レッドハット認定試験の準備で最初にチェックすべき重要なこと


はじめに

レッドハット認定試験に合格するために、まず、これから受験しようとする「レッドハット認定試験」そのものを、慎重に、時間をかけて調べてみましょう。そこが受験準備のスタート地点です。この記事では、RHCSAを例にレッドハット認定試験とはどのようなものかを調べていきたいと思います。

認定試験の情報を入手する

レッドハット認定試験の情報はWebサイトにあります。このWebサイトには認定資格のページと、その認定資格を取得するための試験のページがあります。両者は混同しやすいので要注意です。

認定資格のWebページ

たとえば、RHCSA認定を目指すにはGoogle検索で「RHCSA」を検索してみてください。そうすると検索結果の上位に以下のRHCSAのページが見つかるはずです(あるいは、Red Hat 認定資格の一覧からもRHCSAのWebページを探すことができますね)。

認定試験のWebページ

上記RHCSA認定資格のページの「認定試験」のタブを開くと、さらにEX200 - RHCSA 認定試験というリンクがあります。このリンク先のWebページがRHCSA受験者にとって最も重要な、認定試験情報を提供するページです。

このようなページは認定試験ごとに別々に用意されています。たとえば、RHCE認定試験 (EX294) のWebぺージは以下になります。

このようにレッドハット認定試験ごとに用意された認定試験のWebページは、受験者が真っ先にチェックすべき最重要情報です。ここに書かれている情報は認定試験に関する情報として最も信頼のおける情報です。

以下、RHCSA認定試験 (EX200) のWebページを使って、認定試験の情報を調べていきます。

RHLSユーザーは注意

Red Hat Learning Subscription (RHLS) 利用者が試験を申し込むときには、Red Hat Learning Portalから登録を行ないます。例えば、EX200の登録はこのページから行ないます。

注意
このRHLSのページから得られる試験情報は、認定試験のWebページと同等ですが、肝心の試験の内容は「目標」というところに折りたたまれていてわかりにくいです。とても見落としやすいのでRHLSユーザーは要注意です。

認定試験の情報を詳しく調べる

認定試験の情報が公開されたWebページには「概要」「試験の内容」「知っておくべきこと」の3つのタブがあります。

①概要

概要のページには「試験の説明」が書いてあります。試験概要、試験の対象者、受験の前提条件が書かれています。自分が前提条件を満たしているか確認してください。以下は、RHCSA認定試験の前提条件になります。

受験の前提条件
・Red Hat システム管理 I (RH124) と Red Hat システム管理 Ⅱ (RH134)、またはこれらのコースを組み合わせた RHCSA 速習コース (RH199)を受講済み、または Red Hat Enterprise Linux のシステム管理者として同等の業務経験を有する
・RHCSA 認定試験 (EX200) の内容を理解している

②試験の内容

この「試験の内容」タブに書かれていることが試験で確認しようとしていることです。試験範囲と言い換えてもいいでしょう。

RHCSAの場合、ここには認定試験で確認しようとしているシステム管理者の具体的なタスクが書かれています。次の例は、「試験の内容」の一部を抜粋したもので、ユーザーとグループの管理というタスクを表しています。つまり、RHCSA認定試験では、ユーザーとグループの作成、削除、変更などの問題が出ることが容易に想像できるわけです。Linuxターミナルの上で、コマンドを使ってユーザーとグループの管理ができるように準備します。

RHCSAの「試験の内容」には、このようなタスクがたくさん示されています。これらのタスクを、(頭の中で理解できているだけではなく)実際に手を動かして、早く、正確にコマンドの実行できるようにできるように準備すること。これが試験対策の基本的な準備になります。

③知っておくべきこと

3つ目の「知っておきべきこと」には、「試験の形式」について大事なことが書かれています。

試験の形式
Red Hat 認定システム管理者 (RHCSA) 試験は、実践的な実技試験で、実際の開発タスクを行う必要があります。対面式の試験中、受験者はインターネットにアクセスすることはできず、資料や電子文書を持ち込むことも許可されません。ノートや書籍、その他の資料も持ち込めません。大半の試験では、製品に付属のドキュメントを試験中に使用できます。

レッドハットの認定試験は実践的な実技試験であり、以下の特徴があります。

  • 実際の開発タスクを行う実技試験である

  • ネットにアクセスできない隔離された環境

  • 試験中は試験官により監視される

  • 大半の試験で製品ドキュメントの参照が可能

実技試験とはどんなものか

要件を満たすように構築する

実技試験は、隔離された環境で、限られた時間の中で、パフォーマンスを出すことが求められます。認定試験では、実際のレッドハットの製品を使います。試験合格のためには、試験問題で提示された要件を満たすように構築し、構築したものが動作することがとても重要です。

スピードが大事

認定試験ではスピードが求められます。タスクを実行する手順が頭の中にあっても、制限時間内にできなければダメなのです。EX200の試験時間は3時間です。一見、3時間は十分に長いように思えますが、問題量は多いです。不合格になる人の多くは、時間が足りないというケースではないかと想像しています。

正確さも大事

認定試験では正確さも求められます。仮にタスクを実行できる知識や能力があったとしても、ちょっとしたミスで構築に失敗することがあります。指定された名前のユーザーを作成する問題で、ユーザー名をタイプミスしたら、ユーザーの作成は成功したとしてもその問題では得点できません。

まとめ

試験対策には正確な情報収集と実機での練習が欠かせません。試験対策の第一歩として大事なことは試験の範囲と試験の形式を把握することです。レッドハット認定試験は、隔離された試験環境で要件を実現するという「実技試験」の形式を取ります。限られた時間で与えられた要件を構築するためには、知識だけではなく、構築をする際のスピードと正確さが必要です。そのためには本物のレッドハット製品を使った練習が有効です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?