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花の名前で熱を出した話

子どもの頃から大好きだった小さくて青い花。
ある日、
晴れた日にだけ咲いているということに気づいて
感動し、青空を映しているんだと信じていました。

自分の中では、「青空の日の小さいお花」と
呼んでいました。

高校二年生になったばかりの春、
担任が「生物」の先生だったこともあって、
植物採集をしようということになり、皆で
春の野草を摘んで、スケッチしたりして、
とても楽しい時間を過ごしました。

その後、教室で名前を調べました。
その時、
英語圏では、「バターカップ」と呼ばれている
光沢のある黄色の花が、「ウマノアシガタ」という
名前だと知り、びっくりしました!
(八重咲きのは、キンポウゲというのですが)

このツヤのある黄色のかわいらしいお花を見て、
「ウマノアシガタ」という名前をつける人の
気持ちが理解できない。
と怒りにも似た感情を持ちました。
当時の私の正直な心の声
(センスなさすぎ!意識低すぎ!
ありえない! 信じられない!)でした(笑)

そして「青空の日の小さいお花」は、
「オオイヌノフグリ」という名前だということが
わかりました。
オオイヌ?フグリ?
なんか変な名前と思いました。
そして、そのあと、
職員室に行く用事があったので、
担任の先生に聞きました。
担任は、40代の優しい男の先生でした。

「先生、オオイヌノフグリのフグリって何ですか?」
すると先生は、
「・・・・・。
ちょっと俺の口からは・・・。
すまんが、自分で調べてくれ。
国語辞典に載ってるよ」

(なに?その言い方。なんか嫌な予感がする)
私は胸騒ぎがして、
なんとも言いようのない気持ちで家に帰り、
すぐに国語辞典で調べました。
・・・・・。
その時の私の気持ちを、ここで書いても、
たぶんわかってくださる方は
いないかもしれませんが、書きます(笑)

喫茶店に入ったら不良と言われていた時代の、
その中でも、
とびきり変った夢見る少女よりの私にとって、
その名前の意味は、到底受け入れがたく
ショックが強すぎて、
なんとその夜、熱を出してしまいました!

私の大好きなお花、子どもの頃から大好きだった
「青空の日の小さいお花」が、
私が生まれるずっと前から
そんなへんてこりんな名前を
つけられていたなんて!

こんなことが、世の中にあってもいいのか!
いったい誰にこの気持ちをぶつければいいのか!
大人たちは、どうしてそんな平気な顔をして
生きていられるのか。
この世はおかしい!

悲しみはだんだん怒りに変化していって、
そして、
私はベッドの中で誓ったのです。

死んだら、名前をつけたおじいさんに会いに行く!
(おじいさんだと決めつけている(^_^;))
そして、不服申し立てをする!
牧野富太郎だろうが、
どんなに偉い学者の先生だろうが、絶対に許さない!
許すもんか~!と泣きながら思ったのでした(笑)

プリムラの端っこに植えています。どっちが主役かわからない

最後まで呼んでくださって本当にありがとうございます。

良い日になりますように♡




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