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ここで飲まないしあわせ



真夏の外回りはとてもツラい。



電車に乗ってクライアントの会社に着くまでの道のりで、もう一年分の汗をかいている気分になる。



こんなビシャビシャなやつが行って、迷惑にならないかと心配になるほどだ。



今日もそんな仕事を終えて、まず思う事が



『ビール飲みたい!』だ。



ただ、僕はまだこの時点では飲まない。



水で我慢だ。



そして僕はジムに向かう。



1時間走り、色々な器具を使い筋トレ。



『ビール飲みたい!』



まだだ。



その足でサウナに向かう。



サウナと水風呂を繰り返す。



そして、夜の10時になった。



ここまで来るともう、極限の乾きとビールに対する憧れのような気持ちさえ生まれる。



家まで歩いて10分。



キンキンに冷えたビールが待っている。



途中のコンビニで買って飲んでしまおうかと思うが、ここまで来てそれは許されない。



僕はなんとか家に辿り着き、手洗いとうがいと着替えを済ます。



着いてすぐに飲んでしまいたいのだが、出来るだけ『飲まない』を引き伸ばすのだ。



やっと、全てを済ませた僕は冷蔵庫からビールを取り出した。



1本目はグラスに注いでいる暇はない。



プルタブを開け、そのまま飲む。



ゴキュ...ゴキュ...ゴキュ...  プハァ!



やべー!!スゲー!!!やべー!!スゲー!!!サイコー!!スゲー!!!



僕は語彙力のかけらもない感想を口にしながら、ここまで飲まなかった自分の健闘を褒め称えるのだった。



飲まないを積み重ねた後に飲むしあわせは格別なのだ。



その為に、明日も頑張ろうと思う。







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