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不便の中にある幸せ|ブリスベン花屋で働くフローリスト

オーストラリア、クイーンズランド州に移住してから、早くも6年が経った。日本に住んでいた頃、私は18歳で車の免許を取得して以来、車での移動が基本。オーストラリアに来てからも、車を移動手段として使うのが当然だと考えていた。

オーストラリアの都市部では電車や地下鉄、バス、トラムがあるため、車がなくても移動できる。しかし、少し離れれば、ドアトゥードアの移動が当たり前の世界だ。車がなければ不便、いや、車が「なくてはならない」という地域も多い。

私がゴールドコーストに移住した当初、子どもたちはまだ小学校低学年だった。そこで、小学校の近くに家を借り、通学の送り迎えをしていた。子どもたちを学校に送り迎えする際、家から学校までの道のりでたくさんのおしゃべりを楽しみながら、歩いて通ったものだ。

移住した当初は、私は仕事もしていなかったし、「夫と共有で車が1台あればなんとでもなるか」と思って車の購入は検討しなかった。

アルバイトをし始めた頃は、自転車を購入した。30分に1度くるバスで移動するよりも断然にスムーズだ。何より私は小学生の頃から自転車が大好きだったことを思い出した。自転車があればどこまでも行けると思っていた。思えば、自転車なんて大学生から乗ってなかったっけ、、。

フローリストの学校に通い始めた時には、ゴールドコーストからブリスベンまで片道1時間半かけて電車通学をした。週の初めには早朝から電車に乗り、フラワーマーケットの最寄えきで降り、花材の調達をして再度電車かUBERで学校へ向かう。

「なんでこんな荷物を持って電車に乗らないといけないの?」
「なんでこんな日に限って電車動いてないの!」

車を使わない生活は、不便だと感じる時にイライラした。

なんで私ばっかりいつも歩きなの!と勝手に夫にもイライラした。


でも結局、移住して6年。私はまだ自分の車を購入していない。

ブリスベンシティーで週5.6日働く私は、電車通勤する方がメリットが大きい。高い駐車場料金は支払わずに済むし、ガソリン台は浮く。高速道路の渋滞に巻き込まれることもなければ、電車の中で好きなことをできる時間が作れる。そしてなんといっても、現在決められた範囲内の公共交通機関は50セントのみで移動できる。(この政策には少し不安を覚えるけれど)

歩くことは健康にも良いし、心にも良い。いつも時間に余裕を見て行動するようになったのでギリギリで焦ることも無くなった。

デメリットなのは、歩くときに見つけた好きな花や枝物、植物や鳥を見て止まってしまってなかなか前に進めないことだろうか?笑


道端の花で遊んじゃったりする時もある


誰かのお家から大幅に飛び出しちゃうとんでもないブーゲンビリア
早朝の小川付近
早朝の月

今の生活スタイルならば、無理して車を購入する必要はないかな。不便だと思っていた中に、心がふわっと軽くなる幸せを見つけることができるようになった。この状況にならなかったら、今でも私はこの素敵な光景に立ち止まり、一息つくことはなかったのかもしれないな。


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