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山を越えた風が作る山岳波と波状雲|パラグライダー
北アルプス稜線を覆い隠す雲
北アルプス上空の西風が強い日といえばこの景色。
あまりにも見事だったので、ちょこっと撮影して記事を書いてみようかと。
![](https://assets.st-note.com/img/1716639849616-QjEh1xbL1A.jpg?width=800)
ちなみに、晴れてる日の景色はこんなにも素晴らしい。
![](https://assets.st-note.com/img/1716639970161-rH39r3twvg.jpg?width=800)
空に広がる筋状の雲の正体とは?
稜線を覆い隠すこの雲は、風下側に何列にも並んで発生することもあるのです。
次の写真は、稜線から9kmほど風下の白馬村の街上空の雲。
![](https://assets.st-note.com/img/1716640668840-q7bo0JwVQP.jpg?width=800)
まるで海に波打つように、規則正しい間隔で並んだ雲は、とても印象的ですが、僕らパラグライダーフライヤーにとっては(絶対に飛べない)絶望的な景色。
この雲は「山岳波」と呼ばれる大気の波によって作られる「波状雲」という雲です。
山を越えた風の波「山岳波による波状雲」
![](https://assets.st-note.com/img/1716640926937-qvxdYHj5Gr.jpg?width=800)
北アルプスをきっかけに風下側(東側)に波紋のように雲ができている様子がよく分かります。
山岳波とは、風が山を越える際に発生する大気の波のことです。
風が山にぶつかると、山を乗り越えようと上昇気流が発生します。その時に発生した雲が稜線に被さり、山を越えた後は下降気流となり、再び上昇気流、下降気流と繰り返しながら、波のように伝わっていきます。
この波の上部では、空気が冷やされ、水蒸気が雲へと変化します。これが、波状雲ができるメカニズムです。
波状雲の発生条件
風向が上層まで一定で、北アルプスにほぼ直角
稜線より上に厚い安定層がある
上昇した空気が雲になるだけの湿度(湿潤層)
こんな感じの条件がそろうと見事な波状雲ができます。
上空に安定層がないと発生した雲はどんどん成長していってしまうので。
流れ込んだ寒気が下層まで影響してくるような不安定な日は波状雲なんておしゃれな雲はできずに乱層雲や積乱雲になり、荒天となるんでしょう。
こんな日はひと目見ただけでフライト出来ないことが確定という、パラグライダーにも関係ある気象のお話でした。
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