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【社内勉強会vol.1】わたしたちのウェルビーイングはどこにあるのか?

先日「わたしたちのウェルビーイングはどこにあるのか?」というテーマで社内勉強会を開催しました。

ウェルビーイングというテーマをより多くの方と一緒に考えていきたいため、勉強会の内容はnoteにまとめていきます。また勉強会はどなたでも自由に参加することができます。

※本勉強会はわかりやすい答えや知識を獲得することが目的ではなく、問いを立てた上で対話を通して、各々の視点を拡張することを目指しています。

参考書

今回の問いを考える上で『わたしたちのウェルビーイングをつくりあうために その思想、実践、技術』を参考にさせていただきました(以下、参考書と呼びます)。

3つの問い

今回のテーマを考えるうえで本勉強会ではウェルビーイングとは何か?「わたしたち」とは誰か?ウェルビーイングをどう実践するか?という3つの問いに分解しました。

ウェルビーイングとは何か?

まずは自分自身にとってのウェルビーイングを感覚として捉えるために、参加者で「あなたのウェルビーイングはなんですか?」という問いを考えました。このnoteを読んでいるみなさんもぜひ2~3分だけ時間を取って考えてみてください。

参加者の中からは以下のような回答が出てきました。

  • 人の役に立てたとき

  • 好きな人と一緒にいるとき

  • 目標を成し遂げたとき

  • 自然との一体感を抱いていたとき

  • 達成感を抱いたとき

回答のバリエーションは様々でしたが人とのつながり、自分から何か行動したときなどの傾向があります。これらを踏まえて参考書の中でウェルビーイングとはどのようなものとして語られているのかを整理します。

ウェルビーイングには3つの側面があるとされています。それが「医学的ウェルビーイング」「快楽的ウェルビーイング」「持続的ウェルビーイング」で、それぞれ大切にしていることが違います。

医学的ウェルビーイングでは病気ではないこと、快楽的ウェルビーイングは今の気分が良いこと、持続的ウェルビーイングは潜在能力の発揮やいきいきとしていることと定義されています。その上で参考書ではウェルビーイングの定義に持続的ウェルビーイングを採択しています(以降ウェルビーイングは持続的ウェルビーイングのことを指します)。

人間が心身の潜在能力を発揮し、意義を感じ、周囲の人との関係のなかでいきいきと活動している状態

わたしたちのウェルビーイングをつくりあうために

そしてウェルビーイングを生み出す要因は3つのカテゴリに分類されます。それが「個人内要因」「個人間要因」「超越的要因」です。

最初の「あなたにとってのウェルビーイングはなんですか?」という問いの答えはこの3つのどこかに分類され、その偏りや重要度は人によって異なります。関係性を重視する人もいれば、今は達成が大切だと感じる時期もあります。

そうした特徴からウェルビーイングの要件として次の3点をまとめました。
1.「わたしたち」によって作られる
2.個別性と自律性がある
3.国の文化によってカタチが異なる

ウェルビーイングとは関係性の中で生み出されて、一人ひとりに個別性があり、自律的に獲得され、国の文化ごとのカタチがある。まとめるとこのようになります。

その時にまた別な問いが浮かんできます。「わたし」という個別性のある存在が複数人集まったとき、何を優先するべきかウェルビーイングの競争が生じないだろうか?ある人のウェルビーイングを満たすことは、別の人のウェルビーイングを損なうことにつながらないだろうか?個別性が入り乱れる社会のなかで果たして「わたしたちのウェルビーイング」はつくれるのだろうか?

「わたしたち」とは誰か?

