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Instrument Ratingの訓練費用試算より大切な事 パート③

Instrument Ratingの訓練費用試算より大切な事パート1ではプライベートパイロットで習得した技術をマスターしたくないですか?という視点が大切ですという内容でした。Instrument Ratingの訓練費用試算より大切な事パート2では訓練の組み合わせを提案しながら空の世界を楽しんでみませんか?という内容でした。今回はパート2の訓練の組み合わせと空の世界を楽しむ具体的方法について書いてみます。

ルールを知り効果的な方法を考える

費用対効果の高い訓練方法があるんです

Instrument Ratingの訓練費用試算目より大切な事パート1でも書きましたが、Part 61での必要とされる飛行経験をもう一度確認します。

・機長としての野外飛行を50時間

・計器飛行時間を40時間

・訓練時間は15時間

訓練時間を15時間で終わることはない。Part 141での訓練時間は最低35時間に準じて計画を立てましょう。と書きました。

計器訓練時間を実機だけにする必要はない

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FAA ATD(Aviation Training Device)の利用を強くお勧めします。

理由は二つ。

安い!効果的!

ただしその使い方を誤ってはいけません。

①教官からの教育をATDで受けること。

②それを自分で復習すること。

③教官からの教育を受けて練習成果を確認してもらうこと。

この順番大切です。我流で自分勝手にやりできたと思い込んで後から修正するのは想像以上に大変です。なぜならたくさんそういう事例を見てきたらからです。

仮に35時間をかけて訓練するとしましょう。1時間の訓練時間についてはプライベートパイロットの訓練コストはいくらか?でも書きましたが、中間値をとって$225でした。それがATDとなると設置されているスクールや機材の種類によっても異なるでしょうが、実機訓練と比較すると明らかに安くなることは間違いないでしょう。自分で練習するとソロ訓練になるので安くはなりますが...

同じ金額をかけて実機訓練とATD訓練を比較した場合の練習量の違い。

合格レベルに達するまでの実機訓練とATD訓練の時間と費用の違い。

具体的な時間と金額シミュレーションは、FSOパイロットクラブの中でご紹介します。

Safety Pilotをうまく活用する

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前述した教官との訓練の後に自分で練習して復習する時間を他のものを組み合わせるのです。

復習訓練 ❌ Safety Pilot ❌ 野外飛行

Instrument Ratingに必要な要件である計器時間や機長としての野外飛行時間に充当されます。こんな美味しい話を活用しない手はないでしょう。

フライト前にCrew Briefingを実施して、誰が何をするかという作業分担を明確にしておきましょう。フライトする。無線操作をする。チェックリストをする。ナビゲーションをする。通常これらは全て一人で実施していますが、作業分担をすることで安全性が向上します。ただし上手く作業分担していればの話です。

野外飛行であれば往復またはそれ以上のフライトでレグ数が増えるかもしれません。お互いでSafety Pilotを交代して飛んでみる。

Safety Pilotでもログ付ができる!

航空法にはSafety PilotはRequired Crew MemberとしてPilot in CommandまたはSecond in Commandとしてログ付ができることが認められています。

Instructorではないので教官費用が不要なフライトです。

お得です。

友達を連れての費用折半フライトを実施する

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アメリカの航空法にはプライベートパイロットは搭乗者とフライトにかかる費用を折半できると明記されています。そのルールだとプライベートパイロットでも負担する費用が抑えられ、どんどん飛行機が飛ぶという好循環でGeneral Aviationの世界が広がっていきます。

国内では違法行為になるらしく、ただでさえアメリカの数倍もするフライトコストを一人で負担するなど厳しい環境ですから、航空の裾野普及促進の大きな壁となっているのは事実です。同時に飛ぶ環境が少なくなるということは、技量維持もままならず航空安全の維持なんてどうやって保つの?っていうほど矛盾だらけの国内航空法です。

訓練と楽しみを一緒にする

前述した教官との飛行訓練から学んだ飛行技術をView Limiting Deviceなし(外をしっかり見ての飛行)のフライトです。実際の搭乗者がいるのでPassenger Briefingも必要です。プライベートパイロットの訓練中は担当教官と飛ぶか、一人かというものでした。訓練中に搭乗者がいることを想定して機長としての業務や責任というものを勉強していたはずです。それが実務でできるということです。

Instrument Ratingの訓練費用試算より大切な事パート2でも書きました。

玉那覇はベースが南カリフォルニアだったのですが、ちょっと遠出して行ける場所を巡りました。ラスベガスでカジノで遊び、グランドキャニオンやヨセミテ公園などアメリカの大地に感動し、サンフランシスコでの観光など。近場ではOne Hundred Hamburgerと言われる空港併設のレストラン目当てにBreakfast、Lunch、Dinnerとあちこちの空港を飛びまわりました。

その時の友人達は口を揃えて言ってました。日本ではありえないアメリカの底力を見た。空港は気軽にさくっと乗れる環境。搭乗手続きや手荷物検査ゲート前で順番を待つという日本の常識はなんだったんだ。プライベートジェット(ジェットではないが...)の感覚でプチセレブ感を楽しんだ。と全員興奮気味に同じ感想でした。

その感謝を受けながら、コストをシェアして、自分の経験と飛行時間が付けられる。そんな醍醐味を味わうことをせずにして訓練だけでいいんですか。

プライベートパイロットの時は違い、Instrument Ratingの取得までには多くの要素が絡み合います。それらに加えてプライベートパイロットの訓練コストはいくらか?で書いたいくつかの要素も絡みます。いろいろなパターンをシミュレーションしてその差を感じてもらいます。

次回のFSOパイロットクラブメンバーシップデイではこのシミュレーションも触っていただきます。

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