モナコインのお題関連の話

皆さんこんにちは。
本記事は、モナコイン界隈におけるお題関係の情報提供を目的に作成されました。自分向けに思考の整理をしたいのが作成のモチベーションなので、需要はあまり考えていません。
が、モノはちゃんと作っておけば、供給に応じて需要が後から発生することもあると考えています。有効活用してくれる人が居てくだされば何よりです。

本記事の内容に基づいて何かを行った際に生じたトラブルについては、一切の責任を負いかねます。自己責任でやってください。

0.そもそもお前誰?

モナカードで「お題」を継続的に出している人間です。
モナ界隈には、報酬としてモナコインを提示してイラストを募集する文化が有り、一般に「お題」と呼ばれています。
2014年~2017年位まではお題に答えてmonaを貰っていましたが、2017~2018年あたりでmonappyで出題するようになり、2019年頃を目安にodairoidで出題するようになります。
2023年のodairoidの休止に伴い、現在は自分の個人アカウント(https://twitter.com/flon732)で出題しています。
気付いたら7年近く出してて草生える。

参考:
・お題の起源は、大体2014年~2017年くらいの2ch(現5ch)のvipにあった「monacoinを投げたり投げられたりしつつ絵とかを晒すスレ」(https://fate.5ch.net/test/read.cgi/cryptocoin/1483867488/l50 )あたりが源流と思います。多分。
・askmona(https://web3.askmona.org/22899) でも同様の活動をしている人がいます。
・現在絶賛休止中のmonappy(https://twitter.com/_monappy_)でもそのようなお題を提示する機能が有ります。休止していない期間はodairoidと並行して出していました。
・odairoid(https://twitter.com/odairoid_001)という非常にベンリなtwitter botが2023年の上半期までは存在しており、お題の掲示と〆切告知、報酬の分配までをまとめてやってくださっていました。が、twitter(現X)のAPI仕様変更に伴い現在はサービスを提供していません。
・大昔ですがアナログ原画もmonaで売ってました。多分自分が一番最初の取引事例じゃないかと思います。 (https://twitter.com/flon732/status/463253813420244992)

1.なぜお題を出していたか

自分が2chの絵スレでお世話になった分、界隈に還元しようと最初のきっかけだったように思います。
あとは他人の解釈を食うのが好きなので、同じテーマでも違う解釈が見られるのが楽しいというのもあります。
それに収集癖があってアナログ原画とかポストカードとかも集めてるし、それと似たような感じでお題で出してもらった作品のモナカード(モナコインのNFTのようなもの)が溜まってくのも楽しいんですよね。
後はモナコイン自体の厄介オタクなので、モナ界隈の活性化に何らかの貢献をしたいというのもあります。
あ、2chの絵スレに居た頃、バイトの替わりにお題消化して小銭が入ってくる環境が欲しかったので自分で作ってるとかそういうのもありますね。
まぁそんな感じの複合要因がお題を定期的に開催してた理由です。このあたりはいくらでも書けてしまうので次いきます。

2.出したお題のまとめ

下記のgoogleスプレッドシートに、自分がこれまで出したお題の内、追いかけられるモノをまとめました。
お題タイトルにリンクを仕込んであります。また、一部の作品はoncyberやmonanosuにて展示しています。右列の「展示先」を参照ください。

https://docs.google.com/spreadsheets/d/1FZS9D0x7-s1ydN0r3QpGRTCz4dXu2WLKXL9kwHwka7c/edit?usp=sharing

記載した3種の値の内訳は下記の通りです。
①賞金額:自分がお題で賞金として提示した額
②配布額:お題参加者に①に加えて一律配布として配った額、又はモナカードを送ってもらった分のお返しとして送った額
③その他配布:それ以外の方法で参加者に分配した額(モナカードを売れた枚数で分配とかやった時のやつ)
尚、正直メンドくさくなった追いきれなかったので②と③は途中でやめています。また、monappyで出したお題は、手元のメモで追えた物以外含まれていません。

各オダイごとの①~③の合計を「配布小計」としており、各オダイでの自分の出費に相当します。さらにその合計である「配布合計」が、自分がこれまで使ってきたmonaの合計になります。
幾つかデータを確認してみましょう。

