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私立音大附属のはなし(2版)

2019年11月14日、翌5月1日

きょう友人から聞いた話をします。ちょっと重いかもしれないです。 高校でも吹奏楽部入る人いるよね。高校では違う部活の人もいる。 その子は、音大附属という道を選びました。 その子には妹がいます。二個下のです。

かかるお金は大卒まででおよそ1000万円だと言いました。いわゆる一般家庭には重めです。 「妹は公立行かなくちゃになるんだよねぇ」申し訳なさそうに言いました 私は、なんにも言えません
つまり、その子が音大附属に行くことで妹ちゃんは公立を目指すことがほぼ確定なのだと言うのです。

その子には、音楽の先生になるという夢があります。世界の音楽と戯れるという夢があります。 もし、妹ちゃんも、音楽の先生になりたい、そう思って音大附属を志望した時、 家庭の経済事情によって諦めなくてはいけないなんて酷です。

公立の音楽系にすればいいと思うかもしれませんが、 もし、私立付属がいいと思えばどうだろう。 その子は言います。 「あの先生がいい」 私のとこの理科の先生は言います。 「この教授と学びたいっておもって大学選ぶこともあります」
妹ちゃんがどうしてもこの先生と学びたいと思っても学べないって、、、

妹ちゃんがもし、 「なんか音楽系行きたいんだけど、公立より楽そうだから私立がいい」なんてぬかしてたらこんなこと言いません。 でも、その学校でどうしても学びたい ならば、その私立附属に通ってほしい。
でも経済状況のおかげで、 姉と同じように進学先が選択できない。 姉ちゃんは申し訳なさそうな顔のままです。

2年遅く生まれただけで、 したい学びができないかもしれない。 2年早く生まれただけで、 妹に申し訳なく思いながら夢を追いかける。
親が悪いのですか?
本気で学びたい人が道を選びきれないのは。

実は悪などというものはどこにもなく、そこに現実が立っているのみなのです。

親の職業選択の自由によって今の家計があるのは重々承知です。 しかし、親の選択を非難することは違うでしょう。 親の選択によってできた差を、次の世代は気にせず生きられればいいだけなのですかね。それも違うのかもしれません。家族の収入と進学先でかかる費用の関わりを無くすためことは果たして正しいことなのかまだ分からない。
それを知るのもまた学問なのでしょう。

でも、生まれた順序。これはどうにも、不可逆的です。 なんとかならないものですか。 それとも我慢するのですか。音大一千万円。

本noteは下記のnoteとツイートを底本とし、誤字脱字、そぐわない表現を差し替えました。また、本note執筆からおよそ半年後の意見としており、底本とは主義主張が異なります。
本文中には、今日の人権擁護等の見地に照らして、不適切と思われる表現がありますが、著者自身に差別的意図はなく、また、著者が存命であること、作品自体のメッセージ、著者の意図を考察し、原文のままとしました。
そして、文章全体の論旨は決して「金をくれ」というのをひたすらに言うものでないことをこちらに重ねて表します。
音大附属のはなし(初版)|竹早 夏
https://note.com/fl_nachan/n/n0e84d086956b

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