そこで「わたしたち」とは誰なのか?ということをみんなで考えました。無意識に使ってしまう「わたしたち」という言葉には、誰が含まれていて誰が含まれていないのか。読んでいるみなさんも少し考えてみてください。

参加者からは「わたしたちに含まれる人」として以下のような回答がありました。

  • 家族

  • 友人

  • 不登校や不良などマイノリティ

  • ホームステイ先のファミリー

  • 未来の子どもたち

  • 自然

マイノリティやホームステイ先のファミリーという回答では、自分自身の原体験、実際に触れたことのある関係の近さが大切であるという話がありました。中には「影響の度合いの違いでスペクトラム状なだけで、わたしたちに含まれない人はいない」という回答もあり、距離というものが一つのテーマになっていました。

反対に「わたしたちに含まれていない人」として以下のような回答がありました。

  • 過去の人たち

  • ホームレスの人たち

  • 海外の人たち

  • 野生動物

ここで含まれていない人たちというのは決して見放しているわけではなく、自分が身体感覚を持って「わたしたち」と言えるかどうか、関係の近さを持っているかという文脈です。

「わたしたち」に含まれるのは人であることもあれば、自然という生態系、未来世代や過去の人といった時間的存在であることもあります。「わたしたち」を考える一つの軸として「時間/空間/影響による距離」が見いだされたのは大変興味深いです。

本勉強会は答えを出すことは目的としていませんが、「わたしたちのウェルビーイング」は一人ひとりが異なるカタチを持っていることが自然なのではないかと考えさせられました。

「わたしたち」という輪を考える上で共感による「わたし」の拡張に注目しました。先程の「時間/空間/影響による距離」と通じますが、共感は経験によって獲得されていきます。しかし物理的・精神的に無限に拡張し続けることができず、共感の輪あるいは「わたしたち」という視点には限界があるのではないか、と考えられます。

その限定的な「わたしたち」の中でどのようにウェルビーイングを実践していくことができるのか?というのが次の問いです。一人ひとりが異なる「わたしたちのウェルビーイング」を持っていたとして、それを作り合うためにはどうすればいいのでしょうか。

ウェルビーイングをどう実践するか?

その一歩目として日本型のウェルビーイングを考えてみましょう。ウェルビーイングの要件で触れたとおり国の文化によってウェルビーイングのカタチは異なります。参考書の中で日本のウェルビーイングには3つの特徴があるとされており、それが「自律性」「思いやり」「受け入れ」です。

自ら周りの環境に対して能動性を獲得して(自律性)、自分だけではなく周りの人のウェルビーイングにも働きかけ(思いやり)、他者と調和しながら現在の状況を受け入れることができる(受け入れ)。欧米の個人主義型とは異なり他者との関係性や周囲の状況の影響度・連関度が高いのが特徴となります。

また私たち一人ひとりがどのように他者と関わるのが良いのか、ウェルビーイングを生み出す「よい関わり」を6つまとめました。
(参考書の中ではウェルビーイングを生む「よい介入」とされていましたが、日常生活にも当てはまると判断して「よい関わり」としました)

1.個別性への配慮
2.自律性への配慮
3.潜在性への配慮
4.共同性への配慮
5.親和性への配慮
6.持続性への配慮

中でも「私とあなたは違う」という大前提を了解する個別性への配慮、ウェルビーイングは自分で気づき、行動することで獲得されることを理解する自律性への配慮は最も重要です。

これらを踏まえた上で「あなたにとってのわたしたちのウェルビーイングはどこにありますか?」という問いを投げかけて本勉強会は終了となりました。答えを出さずに問いとモヤモヤを抱えることはウェルビーイングを考えるうえでとても重要なポイントです。ぜひみなさんもご自身の中にある問いや日常で感じるモヤモヤを大切にしてください。

次回の勉強会は2月7日(月)19:00-20:00で「テクノロジーとのウェルビーイングな関係とはなにか?」というテーマで開催します。参加は自由ですのでご興味のある方は代表のTwitterまでご連絡ください。

Twitterアカウント:@SotaNakazawa

また株式会社FlourishingではWeFarmCareという自然体験を通したメンタルケアプログラムやウェルビーイングを高めるワークショップを提供しています。ご興味のある方はぜひこちらのサイトからお問合せください。


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