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FAA CPL取得のための超オススメのタイムビルディング③

FAA CPL 取得のための超オススメのタイムビルディング②ではPart 141もPart 61も同じ。FAAとしてはクロスカントリーの知識と技術をしっかりと押さえておきなさい!ということをお話ししました。

今回はそのクロスカントリーをシミュレーターと実機を組み合わせ効果的にやってみませんか!FAA AATDの活用で100%安全で64空港を巡るチャレンジフライトと言うテーマでお話しします。

AATDとして認められた50時間をクロカンとして飛ぶ

100%安全でチャレンンジできる方法がシミュレーターなのです。FAAがそこを認めてくれているわけですから、利用しない手はないはずです。

チャレンジした実践経験を元に実フライトでのクロカンを充実させるのです。実機運航には絶対に無理をしてはいけません。シミュレーターでは無理を承知でチャレンジしてみるのです。そこで自分のできる範囲=限界がわかるのです。後述しますが、自分の限界を知ることは非常に大切なことなのです。仮に限界に近いところでフライトして想定外の事が発生したらもう対応できない状況=限界値を超えている状態になっているのです。これが事故につながるのです。

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引用元:FAA FITS Generic Commercial Training Syllabus

FITSの詳細なシラバスをみるとわかるのですが、C-VFR 3からC-VFR 11の9回がクロカン、C-IFR全7回のIFR訓練に至っては全てがクロカン、合計で16回のシナリオが提示されています。

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これでもかと言うほどのチャンレンジ

FITSで提示された16回のシナリオを2回ずつの合計32回のフライト訓練を実施します。

それぞれ離陸と着陸の二つの別々の空港がアサインされます。合計で64の空港を経験することになります。

飛ぶエリアも様々です。

大都市←→過疎地域

Class B/C←→Class D←→Class E/G

山岳地域←→平野部←→砂漠地帯

西海岸←→中西部←→東部←→南部

本国←→ハワイ←→アラスカ

冬季←→夏季

昼間←→夜間

それぞれ1.5〜2.0時間程度のフライトで実施することで、合計50時間を超えるAATD時間としてログブックに記載します。

これらのフライトを実機で実施するといくらになるのでしょうか?各地への移動代宿泊代も膨れ上がるでしょうし、各地でのチェックアウト費用もかかります。全て終わるまでの日数たるや数ヶ月?いやもっとかかるでしょう。なので実機でやることはまずありません。

AATDでのフライトは当然100%安全ではありますが、効果を最大限に引き出すにはFSOはルールを設定しています。

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実機運航と同じ環境にする事

実機と同じように準備をする。実機と同じように離陸したら飛び続ける。実機と同じように無線交信も実施する。

毎回飛ぶエリアが異なります。初めての空港だらけです。初めてのエリアや空港で昼間の飛行だけはなく、夜間飛行や計器飛行が続きます。

経験こそが全て

これはFSOのポリシーです。

Complex機材の使用

実機ではComplex機材を訓練後半に、いや試験直前にやっと乗る程度、しかも高額なComplex機材なので必要最低限の時間設定のスクールがほとんどだと思います。FSOではAATDの設定をComplexにします。Complex機は速度も早く頭の中のプランニングや処理の訓練にもなります。車輪の出し入れ作業をこの段階で体に染み込ませるのです。なのでフライト自体ももちろん大変です。

実機で50時間の時間付をやる人は皆無でしょう。高額な機体をそんなことに使う人はいないのが現実です。

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引用元:AZ Quotes

優秀なパイロットの定義

「優秀なパイロットとは、優秀な技術を使う必要の状況を避ける事ができる、優秀な判断力を持った者」と言われています。

玉那覇が嘉手納基地で仕事を始めた時に、教室の壁にかかっていた言葉です。

たくさんの経験をして、自分の技術ギリギリを知っておくことが必要なのです。

慣れ親しんだエリアで50時間飛ぶのと、このような経験を50時間積むのとでは、雲泥の差が出てくることは容易に想像できるでしょう。

この理由から、法的に認められているとは言え、AATDをひたすら50時間飛ぶことが無意味なことであることはお分かりになるはずです。

だからこそFSOでは厳しいルールでそれを意味あることにしているのです。

ペアリングの訓練

訓練効果をさらに高める方法があります。

前述した1.5時間〜2.0時間のクロカン訓練を実施しますが、別の訓練生とのペアリングをすることで訓練効果が倍増します。

基本的には二人の訓練内容はシラバス上同じですが、フライトするエリアや空港や環境は異なります。

前述したように64の空港を一人で経験します
ペアリングの訓練としては同じ64の空港を経験し、合計で128の空港を経験するということになります。


これだけ見ればもう単なる教室の端っこに置いてある「天気が悪い時に使うモノ」でない事がわかるでしょう。

玉那覇は試験官時代にFAA検査官とこの事を重点的に議論していたのです。実証実験も多く実施済みです。やってみるとその価値がわかります。

これはもうすでに実機訓練費用対効果と比較しても高い効果があることはわかるはずです。

実機との比較表:玉那覇の私見で評価してみましたが、前述の通りその理由は明確ですし、その差は歴然です。

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そのクロスカントリーをシミュレーターと実機を組み合わせ効果的にやってみませんか!実機レンタルを友人とシェアしてのファンフライトと言うのが次回のテーマです。

次回のFSOパイロットクラブメンバーシップデイは下地島空港訓練センターで実施し、今回の「超オススメのタイムビルディングシリーズ」の全貌をお話しします。







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