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二度の海外留学体験から学んだこと

未成年時の渡米

初めての海外体験が中学2年生でした。中学校内の掲示板に貼ってあった夏休みホームステイプログラム。約1ヶ月の間アメリカ人の家にホームステイしながら英語を学ぶこととアメリカの文化を知ることを目的としていたと記憶しています。毎日が新鮮で大きな国アメリカを肌で感じていました。他人と違うことが当たり前。当時の中学2年生では当たり前の周りと同じことが当たり前と言う常識を180度ひっくり返される現地アメリカの大人と子供たちの考え方や行動。

参加者全員が未成年者であったことから、当然ですが全てが事前に準備されたプログラムでした。ホームステイ先、毎日の行動スケジュール、休みの管理、往復の旅程など。当たり前と言えば当たり前のこと。

成年後の渡米

2度目の海外留学は社会人2年目に決意したパイロット留学でした。中学生で味わった衝撃的な経験から10年経った頃でした。年齢は24歳。今度は空という大きな世界を体験でき、空から見る大陸アメリカを感じることができた最高の経験でした。大人になって再び訪れたアメリカは、私を一人間として接してくれました。日本にいれば黒い髪・茶色い目・肌色以外の人を勝手に外国人として分類していますが、アメリカにいると私のようなそんな外見の日本人は世界中から来る多種多様な人たちのただの一人だったのでしょう。青い目の外国人に道を聞かれることもあった経験から、その外国人からしたら私は外国人ではなかったということです。

目標はプロパイロットでしたが、まずは最初のパイロット資格を取得できないと一切何も始まりません。なので最初の渡米は少なくとも泊まるところと通う学校だけは事前に準備して渡米しました。しかし、それ以降の資格訓練は現地で情報を収集し動いてきました。というより最初のパイロット資格の教官から追い出されたと言った方が正しいかもしれません。

教官から「お前はもうすでにパイロット資格を持った。あとは自分の力で切り開け」とアパートを追い出されスクール探しに車を走らせた記憶があります。なぜか不安になることはありませんでした。なぜならそうやって現地の人たちはスクールを自分自身で開拓して行っているのを見ていたからです。独身で自由に動けることも理由の一つだったと思います。

計画の度合い

未成年時の渡米は全てが計画されていました。成年時には最初だけ計画して渡米しました。計画の有無の良い悪いの話をするのではなく、あくまでも私の経験談です。計画が雑だったから失敗も多かったですが、少なくとも現地で現地の情報をかき集め(当時はインターネットもない時代)、得られた情報の中から選択して進んで行きました。

結果1年間で未経験のレベルからFlight Instructorの資格まで取得できました。

もちろん私一人の力では到底できることではなかったです。友人たちや日本人のパイロット留学生、現地教官、常宿にしていた安宿のオーナー、何よりルームシェアをさせてくれたアメリカのお母さん的存在のパムさん。パムさんの家族友人やパムさんの職場の方々。その方々は全員現地で知り合った人たちで、日本を離れるときには想像すらしていなかった人たちです。

パイロット留学を検討したときに、最初の資格取得のために尽力してくれた沖縄地元の私の先生は、飛行機もヘリコプターも操縦できるプロパイロットでした。その方も同じようにアメリカで武者修行されて資格取得された方だったので、なんの疑問も持たず、現地で動くというスタイルを踏襲していました。

時代の変遷

それから時代は変わり、海外留学も斡旋業者がたくさん台頭してきて、事前準備や現地でのコーディネートもしっかり整備されてきましたが、最近思うことがあります。コロナウイルスのことなんて誰も想像していなかった。一気に世界が変わった。

常日頃から自分で率先して情報を集めて自分で動いている人たちと、御膳立てされたプランを実行している人たちとでは、この状況に対する対応はきっと違うものになっているだろう。

御膳立てされた状態で留学をした人たちはきっとこういう考え方行動になるのでは、と仮説を立てました。現地で発生する想定外のトラブルについてお膳立てをしたところにクレームを出す。もしくは現地のコーディネーターにクレームを出す。クレームを出すことは問題ではありません。問題解決を図る行動になっているという点では素晴らしいことだと思います。怖いのはここからです。留学中または卒業後の仕事についてトラブルが発生した時どうするかです。留学中であればまだお膳立てをしたところや現地コーディネーターかもしれません。ましてや卒業後に仕事がないときに同じことをしないか非常に心配です。今回のコロナで仕事を失って誰に責任があるわけではない状態でももしかして。。。という危惧です。

一方自分で率先して行動している人たちであれば、自分で選んだ現地の学校でのトラブル、留学中の仕事のトラブル、ましては卒業後の仕事のトラブルについては自分の力で解決する能力が身についているのではないでしょうか。簡単ではありません。経験することは痛みです。痛みがあるからこそ成長できるのです。

FMぎのわんで番組を持つようになり、たくさんの海外で活躍する日本人をゲストとしてお招きしてお話を聞く機会が増えてきました。そこで以前から思っていたことが確信に変わりつつあります。石橋を叩きすぎて壊した人はアメリカで活躍していない。ある程度は調べていくが現地で想定外のことが発生しても対応する能力に長けているということ。

FMぎのわん「玉那覇尚也のパイロットになろう」でそんな日本人の経験談を聞いてみてください。9月24日放送の20歳のキア君はまだ10代の頃から海外への挑戦を目指しているのです。年齢は関係ないのです。

選択肢にすらない人たち

なぜ海外に行く必要があるのか?と言う考えている方々です。私の仕事柄、パイロット希望をする人たちと話す機会が非常に多いのですが、パイロットは国境を超えて訓練や仕事をすることが多いので、海外留学の選択肢は持っている方がほとんどです。

一方なぜ海外に行く必要があるのかと疑問を持つ方々が多くいることも事実です。

FMぎのわん「玉那覇尚也のパイロットになろう」のゲストの一人であるアメリカシアトル在住の鷹松さんのYouTube動画でその考えを一蹴する意見が述べられています。ぜひご覧になってください。

https://www.youtube.com/watch?v=ejC8zq8ATPo

自分の足で切り開くことを覚える経験することで、今回のコロナのような世界的な異常事態が発生しても乗り越えられる能力を養うことに繋がると思います。事実この状態で乗り越えている人もいることがいるのですから。



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