが進むごとに、電気、電話、車などどんどん文明が発達していく様子がわかるのもダウントン・アビーのおもしろいところです。
知識が増えるとよりおもしろいダウントン・アビー
ダウントン・アビー第1話の冒頭10分でわかること5つを解説してきました。
この時代の文化や使用人の世界、上流貴族の生活など知識が増えるとより作品を楽しめると思います。
ダウントン・アビーは全シーズン、映画も合わせると16年ほど時代が進みます。
時代の移り変わりが著しい時代の16年間ですから、その変化も大いに楽しむことができますよ。
私ももっと知識を付けてさらにダウントン・アビーを楽しみたいです!
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