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原風景
今からざっと40年程前。
私が子供の頃。
ここは、この神社の境内は子供たちの戦場でした。
団塊世代の子供に生まれた私たちは人数も多く、家で遊ぶおもちゃも、TVゲームも無く、遊具も無いこの境内の広場を使って、いかに楽しく遊ぶか。
こんな広いスペースは稀な遊び場でした。
一番多かったのは野球。
サッカー、ケンケンパ、鬼ごっこ、刑泥、ニカク、ガメ、当てボール、プロレス、虫取り・・・。
年月が過ぎ去って忘れてしまった遊びももっとあったのかも・・・。
結構広範囲のエリアからこの場所で遊ぶ権利を得る為に、勝負の野球やらサッカーなどが行われる。
云わばメジャーグラウンドだったんです。
もっと、小さな遊び場が練習や予選会場で、そこから勝ち上がってきた勝者のチームが対決をする場所だったんです。
とは言え、やはり狭い場所ではあるので、小学校の高学年の子供がリーダーとなってローカルルールが設けられ、本来ホームランである場外への打球は、車の走る道路へ落ちた場合と周辺民家のガラスを割った場合はアウトで、道路を超えていった場合はホームラン。
普通に学校へ行って遊んだほうが良いんじゃないかと思えるほどでした(笑)
今から思えば、こんな狭い境内で常に20人位が集まって何かをして遊んでいて、多い時には30人くらいがこの神社に潜んで遊んでいたわけです。
ボールが狛犬やお社に不本意に当たっても、神罰(バチ)や祟りで死んだり、寝込んだりするようなことも、自分が知る限りでは起きたことが無く、むしろ、岩の上から落っこちても不思議と大けがをすることも無く、擦り傷程度だったんです。
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この岩、大体2mくらいの高さなんですが、ところどころ窪みがみえます。そこに手足を掛けてよじ登って、草ボーボーの中に入って行くと、木々が生えて天然の柵がある左右に広がった小道があるんです。
そこまで登れると一安心。
ザラザラとした岩の表面に手足を取られると、ザザーっと滑り落ちたりして擦り傷だらけになったり、初級フリークライミング的遊具になっていました。
5、6年生になると、手を使わずに駆け上がって、Uターンして降りてきたり。
それはもう、どこかの成人の儀式みたいな感じで、出来なきゃ高学年でもリーダーの資格なしみたいな感じ(笑)
野球の時は、ここの前にホームベースが地面に描かれ、サッカーの時はゴールなって。
この岩って何役もしていた岩で、ずっと何年にもわたって、私たちが年上の子供たちから教わり、そして年下の子供たちに教えていったように、世代を超えて何十人も、何百人もの子供たちの遊び場として、子供たちを見守り、地域の信仰の対象として、ずっと昔からここにあった神社。
それがこの「つきがたさん」だったと思います。
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この「としがんさん」もそんな神社の一つで、岩山の上には笹竹が生えているので、その笹竹を切ってきて、水鉄砲や空気鉄砲をつくったり、彼岸花を摘み取ったりして遊んだりしてました。
唯一、私がトイレットペーパーをこの境内にまき散らして、そのまま家に帰ってほったらかしにしたときは、祖父にもめちゃくちゃに叱られましたが、神罰(バチ)に当たって、「としがんさん」に誠心誠意に大謝りをしたことを今でも覚えています(笑)
今でもお祭りはありますが、「つきがたさん」などはあの境内いっぱいに出店が並び、ブーンと唸る発電機のモーター音とお饅頭などが焼かれる甘い匂い、たこ焼き、イカ焼き、アメリカンドックなどの匂い。
必ず騙される当てくじ。
残念ですが、今はほとんど出店は無くなりましたね。
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出雲神仏霊場巡りと言うのを18年前に知って、そこから寺社仏閣を巡るうちに、神話の話に引き込まれてずっと神社巡りを続けていくうちに、遷宮も出来ずに荒んでいく神社さんも目にするようになってきました。
元々小さな集落だったりすると、氏子さんの件数が少なかったり、高齢化によって色々難しいことも多々あって、今現在本当に大変な状態なんだということもひしひしと日々感じています。
私は沢山の人に神社に参拝に来て欲しいと言う想いもありますが、沢山ある神社を少しでも回って、写真に収め、記録して、私が撮ったりしたものを見てもらうことによって、懐かしんでもらったり、帰省した時などに行ってもらったり、そして、今自分の住む周りにある身近な神社さんへ足を運んぶきっかけにでもなればいいなぁと、思っています。
私は、神社巡りをするようになって、色々なことが知りたくなって、色んな人の講演会や遺跡などの現地調査報告会にも参加するようになったのですが、そこで必ず言われるのが、
「知りたかったら、現地に行って空気を吸ってきなさい」
と、言われます。
きっと、五感を使って体で感じることで分かることがあるんだ。と、教えられている気がします。
そうして、私が受け取ったものを見に来て下さる皆さんに伝えられるように書いていきたいと思います(^^)
最後までお読みくださいありがとうございました。
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