⑤ ラジオ

そもそも今みたいに音楽を聴き始めるきっかけがAMラジオの番組で、歌モノの好みはこの頃に土台が作られているはず。

ラジオってテレビとは違って距離感が近いと思う。テレビはエンタメ性が強くてロールプレイみたいな感じがする一方で、ラジオはパーソナルで自然体が許される場な気がする。そこが好き。

ラジオで必ず思い出すのは、ある年明け頃なんとなく眠れなくて聴いた「中居正広のSome girl' SMAP」。あれだけテンション高くバラエティをやる彼がすごくロートーンで本音や私生活をぽつりぽつりと語る姿に結構驚いた。

「紅白の司会が終わったあと、コンビニに寄ってから実家に帰ったら家族全員寝ていて1人寂しくごはんを食べた」みたいな何気ない話が印象的で、わかってはいたけど人間なんだなって思った。

別に「彼のダンスが好き」くらいで、熱心なファンだったわけじゃないのでそれ以降聞かなかったけど、ジャニーズ事務所退所の挨拶もすごく彼らしいなってそのときのことを思い出したりした。

ラジオはパーソナリティの人となりが知れるから好きという意味で、佐倉綾音さんのラジオに関するインタビューも印象的だった。

ーーリスナーさんとの距離感や関係性についてはどのように捉えていますか?

私がもともと憧れていたのは、“常連さん”のようなリスナーさんがいるラジオだったんですけど、それは一種の“怖さ”でもあるんですよね。その人たちが強さを帯びてパーソナリティ的役割になってしまうと、少し違うなと思うんです。

はがき職人たちがいて徐々に内輪みたいになっていくのも面白いのかもしれないけど、私はニコ動のコメント的存在が苦手で絶対消して見てるくらいなのでそのうち飽きて聞かなくなってしまう。パーソナリティの色が薄くなっていくから。

そういう意味でとしたいはかなり安心して見れるし見逃してもそんなに焦らない。すごく個人的な話を延々と30分してくれるので聞いてて楽しいし、はがき職人による「お約束」がないので飽きない。

最近始まったものだと上田麗奈さんのラジオがそれかなって思う。これからお約束ができていくのかもしれないけど、上田麗奈さんの考えてることが知れるのは楽しいので、この調子で自由に進んでほしい。

VTuberのカルチャーには一生ついていけないしこれからもないんだろうけど、でも私がラジオを好きなのと似たようなことなんじゃないかなって書いててちょっと思った。


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