大好きなオーナーの元で働いています|ブリスベンフローリスト
パンデミックが私に与えた新たなる挑戦
コロナのパンデミックは、私たちの生活に大きな影響を与えたと感じる。オンラインで学ぶ機会が増え、働き方が変わり、人々の生活や人生観まで変わった。
日本の観光系企業に勤めていた私は、コロナ禍にはオーストラリアに旅行に来るお客様はゼロ。仕事を失った。
でも一方で、新たな挑戦への第一歩を歩み始めることにしたのだ。
そうだ!フローリストになろう!
こうして私のフローリストへの道のりが始まったのだ。
まさか、この時この挑戦が私ん人生を変えてしまうなんて思ってもみなかった。どっぷりとフローリストというお仕事にハマってしまった。
それは、小学生の時の夢がお花屋さんということもあったかもしれないが、尊敬できる師に出会えたことが大きい。
ブリスベンにお花屋さんを3店舗もつオーナー:Bartである。彼は確実に私の人生に影響を与えた人物だ。
オンラインでデモンストレーションを視聴
コロナのパンデミックを経て、オンラインで学べる機会が増えた。これからもっとコンペティションでの挑戦をしていくにあたって、知識やスキルはもっと蓄えていきたい。
先日、日本フラワーデザイナー協会が主催するオンラインでのデモンストレーションを受講した。なぜかって?講師が私の大好きな師:Bartだったから(私が働くお花やさんのオーナー)。
Bartにとって日本での講師が実現したのは初めて。10年ほど、日本とオーストラリアを行き来しながらフラワーデザインを倉敷のすみれ花店さんの洋子先生について学んでいたBart。
なので、Bartは日本語も話せる!お花屋さんではほとんど英語で話すけれど、二人だけの時は日本語で会話したりしている。(私も嬉しい)
今回のデモンストレーションは、英語で行うのかなと思っていたけど、ほぼ日本語でやりきっていた。カッコ良すぎるよ、Bart.
10こものデザインをあれよあれよと話しながら完成させていく姿は、本当に素敵だった。とともに、Bartのデザインに対する考えを改めて日本語で学べたことに感謝。
私は普段、第二言語である英語で学んでいるけど、やっぱり自分が本当に理解しきれているか不安になる。母国語で学べるのはやっぱりありがたい。
Bartのアシスタントをして学んだこと
Bartの準備からデモンストレーションまでの一部始終を直でみたのは、去年のイギリス。マンチェスターで開催されたInterflora World Cup。
お花のワールドカップなんてあるんだ、と思った方もいるかもしれない。そう。各国の代表が集まり、4年に一度、お花のデザインで優勝者をきめるワールドカップがあるのだ。
2019年のワールドカップチャンピオンであるBartは、去年のワールドカップ内でのイベントの一つとして、ワークショップ(1日)とデモンストレーション(2日間)を行なった。
私は、初めてBartのアシスタントとして同行。準備からデモンストレーション、そしてワークショップ、マンチェスター滞在期間は朝起きてから夜寝る前までBartとほとんど一緒に過ごした。
マンチェスターに滞在した5日間は毎日が刺激と学びの連続で、脳みそもフル回転。瞬きするのが惜しいとはこういうことかと思うほど。幸せすぎたのはきっと皆さんにもこの文章から伝わっていることだろう。
Bartのデモンストレーション
Bartのデモンストレーションでは、花材の説明はもちろん、Bartがデザインを作る際に基本としているゴールデンルールの説明、どのように作り出したかの話など、学びの連続である。
私は、Bartのデモンストレーションを英語バージョン、日本語バージョンの両方を見たことになるのだが、どちらも本当にわかりやすいと感じる。
それはBartの言葉選びだったり、参加者のリアクションを常に察知して内容を噛み砕いて説明してくれるからだと思う。
今回の日本でのBartのデモンストレーションでは絵を描いて見せてくれるシーンが多いように感じた。これはBartもイメージを共有してわかりやすく説明できる、そして受講者も言語関係なくデザインを理解できる手段だと思う。
Bartはいつも講師として仕事を引き受ける時にこのように言っている。
普段、一緒にお店に出ていても、プライベートで話していてもこのBartの一言に滲み出ているように彼の人間性が素敵で本当に大好き。
Bartの元で働き始めたときのことを振り返る
Bartの元で雇用してもらってから早くも今年で4年目を迎えた。私が働き始めた当初、コロナ禍で海外での仕事ができない状況であったBartは、お店にほぼ毎日いる状況。Bartともう一人のオーナーCarolynが中心に勤務1年目の私を根気よく、丁寧に育ててくれた。
勤務1年目のある日。先輩が私に言った。
「Yuki、あなたはなんてラッキーなの。Bartは、1年のうちほぼ海外へ飛び回っているのだから。Bartから直接学べる機会なんて少ないんだよ。」
その時は、ほぼBartと勤務時間を共にしていた私は「へぇ、そうなんだ。」となんともあっけらかんとした返答をした。Bartがいないなんて想像もつかないななんて思っていたっけ。
しばらくしてパンデミックも明けて、去年からBartは忙しく海外へ講師として飛び回るようになった。
Work ExperienceをしたときにBart、Carolynそして私の3人で写真を撮影した。
その後、雇用が決まったので、それからというものバレンタインデーの時には3人で写真を撮るようになった。
記念日だからと1年に1回、3人で3ショットを撮影する。
でも、だいたい撮影できるのはバレンタインの大仕事を終えた最終日あたりなので、みんな髪は乱れるし、なんなら私たち化粧もそんなしてなかったりする。笑
毎年毎年、
だから初日に撮影しようって言ったじゃん!
