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#小説

空飛ぶストレート

僕は赤鬼。17歳。 容姿は多分、皆が想像する通りの赤鬼だ。 肌は赤く、髪は金髪の天然パーマ…

違法の冷蔵庫

「逮捕します。」 「え!?なんでですか?」 「いや、どうみてもダメでしょ?その冷蔵庫。」…

コロコロ変わる名探偵

「犯人がわかりました。犯人はこの中にいます!」 探偵の言葉に皆が振り返った。 「分かった…

【超短編】 夢かもしれないし、現実かもしれないし、天国かもしれないし、地獄かもし…

「死ぬ事と眠る事ってどう違うのかな?」 「心臓が動いてるとか、息をしているとか?」 「第…

【超短編】 不老不死の薬

とうとう手に入れた『フローフシの薬』だ。 隣に住んでいる発明家の爺さんが発明した薬だ。 …

【超短編】 物忘れ世界大会

僕は物忘れ日本代表である。 色々な大会を渡り歩き、連勝に継ぐ連勝でとうとう日本代表まで登…

冬が冷たくて

冬は何もかもを冷たくする。 風や雨、雪や外の空気。 洗面所の床、水道水、クローゼットの服、車の中。 僕はいつも以上に背筋を丸くして、手はポケットで暖を取りながら歩く。 時折、冷えたスマホを取り出しては、冷えた指で温もりのない情報をさらう。 何もかもが冷たい冬の朝の日常。 そんなものだ。 こんな、誰しもが忙しい年末に、温もりを求める暇なんてないだろう。 そんな強がりが口から出て、白く漂って消えた。 そんな僕を横目に、モノクロを纏った人々が駅に吸い込まれて行く。

【超短編】理想の家

柔らかいソファーに沈み込む。 妻も隣に座って他愛もない話をする。 子供たちは部屋を走り回…

【超短編】 遅刻

朝になり目覚める。 優秀な遮光カーテンのおかげで日差しで目を覚ます事が無く、快適な睡眠ラ…

東京幽霊

東京の街では、僕は見えていないのかもしれない。 きっと、誰の目にも映らず、誰の意識にも残…

【超短編】 犯人は・・・

それは誰がどう見ても自殺と感じてしまう現場だった。 その場に集められた刑事も鑑識もその全…

【超短編】透明人間

とうとう完成した。 これが『透明人間になれる薬』だ。 透明人間になったら何をしようか。 …

【超短編】 少年A

僕は法を犯したのだろうか。 道徳の問題か。 秩序の問題か。 倫理、宗教。 よくわからない…

【超短編】 前日の夜にあなたを想う

明日はあなたに会える。 あれから一週間しか経っていないのにずっと焦がれていた。 その間に、世の中は静かに年を跨いだ。 けれども僕らの時間は年末のまま止まっている。 明日は一緒に年を越えよう。 また一年よろしくと伝えよう。 僕はそんな事を考える前日の夜が好きだ。 そもそも、何でも前日が一番楽しい質なのだ。 旅行やイベントなど、当日ももちろん楽しいのだが、前日の楽しみを越えて来ない。 やはり前日が大好きなのだ。 あなたに会う前日が人生で一番楽しいと言えるかもし