人が離れてゆくのは。

人が離れて行くのには、理由があります。

中1の夏、親友から突然言われた「もうあなたとは話したくありません」。私が悪かった。その頃の私は、傲慢で、自分勝手だった。喧嘩した時、私から謝ったことなんてない。いつも歩み寄ってくれたのは彼女で、私は自分の間違いを認めようともしなかった。その言葉を最後に、私を避けるようになった彼女とは今も仲直り出来てない。もう5年前なのか、、未だに忘れられず当時の記憶が脳にこびりついている。一生消えないだろうな、この傷は。

中2の冬、あの子は私と友達でいることを諦めた。私が悪かった。自分の負の感情を、押し付けてしまった。自分の殻に閉じこもることを自己防衛だと正当化していた。君が私のそばから離れるのは必然的なのに、それが分かっていたのに、その聲を聞こうとしなかった。

中3の秋、友達を不登校にまで追い詰めた。私が悪かった。私を避けるようになった親友と仲が良かった彼女に、嫉妬してしまった。仲良くなろうとしてくれていた彼女を、避け続け、存在を無視し続けた。これも、自己防衛だと勘違いしていた。結局教室に来れなくなった彼女と話すことは二度となかった。

高1の終わり、全ての友達を失った。私が悪かった。薬物依存で児相に保護されたのだ。スマホが使えない、学校に行けないという状況下に何の前触れもなく置かれた私は、友達への連絡手段がないまま留年が決まり、それが恥ずかしくて通信制の高校に転校した。家に帰ってから当時の友達に連絡をとったが、明らかに私を虐げるような雰囲気だったり、既読すらつかない友達もいた。

高2のときは、そもそも友達が1人もできなかった。私が悪かった。薬物依存から抜け出せず入院しながらの登校となり、学校から抜け出して薬を買わないように、登下校時はもちろん授業中も母が隣にいるという状況となった。そんな私に近寄るような生徒はいないし、私から誰かに話しかけるようなこともしなかった。

入院時唯一できた友達は、退院後のデイケアも一緒だったのに今はLINEすらしていない。私が悪かった。彼女だって退院後で調子が良くない日もあるのに、デイケアに来ない日がある、という理由で私が怒ってしまった。それもきつい言葉で。その後LINEを送ったところ未読無視状態が今でも続いている。デイケアには全く来なくなってしまった。

入院時お世話になり、デイケアでもお母さんのように可愛がってくれた女性の方は私のことが大嫌いになった。私が悪かった。彼女の秘密をうっかり喋ってしまったのだ。口が滑った、と言った方がいいかもしれない。悪気が無かっただなんて言い訳にはならない。その方もそれ以降デイケアに来なくなってしまった。
 
ある人から、こう言われた。
「ミクちゃんに、これから、人と上手く付き合っていく為に言っておきます。信用を失うのは、一瞬です。
信用を取り戻すには、時間が、かかります。人が離れていくのは、理由があるからです。思いやり、大事にして下さい。」

ずっと不思議に思っていた。悩んでいた。
どうしてみんな私の元から離れて行くのか。
でも、私が悪かった。
今更、気づいた。
気づくのが遅すぎる?
そうかもしれない。けど、そうじゃないかもしれない。
まだまだ人生は長いのだ。
きっと、私は変われる。