制服販売のお店のこと

次男が中学へ進学するにあたり、学用品をそろえなければならない時期が近づいてきた。

あたしが住む町には、町内の小中学校の指定の学用品…制服やジャージ、通学かばんや靴などを売る店が1軒だけある(仮にA店とするが、そこでしか買えないわけだから、高いなぁと思いつつも保護者は買うしかないのだ)。

町に住む人口のうち、小中学生がいる家庭のみを対象とした、めちゃくちゃニッチな商売である。スーパーがパンを売ろうと思った時、各メーカーがあり、バイヤーは数ある選択肢の中から顧客のニーズや動向・価格帯を考え、商品を選ぶと思うが、A店には選択肢がない。競合するメーカーがあるのだろうか?学校の制服やジャージのメーカーは「カンコー」や「ニッコー」くらいしか知らないがもっとたくさんあるのだろうか。学校によっては普段目にするスポーツメーカーのジャージを採用しているところもあるとは思うが、我が家の小中学生と他市の高校に通う娘の学校のジャージはそうではない。

ちょっとそれたが、メーカーがカンコーやニッコー以外にもあるとしても、採用されてしまえば必ずその制服やジャージが一定数売れる。だけど町には販売する店がA店しかないわけだから、メーカーも販路がなくなってしまっては困るので、べらぼうに高い金額をふっかけるわけにはいかない。A店もそのメーカーからしか仕入れられない。これでは双方が安くしようということにはならないと思う。双方が納得?した金額でA店が仕入れ、そこにA店の儲けとなる金額を載せていざ販売となるわけだが、それがとんでもなく高い金額になれば町民はだまっていられない。実際のところどうなっているかは知らないけども、仮に町から委託されての販売となれば、上乗せできる金額はそう多くはないのではないかと推測される。

あたしが子供の頃、地元の洋品店2軒で小中学校のジャージ等が売られていたのだが、A店は前述の物以外は売っていないのだ。「お父さんの下着を買うついでに息子の体操着を買いましょ」なんてことはできない(逆もしかり)。

もはや商売として成り立ってなくないか?と思う。

仕入れ先は自分で決められないし、粗利も多くは望めない。少子化の今、顧客が減ることはあっても顧客を増やすことはできない。他の商品で儲けを出すこともない。実際、A店のようなお店を経営する方のインタビュー記事を読んだ時に、売れば売るほど赤字だけど辞めたくても辞められない、といった内容が書かれていた覚えがある。

制服やジャージを校内で統一することにどんなメリットがあるのか考えてみる。あるとしたら、吹奏楽のコンクールなどの課外活動において、「○○の生徒」だと認識する・されることくらいではないだろうか?ほかに全く思いつかない。制服なんか決めるから校則が必要になるんじゃないの?靴下は白のみ可で黒は不可、なんて運動部の子供がいる母親からしたら嫌がらせでしかなくない?

あたしが通っていた学校は私服だったので、修学旅行ももちろん私服。内外部の人に「○○の生徒」であるアピールゼロだったが、まったく困らなかった。ジャージも学校側で指定(斡旋?)したものもあったが、自由に好きなものを着てよかったので、みんなバラバラ。あれば着るし、なきゃ着ない。やっぱり制服には『管理する側のメリット』しか感じられないが、毎日着るものが決まっている、という気楽さはメリットかもしれない(うちの中学生の息子はジャージ登校だが、親も子も非常に楽)。

何が言いたいかと言うと、採寸が必要な制服はこの際廃止して、ジャージを町内のスーパーやコンビニで売るようなシステムにしたらどうかなと思うのだ。前置きが非常に長くなってすみません。うちの子供たちが通うような、『制服着用が常でない中学校』の制服の意義ならびにその販売店のありように疑問がわきまして。。。制服はあったほうがいい!販売店もなくてはいかん!の考えがどうにか出て来ないか?と考えてみたものの、答えに辿り着けなかったから、とりあえず誘導してみよう作戦。

制服、なくていいだろ。うちの町の中学。『なくていい仕事をわざわざ作る』みたいな感じなんだよなぁ…

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