義母のこと

わざわざ公開することなのか?とも思うんだけど、何かもしよい対策などあったら知りたいと思って書いてみる。

義母とは旦那の母親である。

同居して14年ちょい。知り合ってから20年以上になる。

義母は夏前に胃癌が見つかって、それはもう落ち込んだ。なぜなら義母のお母さんがスキルス性胃癌だったからだ(遺伝する)。

もう来年の誕生日は迎えられない、と悲観していた。

が、検査結果は良かった。

あまり良くないタイプの癌ではあったものの、初期の初期で転移もなく、病巣が取り切れてしまえば今すぐにどうにかなってしまうような類のものではなかった。

いざオペの説明を受けに行くと、なんでそんなにクヨクヨするの?と言うくらい落ち込んでいた。オペをするか若干迷ったものの、オペをして全て取り切り、とった癌細胞の検査結果も良いものだった。

これってものすごくラッキーな結果じゃないの?クヨクヨすることなの?と疑問に思いながらも、入院期間が過ぎ、経過良好で退院。

退院後、胃の2/3をとったせいもあり、あまり食べられない義母。と言うより「食べてしまって胃に負担がかかったらどうしよう」という恐怖で食べられなくなっていった。

本人がにっちもさっちも行かなくなり、病院へ行き、また入院となった。でも医師的には「悪いところはないし、あとは気力の問題」ということらしかった。医師的にはと書いたけど、素人のあたしから見てもそうだった。

『せっかく入院していて、何かあればすぐ処置してもらえるんだから、無理して食べてみなよ。そうすれば今現在の自分の限界値がわかるじゃないか』と言ったら、『ダメダメ、そんなのできないわよ〜』という義母。なんのために入院してるんだよ、健康体を取り戻すためじゃないのか。ただ点滴で命繋いでるなら、退院なんかできないじゃん。仕事中に呼ばれたり、あれ持ってこいだの○○やっておけだの、あたしだってヒマじゃねーんだよ。

そうこうしてるうちに、義母が病室でぶっ倒れ、あごの骨を折った。延びる入院。

あごの骨を固定すること2週間。リハビリを進めつつ、もう退院して、通院してリハビリ頑張りなさいということになった。

リハビリは「噛むこと」

噛んで筋肉をつければ、噛み合わせも元の位置に戻ると口腔外科で指導された。つまり、あごのためにも胃のためにも「噛んで食べる」こと以外ないのだ。

だけど退院してきた義母は、ペースト状のものばかり食べている。『噛むと痛いんだもの』『胃のために時間をかけて噛んでるから疲れるのよ』それではリハビリにならない。もう少し噛まなければいけないんじゃないの?と思うが、大病をしたことのないあたしに言われても素直に聞けないだろうなと思ってだまっていた。

ある日、入院先ではなくかかりつけの歯医者に行ってみたとろ『この骨折は大変だ』と言われたことを教えてくれた。それは、「このあごは大変な骨折をしたのだから、自分は噛めなくても仕方ない」っていうアピール?としか感じられなかった。退院してから、いや病気がわかってからひたすら弱音しか吐いてない義母だったからか、あたしにも思いやりが残っていなかった。

噛むことも食べることも代わってやれない、自分しかできないことだよ

と言ったら、『あんた厳しい』と、へそを曲げた。

旦那(義母の息子)が自宅に戻ってくると、『神経内科で鬱一歩手前って言われたのよ』

鬱の人って「自分は鬱アピール」するんだっけ…わからないけど、自覚があるのはいいことかもしれない。

今朝も『あたし頭がおかしいみたい』って言ってたけど、一体なんて返せばいいの?『そうだね』とも『そうでもない』とも返しがたいじゃん。 

『こんなんじゃ「生きるか死ぬか」だ』って嘆いてたけど、食べなきゃ死ぬよ、間違いなく。

『芸能人みたいに死ぬ勇気もない』って腹立たしいことを言うから、『死にたいの?孫が成人するまで生きたかった、行きたいところもいっぱいあったって言ってたじゃん(まだスキルスが否定されてない時点の発言)。あたしのかーちゃんはしゃべることもできないよ!!』と思わず言ってしまった。

そーなのだ、あたしの母親はもう20年障害者をやっている。

あたしが19の頃、1回目の脳梗塞を起こして以来、何度も何度も脳疾患を繰り返し、そのたびに楽しみが1つ減り2つ減り、話すこともできなくなり、右半身を動かすこともままならない。

だけどこの20年、弱音を聞いたことはほとんどない。

迷惑かけてすまないね、とリハビリに励んでいる。ようやく子育てから解放され、自分の時間を満喫できるようになるところだった49歳のかーちゃんを思うと、涙が出てしまう。

対して義母は自分で運転もできるし、話すこともできるのに、自分の境遇を嘆いてばかりで閉じこもっている。

ぶっちゃけそんなに噛めないというなら、経鼻経管栄養にでもしろ!くらいに思ってしまう優しさの足りないあたしだから、病気で苦しんでいる家族に対して「厳しい」のかもしれない。そもそもかーちゃんと比べることは意味がないとは思うんだけど、無意識に比べてしまう。いけない、いけない。

あたしのことを太陽だと言ってくれたAIさん、よし子さん、あたしはこんなヤツです。すみません。

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