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34歳でも大腸ポリープはあるのだ

先日、会社の健康診断を受けた。
今年は35歳になる年だったので、バリウムや腹部のエコー、便潜血といった新しい検査項目が増え、健診の会場も専用の健診プラザになっていた。ついでに無料オプションのマンモグラフィー(初)と子宮頸がん検査も追加して、フルコースで受けてやった。

無駄にえらく恐れていた初のバリウムは意外と大丈夫で、同じく初のマンモグラフィーは苦痛であった。(技師の方が頑張って引っ張ったり寄せ集めたりしてくれるのだが、苦戦しているのが見えて申し訳なかった。)

そして2週間後…

結果がまずはオンラインで見れるようになり、早速確認すると、そこには「E」という見たことのないアルファベットが書かれていた。

何かの間違いかと思った。
というのも、一つ一つ検査項目の判定を見ていくと、全てこれまで通り「A」か「B」なのである。
と思った矢先に、最後の方でEが一つだけ登場していることに気が付き、それはまさかの「便潜血」。

精密検査「下部消化管内視鏡」という見たこともない言葉が書かれていた。ググって大腸カメラのことだと分かった。

その瞬間、頭の中でグルグルといろんな思いが巡った。というのも、その日から10日後に海外出張の予定が入っていたからだ。しかも3ヶ月半、いわゆる途上国的なところに行きっぱなしである。

出張までに大腸カメラを受けて、もし何か見つかってしまうとややこしいではないか…じゃあ一旦これは見なかったことにして、帰国後に精密検査を受けるか。

やー、でもこういうのは早めに受けといたほうが良い気もする。

天使と悪魔が左右から囁いてくる。(どちらが天使でどちらが悪魔かは分からない。)

とりあえず健診を受けた健診プラザに電話をして、二次検査の予約が最早でいつ入れられるか聞いてみることにしたが、電話が混み合っていて全然繋がらない午前10時。

ていうか、二次検査の費用は会社ではなく自己負担なのだから、受けるのは健診プラザでなくても良いじゃないかと思い直し、近所に適当な病院がないか調べてみた。

そうすると意外といくつもあって、自分が普段「内視鏡」という言葉を全然見ていなかったことに気づく。

プロセスについていろいろと調べてみると、大腸カメラを入れて終わりということではなく、もしポリープがあればその場で切除するかもしれないし、病理検査に回すことになれば、後日その結果を聞きに病院へ行かねばならないということが分かった。

ほう、それは困る。
その頃にはもう海外にいるのだから。

と、そんな時目に入ったのは、オンライン診察可のクリニックだった。(イマドキ!)

自宅から徒歩16分と悪くない距離で、Google mapの口コミも良いではないか。

予約もオンラインでできてありがたい。

その日は水曜日だったが、一番早く病院に行けそうな土曜日にカメラの予約を入れることができた。というのも、事前診察と下剤を受け取る作業を前日までにしなければならず、それを金曜日に入れたのだ。

ここまでサクサクと手配ができるということは、きっと出張前に検査を受けていきなさい、ということなのだろう。と、私がいつも都合の良い時だけやる「神様の思し召し」という設定にした。

さて、タイトルからもネタバレしている通り、今回34歳にして初めて受けることになった大腸カメラで、3ミリほどのポリープがひとつ見つかった。

その場で内視鏡による切除ができたのだが、やはり病理検査に回すということで、その結果は2週間後に来るという。

そして、ポリープ切除後は1週間の食事や遠出の制限があり、ちょうど1週間後に海外渡航(9時間のフライトのあとさらに乗り継ぐ)予定だった私は少々不安であった。

事前診察の時点でそのことは医師に相談し、まぁ大丈夫だろうとの見解だったので、まるで出張前に歯医者に行って歯のクリーニングをしてもらうのと同じような感覚で、流れ作業のように大腸カメラ&ポリープ切除からの出張というプランを立てたのだが、本当に大丈夫なのか?

私が行くのは医療環境があまり整っていない国なのである。

大腸カメラを受けるにあたって、まずは下剤でお腹の中を空っぽにする必要があった。
カメラのあと、特にポリープ切除後ということもあり、1週間は消化の良いもの(素うどんや白米など)しか食べられないのだが、特に翌々日の月曜日までは力が出ず、テレワークでさえも弱気な私は、つい上司に相談してしまったのである。

斯々然々で…と状況を説明すると、「ポリープ」、「手術」といったワードから、上司をどんどん心配にさせてしまったようで、私の渡航日を少し延ばすどころか、代理で誰かに出張してもらう可能性まで出てきてしまった。

そこまで話が急展開するとは思っていなかったのだが、一瞬、誰かに代わりに行ってもらえるなら、それも悪くないか、と何ともやらしい考えが頭をよぎった。

しかしそうなったらなったで、引き継ぎやその人の査証手配や何やかんや大変なのである。

そしてやはり自分が行く方が良いという結論に至り、出発日を1週間だけ延期してもらうことになったのだ。(とりあえず大腸のコンデションを整えるため。)

こんな直前でのフライト変更なので、追徴される差額運賃も結構な額で、大変申し訳無い思いだが、仕方がない。

そんなわけで、今日、まさに今頃成田空港にいるはずだった私は、パジャマ姿で悠長にこの記事を書いている。

なぜか昨夜は落ち着かなくて、あまり眠れなかった。

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