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RPN電卓のすすめ

RPN方式の電卓をご存じでしょうか。括弧を使わずに日本語どおりにキーをたたけば計算できるというまさにぐうたらぁ向けの電卓です(ってちょっと無理やりですが・・・)
RPNとは、逆ポーランド記法(Reverse Polish Notation)のことで、例えば
「(2+3)×(4+5)」
であれば
「2 3 + 4 5 + ×」
のように記述します。これを読みくだしてみると
「2と3を足したものに4と5を足したものを掛ける」
と日本語のように読めます。RPN電卓での実際のキー操作は、
「2」、「エンターキー」、「3」、「+キー」、「4」、「エンターキー」、「5」、「+キー」、「×キー」
となり、×キーを押すと直ちに計算結果の45が表示されます。
「=キー」を使わない代わりに、数値と数値の区切りに「エンターキー」を使います。

普通の電卓で上記の計算をする場合は、途中の計算結果をメモリに保存する必要があったりして面倒なのが、RPNだと便利でしょ?
その便利なRPN電卓は、唯一HP(ヒューレット・パッカード)社が作っているのですが、残念なことに家電量販店や文具店などで見かけることはほとんどありません。

昔々、科学者や技術者達は計算尺なるものを使って計算していました。宮崎駿監督の「風立ちぬ」には主人公の堀越二郎が計算尺をつかって飛行機の設計をしているシーンがあります。この計算尺の代わりとして、科学者や技術者が使える小型電卓を1972年につくったのがHP社でした。ポケットに入る大きさの関数電卓としては世界初だそうです。そしてその関数電卓HP-35はRPN方式でした。
HP社といえば、パソコンやインクジェット・プリンタなどITの会社として有名ですが、元々は計測器の会社で、僕が学生の頃は専門家向けのオシロスコープやミニ・コンピューターを作る超カッコいい憧れの会社でした。現在は、計測器部門が分割されてアジレント・テクノロジー社になっています(今度また、電子計測器部門はキーサイト・テクノロジー社というのに変わるみたいですが・・・)
そんなわけで、学生時代にHPの電卓がとても欲しかったのですが、それはそれは高価でとても手がでませんでした。なにせ、カシオとかシャープの関数電卓が1万円程度だったのに、HPの電卓は10万円くらいしてたと思います。研究室の先輩が持ってましたけど、くっきり赤く光るLEDの数字と独特なクリック感のあるキーボードがとてもカッコ良かったのでした。

写真の右側一番上が、30年前に買ったコンピュータ技術者用の16進数電卓HP-16C、まだちゃんと動きます。真ん中が去年の2月に買ったHP-15C Limited Edition (1982年に発売された名器HP-15Cの復刻版)、一番下は2002年に買った金融電卓HP-12C、左側の縦型は、最新機種のHP-35sです。

※ 現行製品のHP-35s、HP-12c、HP-50g(グラフ電卓)はアマゾンで買うことができます。

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