・総額:8167mona+α

ほとんどのmonaは100円以上の時に買ったモノですが、300円以上の時代はあんまり買ってないので、まぁ100~200万円くらいでしょうか。
「初期勢は最初のうちにため込んだmonaがあって羨ましい」と言われたこともありますが、2014年当時は低スペなノートPCしかなくちゃんとマイニングできる設備も無かったので、普通に2019年前後に買ったmonaになります。当時は学生で金が無く、お題で貰っても割とすぐ売っていました。

・賞金額と参加者の相関:それなりにありそう

下記に賞金額と参加者の相関を示しました。横軸が賞金額、縦軸が参加者数です。点線で近似曲線を引いてあります。

統計の事はよくわかりませんが、金額を増やした方が参加者は多そうです。15人前後の方に参加してほしければ125monaくらいでしょうか。
右上のお題が外れ値的に多くて影響がデカすぎ、見た目上良い相関が出てるだけな気もしますし、実際にはその他諸々の要素が絡んでくると思うので、もう一つグラフをつけてみます。

今度は横軸にお題を出題した順番に、縦軸に配布小計と参加者数を同時にプロットしています。
そもそもの話として、お題への賞金と参加者数が時間経過で同時に減少していることがうかがえます。
お題金額以外にも、mona価格自体の低下、界隈からの人の移動などの影響もありそうです。
まぁそれはそれとして賞金額自体は主要な要素と思われるので、上げてったほうが良さそうですね。

これ以上データを掘るスキルは無いので次へ行きます。

…せめてオダイの投稿日時を突っ込んで、mona価格との相関くらいは取ればよかったかなと思ってるけど手が出ない。

3.お題を出す時に考えていたこと

先のセクションにて、とりあえず100mona+くらいにはしておくとそれなりに盛り上がりそうだということがわかりました。そのくらいのmonaは出す前提として、自分がこれまで出題時に考慮していた事項を書いていきます。

※本記事で紹介されているノウハウは、あくまで自分(のるふ)がそう考えて動いたという内容に過ぎません。改善点があると感じた場合、違う方針を採用してみてください。自分も常に改善中です。
俺の8000mona分の教訓、役立ててくれよな!

・出題期間

・完成した作品を募集するなら、一ヶ月程度はあったほうが良い。フルタイム限界労働者はどうせ土日くらいしかお絵かき時間は取れないし、それ以外にも少なからず私用は発生する。
・当然ながら出題期間が長いとライブ感は落ちるので、一時期試験的に二週間で出していたが、ついていけている人が少ないように感じた。やるなら精々三週間程度からが良いと思う。
・複数のお題が出るとおそらくお題間での食い合いが起きると思うので、他にもお題が出ていた場合は一応タイミングはズラすようにするのが吉。
・最後に追い込みをかけられるように〆切は夜に設定した。効果が出ているかはわからない。

・お題テーマ

・自分が最近お題を出す時の基準として、下記を心がけている。
 a.作家が何を書いたらいいか迷子にならないようにすること。
 b.一方で、解釈の幅は持てるようにすること。
 c.作画コストが高くなりすぎないようにすること(大量の人物やメカ描写が前提のお題は避ける)
 d.極端な特殊性癖やエロ表現、暴力表現は避けること(少年誌程度がボーダー)
 e.政治・宗教への言及は避ける事(クリスマスや日本的伝統行事程度に抑える)

・参加者数が多かったのは「バレンタイン」 「初夏」 「兎年」「うちのこ」あたり。「初夏」以外は割とモチーフがわかりやすい。(「ミクさん」「梅雨」「夜」「ヘアアレンジ」あたりはmona高騰によるボーナスが乗っていると思われるので除外した。)
・参加者数が少ないのは「ファッションの秋」「夢」「メメント・モリ」あたり。やはりあまり具体的でないお題だと参加され辛くなる傾向はあるかもしれない。
・尚、二次創作オダイについては、NFT自体の社会的な捉えられ方と、現行唯一のmonacardサーバの管理人(https://twitter.com/_monacard)の方針に則り、少なくともモナカード作成を前提にして実施するつもりは(今後は)無い。漫画のセリフやポーズの引用など、パロディの範囲でも一応は距離を置く方針を取っている。FT/NFTは投資との距離が近すぎること、同人誌一般で許容される「頒布に要する実費の回収」としての説明も成立しないことから、ファン活動として解釈されることもほぼ無いと考えている。

