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FAA CPL 取得のための超オススメのタイムビルディング⑤

FAA CPL 取得のための超オススメのタイムビルディング④ではクロスカントリーを実機レンタルを友人とシェアしてのファンフライトと言うテーマをお話ししました。

今回はJCAB事業用訓練の準備をして日本での就職も視野に入れよう(FAA CFI + JCAB CPLは強力な武器です)テーマでお話しします。

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海外資格からの国内資格への書き換え訓練

玉那覇の実体験です。アメリカでゼロ経験から教官資格まで取得し帰国しました。アメリカに残り就職したかったのですが、就労ビザ取得の壁は厚く帰国を余儀なくされたということでした。

当時から海外資格を国内資格に切り替えることは可能でした。今とは少し違うのですが、フライト訓練を受けて実地試験を受験することには変わりありません。

玉那覇が選んだスクールでは最初に3時間の技量確認フライトがありました。離着陸・エアワーク・計器飛行について確認。提示されたのが約半年をかけて60時間の訓練シラバス。紹介してくれた訓練生からの事前情報から心づもりはしていたものの正直ショックでした。紹介してくれた友人からもすでにいる訓練生からも「それは早くてね」と言われました。ほとんどの人がそれ以上の時間と期間をかけていたということです。

JCAB事業用操縦士に必要な飛行経験はすでに持っていましたし、一応教官資格も持っていました。そんなプライドを一気に崩されたのを記憶しています。しかし訓練を進めるうちにその理由がわかるようになってきたのも事実です。訓練に対する姿勢を大きく変えることとなりました。

何が違うのか?

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訓練と試験のスケジュールの日米の差

アメリカでCommercial Pilotを目標とした時、受験に必要な飛行時間に達する30時間くらい前から準備すると言われてました。しかもこの30時間にはCommercial MultiとCommercial Singleの二つの受験を想定していたので、JCABの事業用操縦士単発だけを比較すると日本では4倍以上の時間をかけることになります。

FAA CommercialのエアワークとしてLazy Eights他初めて実施する課目は当然練習が必要でした。しかも初めて飛ぶ多発機もあるし...でも...

訓練期間が10日!

日本では信じがたいことかもしれませんが、私がCommercial Pilotの訓練に入ったのが8月18日で受験が8月28日のたった10日です。その期間内に多発と単発の二種類です。二つの試験を同日に実施です。

訓練が半分くらい進むと教官から試験官に連絡「〇〇日空いてますか?」と試験日程の調整です。

アメリカ連邦航空局の試験官制度に従事していた人間としていいますが、アメリカでは受験生からの受験要望に対してある日数以上待たせてはいけない。受験に際して受験生からある距離以上の移動を要求してはいけない。その需要に応じて各地の試験官人数を決めていました。

なので前述のようなリクエストが可能で、すぐに日程が決まるのです。再試験も翌日とか、数日後も普通にできました。

一方日本はというと、提示された期間が半年でした。理由は2つ。

オーラル試験がアメリカとは比較にならないほど厳しい理由がある

日本では訓練生が天気予報番組のキャスターかと思うほど天気図をしっかり解説してくれる。その上で飛行の判断をする。それ以外の法律・工学・システムなどの知識の要求されるレベルが深いと感じ、「無理かもしれない」と弱音を履いたことも何度か。基本自習スタイルでしたので、訓練生同士で勉強し合う方針でした。仲間がいないと辛い状況でした。なので仲間づくりと情報収集が必須でした。これは後になって非常に役立つことになりました。

アメリカではCommercialを取得して次のステップはほとんどが教官資格です。そこで徹底的に仕上げられるのです。そして教育を提供する立場になって学ぶことが多いのです。

一方日本はプロとして合格直後から一人でミッションをこなすレベルが求められているのです。

長い訓練期間で頻繁に飛べない

アメリカでも日本でも実施する課目や規定数値の範囲はほぼ同じです。前述したようにアメリカでは10日程度で一気に仕上げたので実地試験時には実力を発揮できました。

日本では半年間で確実に仕上げていく必要がある。アメリカのように毎日飛べるわけではない。単純に計算すると半年間で60時間で提示された訓練シラバスは1ヶ月に10時間です。その10時間をエアワーク・離着陸・計器飛行・野外飛行などを計画した場合、1ヶ月に2回くらいしかエアワークができないのです。しかもエアワークには数種類の課目がありますので、各課目を数多く練習する余裕など全くないのです。

時間が経つと確実に技術は落ちます。しかも次の訓練では前のミスは絶対にしてはいけないし、次のレベルに持っていかないといけない。これは結構辛いです。

シミュレーターがない時代です。家では紙レーターなるポスターを貼ってイメージトレーニング。訓練直前の教室では目を閉じてイメージトレーニング。そんなことを全員がやっていました。

そんな中でも玉那覇は提示されたシラバスを常に意識して、毎回の計画されたフライトを1分でも縮めるような努力をしてきました。ルート・訓練エリア・訓練課目の順番を効果的にして少しでも短く安くすることを心がけ、最終的には10時間程度短縮することができました。チリも積もれば...です。

そこが後にどうやれば効率的に実施できるのか?という考えに繋がっていったのです。

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アメリカで事前にやっておく

仮に提示された計画で実地試験が実施されたとしても、不合格になってしまった場合、日本では実地試験全てが再実施となります。アメリカでは基準に達しなかった課目だけの実施を認めてくれますが...

再訓練計画書の作成、提出、再訓練の実施、そして試験の申請が必要です。試験の申請には実地予定月の前月規定日が必要です。その日を過ぎてしまうと、翌々月の実施となります。

その間に技術はどんどん落ちていく。優先して訓練は入れてくれるけど費用はどんどんかさむのです。滞在費もかかります。

昔は1度落ちると100万円という話がありました。なのでJCABの最初の受験はこれまで経験したパイロット試験で一番緊張したことを覚えています。

要はその日本で必要な知識や技術ノウハウをアメリカでCommercialの時間付の間にやってしましましょうよ。ということです。

仮に日本の事業用操縦士取得が目的だとして、アメリカでは書き換えに必要な資格(自家用操縦士)や最低飛行経験(国内訓練を追加して国内事業用に達するような)計画をする方々がいます。その方法も否定はしません。短く安くできますから。

しかし玉那覇はアメリカでのプロ資格を取得することの意味は大きいと思います。帰国後に日本のプロ資格を取得すると2カ国のプロ資格になるのです。すぐに仕事がない場合もあるでしょう。アメリカのプロ資格を持っていると教官資格に進めます。教官資格を持って日本のプロ資格を持っていると日本の教育証明に進みやすくなります。今の時代教官資格を持っていると就職に困らないでしょう。

コロナで航空業界が大きく変わっている今だからこそ、自分に投資すること、一歩先を進むこと、が夢の実現に繋がるのではないでしょうか。




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