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「鳩の撃退法」考察

すごい面白い取り組みがされたので参加!
まさか公式がネタバレありで考察を見せてみろとは!
一度しか見てないけど!


この物語は、もっとシンプルに考えていい。

津田伸一が描いた小説は、どこまでホントだと考えるか?

この物語は、津田と幸地が出会うシーンから始まり、東京で目を合わせるシーンで終わる。

つまり、津田伸一と「幸地秀吉(仮名)」との出会い以後、富山での出来事は全て津田のフィクション。鳥飼と会話する東京での出来事は事実。

津田が富山に住んでいたのは本当。深夜に津田が幸地に出会ったのも本当。津田は幸地と出会ったときに「そこから考えられる最も自然な物語」を作り上げた。

津田と幸地の接触は一度きりなので、あの時点で津田が幸地から読み取れることは「家族に配慮してカフェで時間をつぶしていること」「本が好きなこと」くらい。他は全て推測なので、フィクションということになる。

そもそも、幸地と倉田のやり取りを津田は知り得るはずがない。
沼本や社長の存在は、津田が富山に住んでいれば実在していても不思議じゃない。あの規模感の街なら、カフェで沼本と社長が会話する様子も盗み見れる。キャラクターとしての動き方も違和感なく書ける。

津田伸一はなぜタイトルを『鳩の撃退法』とつけたのか?

鳩は3枚の偽1万円札の隠語。

それだけ?
そもそも、なぜ倉田は偽札を幸地に預けようとした?
あんなに大騒ぎになるくらいなら自分で受け取って運べば良いはず。

もっとシンプルに考える。
タイトルは鳩の「撃退法」。富山の出来事において、撃退されたのは誰?

おそらく、偽札の出どころは晴山。

津田の思考プロセスはこう。

家族に恵まれておらず、夜の仕事をしていると推察できる「幸地秀吉(仮名)」と深夜のカフェで出会う
→本に札を挟む癖から、札が巡るトリックを思いつく
→その札が偽札だったら?
→偽札といえば裏社会
→夜の仕事をしている幸地の上役が裏社会のボスだったら?
→裏社会のボスが、偽札に絡む人間を粛正するはず
→幸地が偽札によって不幸になったら?
→ボスと幸地の関係性を強くすれば、物語性が強くなる

なぜ最後に幸地秀吉は倉田健次郎と一緒にいたのか?

これもシンプル。順番が逆。

「倉田健次郎(仮名)」の容姿の男は実在している。『鳩の撃退法』のイメージを映像化するにあたって、「倉田健次郎」の配役にあの容姿の男を当てはめただけ。

津田伸一は、「幸地秀吉(仮名)」について何も知らない。
単に、彼の近くにあの容姿の男がいたというだけの話。

あの容姿の男が裏社会のボスかどうかは、津田伸一は知る由がない。

この物語は、富山で津田伸一が一度だけ会った「幸地秀吉(仮名)」と、東京で再会した。ただそれだけ。

倉田の寄付

ネックになるのは、倉田健次郎の寄付について津田を訪問した堀之内。
こいつが難易度を上げている…。

富山での出来事=フィクション、東京の出来事=事実と仮定すると、あの寄付だけは説明が必要になる。

「倉田健次郎(仮名)」の容姿をした男は出版社の人間だとしたらどうだろう?

であれば、鳥飼が持ち込んだ『鳩の撃退法』の原稿を見ることができて、津田伸一名義を使う理由にはなる。
ラストの車の様子から見ても、倉田の容姿をした男は金持ち。3000万の寄付が可能なのは、登場人物ではあの男だけ。

あるいは、房州老人の本名が「倉田健次郎」だった?

房州老人は実在していて、津田と知り合いだった。津田が小説家だったことも知っていた。いたずらで房州老人が津田名義で寄付していた?

あれくらいの関係性だったら津田が房州老人の本名を知らなくても不思議じゃない。だから、「倉田健次郎」の名前が堀之内から出てきたことに、津田は驚いた。

TMI

Too Much Information.

劇中でわざわざこのワードに言及したってことは、暗に隠された情報があるって言ってるようなものだと思うんだよなー。


こうだったらいいな、という考察でした。

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