・賞金

・高いに越したことはない。先の統計をみると、10人以上の人に参加してほしければ、合計100monaくらいは出るようにしたほうが良さそうである。
・賞金の分配として、少額のバラマキ(1~2mona)+主催の選ぶ一人に数十mona、みたいな形式もあるが、monappyでやった時は主催賞を貰えた人以外の参加率が大変下がった記憶がある。極端な傾斜配分は参加率には悪影響がある。
・一方でオダイロイドはスコア(いいね+RT)による分配が前提であったが、ある程度描ける人に対しては程々に競争を喚起し、良い絵を描くモチベーションにつながったと思われる。主催の独断で左右されるわけじゃないのが納得感につながったか。
・ただし、ルールをハックしにかかる人、競争の結果に気分を害して参加しなくなった人などわずかながら居た。
・とりあえず平穏無事にオダイが終わるようにしたいという観点からだけ言うと、等分にしておくのも良いと思われる。どうしても一人あたりは数monaの微妙な額になってしまうが、その分はカードの売り上げて稼いでいただくのが良いと思う。

・お題ルール

・実際の文言は最新のお題を参照。(https://twitter.com/flon732/status/1728758581900857508
・そもそも論になるが、モナコイン、すなわち「金」がやりとりされる場においては、それを許容するだけの文脈が必要であり、その中心には価値のあるモノが据えられているべきである、と自分は考えている。
・文脈のない金は一種の恐怖ですらある。大道芸人は、芸を披露した後に出された投げ銭は受け取れるだろうが、道端で知らない中年男性から急に出された金は受け取れる人はあまりいないだろう。monaが健全に拡散してもらうために、価値ある作品を経由して金がやり取りされている状況を維持しておきたい。(急に金を出す中年男性、たまにやってる気もするな・・・。)
・そのため、価値ある作品を作るインセンティブが働くように、何らかのルールは入れておいた方が良い、と自分は考えている。monaでエアドロみたいな乞食向けマーケティングをする気は無い。
・ルールは基本的な考え方をシンプルにまとめる形で作成し、細かい基準や規則は記載しないこととした。現代のインターネットでは厳密なルールは即座にハックの対象となるし、厳密なルールを作成したとしても、それをオダイと一緒に投稿するのは楽ではない。
・ただし、厳密でないルールはその運用方法次第で、一種の依怙贔屓やイジメと取られる可能性もあるので注意。それで参加者から恨みを買ったとしても、それも出題者が追うべき責任の範囲だと自分は捉えて動くことにした。
・一方で、オダイでは技術不足を理由にしての投稿拒否はしないことにしている。monaが湧いてくる練習台としての活用も想定しているため。
・もし、自分の作品がオダイ内で他の作品と並べられた時に恥ずかしいと感じるなら、それをバネに頑張る方向へ進んでもらいたい。

4.お題の今後

・monacoinの存在意義

アンケートを取ったところ、そもそも「monaを貰いたくないから参加していない」人がある程度いることが確認されました。
参考:https://twitter.com/flon732/status/1720049691721891936

間口を広げるという意味で、monaに興味が無い人でも後から興味を持ってもらうために、普通の創作オダイアカウントとして作り直すのもアリかもしれないとか考え中。NFTや仮想通貨にアレルギーのある人だと「普通の集まりだと思ったらマルチの集会だった」みたいな気分にならないとも限りませんが・・・。まぁ小遣い程度のmonaが参加のインセンティブにならないなら、monaがもらえる以外の所で「楽しい」企画にする必要はあるでしょう。

・「楽しい」お題って?

