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経営とは持続して価値を提供し続ける事だ。

【華やかな世界に思えて地獄】

最近こんなドキュメンタリーを見た。

【これからスタートアップをする人に捧ぐ話という話】

突然だが、会社を運営するのってお金がかかる。
ITのスタートアップで話をしよう。
自分が経営者をやり、自分の他にある程度の優秀さを持つ
プログラマをひとり雇うことを考える。

【人を雇用すると継続してお金がかかるという事実という話】

優秀なんだからその辺の高卒初任給みたいなお給料で雇うわけにも行かない、それなりのお給料だけど世間一般よりはずっと安いくらいとしよう。
経営者である自分は限られた予算でやりくりするためにひもじい思いをして20万円。

【その事実とは・・・という話】

プロであるエンジニアに経営事情を抑える為に30万円としよう。
自分にも雇われたエンジニアも当然お金を稼いで食べて行く必要がある。
(たぶん、友人同士で組んで起業するのってここで失敗する)
月50万だが、これだけあれば良いわけではなく雇用保険だったり福利厚生だったり、諸々と出費がかかる事でしょう。
夜中に眠れなくてベッドで適当にスマホぽちぽちしている身としては計算が面倒なので、ここではザックリ1.5倍かかったとする。
自分を含めた社員ふたりを抱えて行くのに月75万円ほどかかる。
1年は12ヶ月なので、年間で900万円が社員を維持する為だけに必要となる。

【兎に角、お金がかかる話】

しかし、社員だけ維持すれば会社は成り立つのか?
否である。

まず法人税もあるし経営をしていれば外出する事もあり交通費だってバカにならない。

付き合いで食事に行く事もあれば製品の売り込みのためにイベントに参加したりする事もあるだろう。
開発会社であれば開発費もただでは無い。
必要なサーバーの月額費用や開発環境、技術資料も必要だったり、企業のホームページを作るなら制作費だってかなりお金がかかる。

【中途半端なスタートは社会信用にも関わる話】

資本金や現金がある程度手元のないと、銀行で法人口座を作るにも審査は通らないし国庫も銀行もお金を貸し渋る。

【投資という名のサバイバルな話】

さて、例えば3,000万円のお金を投資家から投資してもらったとしよう。
先ほどの内容を踏まえれば最初の1年で最低でも1,000万円、まあ1,500万円くらいは会社の維持に消えて行く。
ソフトウェア開発で利益を出すと言っても、この時点で利益を出すのは難しい。(利益が出ているならとても良い事です)

ふたりで会社を始めたので開発力になるのは相棒のエンジニアひとり。
もちろん、営業力も事務力も自分ひとり分しかリソースを割けない。

3,000万円と言うこの限られた資金と社員ふたりと言う限られた仕事リソースで会社を維持するしなければならない。

【死ぬか生きるかの世界の話】

利益を出さなければ、単純計算すればたったの2年で資金は尽きてしまう。
逆に言えば、たったの2年間の間に年間1,500万円以上の利益を出せるまでにプロダクトを成長させなくてはいけない。

難しい場合
・追加増資または銀行や国庫から借りる
・追加増員して開発力や営業力を上げる
などの手段を取る事が多いだろう。

前者の場合はいわゆる先延ばし。
期間が2年間から3年間などになっただけで、プロダクトを年間1,500万円程度の利益が出るまで成長させなければならない事実は変わらない。
当然、増資した場合は自社の株をさらに切り売りする事になる。

後者の場合は短期決戦。
追加で人を雇う以上は資金の消費は大幅な増加をするわけであり、増資などで資金を調達しない限りは2年と言う寿命はさらに短くなる。
当然、さらに多くの利益を出さないと行けない状態になる。

もちろん、他の手段も色々とあるだろう。

ここ2年ほど、何の因果かスタートアップ企業や投資家や起業家の話を、直接ではないが聞く機会がたくさんあった。
しかし、正直に言ってこの計算が出来ているスタートアップの人間をほとんど見た事が無い。

別に三角関数が必要とか微分方程式を使うとかそう言う難しい計算をするわけではない。
小学生で習う四則演算が出来れば計算できる。

問題はこの事に気がついていないし、このような計算が必要だと考えない事だと思う。
この計算だって、かなり安易な数字をもとに計算している。
法人税の税率だってまともに考慮してない。

多くの人は、投資家から投資してもらったお金で起業する事を目標にしているのか、起業した後に資金が尽きる前に会社を維持できるだけの利益を出さないと行けない事に気が付いていないのかも知れない。

【結論な話】

プログラミングを義務教育に取り入れるより、経営に必要なごく簡単な概念を義務教育に取り入れた方がこの国は経済的な成長をするんじゃないか?

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