なんて言いながら最終日に写真を撮る。
だって、初日は2人ともそんな雰囲気じゃないんだもの。笑
とやっと言える関係になった。
でも、私はこんなありのままの写真が好きだなぁ。
私がフラワーコンペティションに挑戦し続ける理由
お花屋さんに勤務し始めて、お花屋さんで作るブーケやアレンジメントだけではなくBartがコンペティションで作ったものを見ることが多くなった。
皆さんは、お花屋さんで働く人たちの一部がフラワーデザインで競技をしていることをご存知だろうか?
何気ない会話の中からBartの作った作品の写真を見せてらう。
お花屋さんの地下の倉庫には、以前Bartが使ったデザインの一部のワイヤーワーク(ワイヤーを使用してデザインを作り出す。作成に何時間も要する)が置かれていてフラワーデザインに対してとても興味が湧いた。
Bartの作り出すお花のデザインは、ミニマリストでかつお花の一つ一つの魅力が最大限に活かされていると感じる。
Bartのようにお花のデザインに魔法をかけられる人になりたいと強く思うようになった。
でも、お花屋さんの勤務時間にはこのデザインを作ることなどしない。お花屋さんでは、お客様に向けたアレンジメントやブーケを販売するからだ。
私がこのフローラルデザインの世界に挑戦するにはどうしたら良いのだろう?
コンペティションに参加するしかない!
思い立ったら、即行動。フローリストになりたての1年目からコンペティションに出るようになった。
私もBartみたいになりたい!
ただそれだけが私の中にあった。
スキルはどう磨く?
コンペティションに挑戦し始めて色々見えてきた。私は、フローラルデザインの基礎もわかってない。そして、何かを作り出そうにも知識とテクニックもわかってない。
何かを学びたいけど、何を学んで良いのかよくわからない、、とお花の学校の先生と話していた時に勧められたコースを受講することにした。
Bartとも友人であるMarkのコースを受講。
一つの花材に絞って、いくつかの異なるデザインを作り出す。そして、それを写真でMarkにメールで送り、フィードバックはGoogle meetingで他の受講者も交えて行うというオンラインコースだ。
一つの花材に絞るとき、私もBartのデザインの中にあったスチールグラスという細長いこちらの植物を選ぶことにした。オーストラリア産のスチールグラス。
初心者の私にとって、一つの花材に絞ってデザインを考えるというのは、ハードルがとても高いのではないか?と心配していたけれど、結果としてここから始めて良かったと感じている。
やってみて良かったとつくづく思う。
これから私はどうしていきたいか?
まだまだスキルもコンペティションの経験も、未熟者な私。でもあの1年目に心がワクワクした時と同じように
Bartのようになりたい
という気持ちは消えていない。むしろ大きくなる一方だ。
もっともっと勉強したい。
もっともっと練習したい。
もっともっとコンペティションに出たい。
オーストラリアの私が住むクイーンズランドは、さほどコンペティションがあるわけではない。
これからは、オーストラリアの他州のコンペティションや海外のコンペティション参加をしたりすることも視野に入れて動きたいなと思っている。
Bartのように大好きなお花の仕事で海外を渡りたい。
実力と成績がなければ、今のBartのようになることは難しいだろう。
Bartのように講師をするではなく、私の方法をみつけて国と国をお花で繋げられるようなお仕事をしたい。
それが一体なんなのか、今は完全には見えていないけれど、、。
私もその時に備えて実力と成績を作っていくことが必要だと感じている。
でもそのためにも何かにトライすること、失敗を何回もすることを恐れず挑戦していく必要がある。
まだまだ道のりは長いかもしれないけど、目の前のこと、しっかり確実に丁寧に向き合って、成長していきたい。そして、挑戦し続けていきたい。
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