 わからん!楽しいってなんだ?(哲学)
 自分が投稿した作品を相互作用しているのが良い人も居るでしょうし、モナカードの売り上げが欲しい人も居るでしょうし、単純に壁打ちのネタに欲しい人も居るでしょう。
 個人的には壁打ちとして使ってもらえればそれでも満足ですが、使われなくなるは流石に辛いので色々考えたいところです。
 まぁ〜NFT一般の参入の動機として、作家側にしろファン側にしろ、価格上昇への期待は少なくない要素を占めていると思いますが、今更モナでそれを狙っていくのも違う気はしてたり。
 自分の中ではモナカードは二次販売できる「モノ」というより、チェーンに刻まれた投げ銭スタンプという位置づけが一番近いので、単価を上げるよりも、少額を出せるファンを増やしてくアプローチで売上を増やせるように動きたいなという感じです。
 あとは投機性が高く無いところを逆に押し出していけないかとかでしょうか。自分はモナカードとも別にアナログ原画収集をしてますが、まぁ作品の二次販売を嫌がる作家さんは少なからずいます。(自分は死ぬか物理的限界が来るまでは手元に置き続けるつもりですが…)
 もっとも、この場合でもMonapartyのフラグがハードルになるところはあり…(後述)。
 とりあえずは宣伝にも売り上げにもなり、作家としても楽しくなるような「展示」が出来ないかを検討中です。(だんまり脱法カストディアンMonappyの復旧とどっちが先かなぁ・・・)

・とりあえずやろうとしてること

 次回(年明け)のお題からはもうちょっと価格を上げる予定です。今のところ参加者固定で5mona+500XMPを配っていますが、トータルで100~200monaくらい出す方向に変更します。
 また、過去作品を見るのが微妙に難しい気もするので、過去作の一覧性を上げる方法が無いか検討中。(お題共通のタグでもつけようか? #モナお題 とか・・・もうちょっといい名前ないかな・・・)

5.その他の雑多な主張

・トレーディングカードではなくポストカードと呼ぶ理由

・皆で好き勝手に発行するものであってほしいため。トレーディングカードは運営者が居て意図を持って発行するニュアンスが入る。ポストカードは各作家が発行するものだと伝わる。逆にモナダムカードはトレーディングカードと呼んでも良いと思う。

・Monapartyの再移転フラグについて

・再移転不可でもDispenserで移動が出来たり、ユースケースに即したフラグ設定になっていないと感じる時がある。(再移転不可のカードであるのに、作者以外のDispenserは許容するというケースが存在するか?)
・例えば再移転不可の状態であれば発行者のみはDispenserで販売可にするなどしておけば、セキュアな投げ銭スタンプ帳としての運用が可能になる。
・まぁアドレスごと販売するなど迂回手段はあるが、「Not your keys, not your assets.」の文脈で考えて、複数の鍵所有者が出てくるのを強いるのはそれなりの抑止力になると思われる。
・現状、再移転不可且つ他者がDispense出来ないトークンをDispenserライクに自動販売する手段も無く、手作業での送付が求められとても作業性が悪い。二次販売を禁止したモナカードの販売が非常に困難な環境になっている。
・元の設計がCounterpartyを引き継いでいること、既存のウォレットとの整合性などを考えると、フラグに応じた動作の変更は楽では無いと思うが、個人的には希望したい。(Monaparty automation や Monascriptで同等の機能が実装できるなら当然それでも良いと思うが)
・というかフラグの組み合わせに応じた各種動作の星取り表とかどっかにありませんか(小声)

・今後あったほうが良いと思うもの(自分がやるとは言っていない)

・Monapartyトークン(モナカード)のオークション機能
 →GorifiでXMPオークションはできるけど、monaへ変換するまでの導線が複雑なのもあって、monaでオークションできる方がいいかなって…。  

・pink monacard(R-18なモナカードを扱うサーバ)
 →隔離用にしろ実用にしろ、望んでいる声はそれなりにあった。
(参考:https://twitter.com/flon732/status/1637797031451430912?t=p6KO-4IeQo1n8dIE0LsZhA&s=19)
まぁ言うだけなら簡単だが、実際に作るとなると法令対応など含め様々なハードルがあると思われる。また、「欲しくない」人が12.5%とは言え居る点にも注意。

・Monapartyやモナカード関連サービスへの要望を適切に吸い上げて議論できる場所
 →いきなりgithubは非プログラマには無理だし、Twitterに流しても拾い上げられているかはわからないので、ある程度雑多に話を上げられるようなXMP公式Discordみたいなものはあった方が良いかと思われる。

6.終わりに

 以上、自分が考えていることの一部を書き出してみました。
 あくまで自分の考えなので同意する必要はないし、多分今の自分のやり方の欠点を見つけた人も居るでしょう。今後あなたが何かをmonaでやるときに、何かの参考になれば幸いです。

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