見出し画像

[フライト日記]お客様の中にお医者様はの率

こんばんは、5日間怒涛のヨーロッパ便を終えて、さやです。

ヨーロッパ便はほとんど時差がないために、勤務形態的には週休2日みたいな扱いなんですが、時差がないくせに早朝便ばかりをアサインされて、勝手に時差ボケモードになる...謎な疲労感に包まれます。

ちなみに今回の勤務はどんなだったのかというと...

1日目:1500出勤 ブカレスト便 (一泊)
2日目:0315起床 アムステルダム便
3日目:0530出勤 パリ便
            アムステルダム便
          ウィーン便(一泊)
4日目:0400起床 アムステルダム便
5日目:0520出勤 ストックホルム便
          アムステルダム便

こんな感じでとにかく毎日早起き。
早起きが苦手というわけではないですが、夜を早めに寝ないといけない(なかなか難しい)、
起きれなかったらどうしようという不安から謎に何度も目が覚める....
結果時差はないけど睡眠不足気味、多い日だと3本飛ぶのでなかなか疲れます。

私の会社はフルサービスなので短い便であってもスナック(もしくはサンドイッチ)とお飲み物の提供があります。

さてタイトルかけ離れてしまいましたが
(すぐに脱線する癖がある)
みなさんは機内で「お客様の中にお医者様、医療従事者はいらっしゃいませんか?」というアナウンスを実際聞いたことがありますか?
ドラマの中だけのようなこのシチュエーション、結果から言うと結構頻繁起こります。体感で4ヶ月に1回は私が乗務便で起こる感じです。
今年に入って70便ほど飛んでいますが3回くらい経験しています。1/23ですね。

そしてすごいのは大体どの便もその「お医者様」が乗ってるのです!!!!!
短いヨーロッパ便でも国際線でも関係なく!
学会などの仕事の道中という場合とプライベートでただの旅行...という場合ですが、本当に頼りになる存在です。
現在私の会社ではご自身次第ではありますが、お医者様である場合登録することが可能で、万が一の時にお声がけさせていただく(呼びかけなくてもいるのがiPadで一目瞭然なのでサッとお声がけできる+協力してくれるという意思が予めわかっているので安心)ことができます。

今回のこのヨーロッパ便の道中でもお医者様にお願いする事態が起こりました。
アナウンスを入れると2名のお客様が名乗り出てくださいました。もちろんお医者様にも分野というものがありますので一概に「助かったー😌」というわけではありません。
(精神科医だったり耳鼻科医だったりするとなかなか....😅)
今回は1人は内科系、もう1人は神経系のお医者様で、お客様の容態、国籍、言語などを踏まえて内科系のお医者様にお願いすることになりました。
的確な指示と判断により、直ちに病院へ行くべきと判断され、間も無く到着体勢に入ろうかというところではありましたが、管制塔とのやりとりもあり、順番抜かしをしまくり(こんな速いスピードで下降したのは初めて)1番最短なランウェイ、1番近いゲートに現地の救急隊が待機、となりました

他のお客様にも「到着しても指示があるまでは着席しているように」とお願いし、みなさん状況を見ているのでとても協力的でした。
機内前方のビジネスクラスのお客様はご自身の席をこの急患のお客様とそのご家族に譲り、到着してドアが開いて、ものの1分ほどで無事救急隊が乗りこみ早々に病院へと向かいました。

たまに思ってしまうのです
旅行中に病気になってしまうのは本当に嫌なことですし、病院に行くなんて!という感じですが
今回のような緊急事態、家で1人でいて具合が悪くなって手遅れになるよりもよっぽども迅速で適格な判断が下されるんじゃなかろうか....と。
というのも今回のお客様も(ご家族も)確かに具合は悪いけど「後で自分たちで病院に行くから、いいよ。そんな大ごとにしないで」とおっしゃられたんです。でもこの機内に居合わせたお医者様が「そんな悠長なこと言っていたら悪化するのみだ!今すぐ病院へ」と指示を出したことで病院にかかる事になりました

この後の状態は結果など、私たちクルーが知ることはありません(お客さん自身より連絡があった場合やこちらから会社にアクションをかけた場合のみ、ただしプライバシーにかかわることなので状況による)知る事ができます。
もしかいたら病院に行くほどのことではなかったかもしれませんが、お客様の健康を祈るのみです。


また万が一具合が悪くなりお医者様が機内に居合わせなかった場合は、パイロットの通信システムを使い、24/7体制で会社のお医者さんから指示を仰ぐようになっています。
その場合は私たちCAが目となり鼻となり手となり口となり遠隔操作で指示通りに処置を行うよう訓練されています。(機内にも色々医療道具が載っていますが、それらも指示があった時、医師免許を持ってる人のみが使うようなっています)
またお医者様が同乗されていた場合もそのお医者様と会社のお医者さんとで話をして指示を出します(基礎知識はお医者様として持ち合わせていても専門分野でなければお医者様といえど責任は持てないでしょうし、そんな負いたくもないでしょう)

やはりお医者様は色々な局面を経験してらっしゃるので、機内であっても冷静で本当に頼りになります。

「お客様の中にお医者様は....」の確率は思うよりも高いのですが、お医者様が乗ってる可能性は本当に高く、適切な処置が行われる、航空会社としても人の命を最優先に取り組んでいます。

これから旅行に出かけるみなさん。
特に持病をお持ちでお薬を常用されてる方がいらっしゃる場合、またお連れ様なしの一人旅の場合、私たちからのお願いは
持病名、薬の名前を英語で書いておいてほしい(パスポートなどと一緒にあれば見つけやすい)
私も母にオランダに遊びに来てもらう時はいつ何がどこで起こるかわからないので、「高血圧で薬を飲んでいる」という旨を翻訳アプリを使って訳したものを紙に書かせて持たせています。

どこかの記事で物価の上昇により価格が高騰しているが日本からの団体旅行が増えていると読みました。なのでぜひ、ご自身の安全のために用意できることを用意しておきましょう。
もし飛行機で何か起こった場合は私たちと(恐らく居合わせているであろう)お医者様とで全力でサポートいたします!

それでは、また!Doei!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?