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vol.3 続・センセイ自由は欲しくないですか? フランケンの遺言編

博士とフランケン サウザーの白熱教室
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※試聴版。オリジナル版(57:20)は購入後に視聴可能。

最終話です。(全三話)

こちらも寄稿でして、同席してくださったやさぱす先生による筆です。
力のこもった文章で、素晴らしいですね。

聖帝

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「それって溶けてるのは金じゃなくて、あなたの人生なんじゃないの?」

Vol.2で出た一言。あまりにも鋭くて今もこれを書きながら泣いている。

夢を追うはずだった期間を、家族と送るはずだった時間を、楽しく過ごせるはずだった瞬間を、

人生を売って得た金が、一瞬で溶ける。

何のために耐え忍んできたのか。何のために全てを諦めたのか。

失ったものが目の前に鮮やかに思い浮かび、そして溶けた。

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自由を得る、それだけ。それだけが人生を変える。
自由とは時間と等しいと思われていたが、計らずとも時間を手に入れた者は持て余し、また失った。

自由とは時間ではなかったのだ。時間は自由の必要条件だったが、十分条件ではなかった。
考えてみれば当たり前なのだが、それをまざまざと見せつけた大災害の前後に録られた音声の後編。

これは貴重な資料である。それと同時に自由を得るためのバイブルとなり得る。

…なんて格好つけて書いてみたけど、私がこの音声収録に参加させて貰えた事が信じられないくらい貴重な、医療と医師の歩む道を解説してくれる凄いトークが聞ける。

自由を得る具体的な方法については前後編を通して目標から戦術まで詳しく語られる。前編の「金曜午後の休みをもぎ取れ!」などのアドバイスは医師に限らず非常に役立つと思われるが、このVol.3から1つだけ抜粋するなら勤め人+αから始め、最終的にはα+勤め人を目指せという話だろう。

勤め人の身分では自由にはなれない。自由になるには自分の中に青天井の部分を作る必要があり、それが+α。

勤め人+αは滅茶苦茶辛い。始めたばかりのαからは労働力再生産のコストが出ないので、身体や心に歪みさえ産まれる。
αは金も時間も喰う。勤め人の放課後に残った貴重な体力と精神力を全て注いでやっと少し育つが、毎日の成長は僅か過ぎて殆ど観測できない。

私はボロ戸建をやっているが、大学病院勤務時代の平日夜にセルフリフォームしてた時は、帰り際に部屋を振り返って「今日、何が進んだんだ…?」と落ち込むレベルで1日じゃ何も変わらない。

ペットや植物、子供の方が成長が早いので育てたり観察するのが楽しい。それよりスマホゲームのキャラの方がよっぽど早く強力に育ってくれるから更に楽しい。

けど…そんなもの達はとりあえず脇に置いといて、子供や嫁ですら若干後回しにしてでも、+αを育てなければならないのだ。いったん文字通り全ての力を注ぎ、+αを育ててやらねば勤め人は卒業できない、自由になれない。

成長は遅いが必死に育てた+αはいつの日か巨大になり、勤め人との関係は逆転して"勤め人+α”から"α+勤め人"に変わる。自由を勝ち得た瞬間だ。

そうやって泥水を啜る努力をしてまで掴んだ自由で何をするのか?
今まさに自由を得るため必死にもがき続ける者が問われる。

「やっぱり医療に戻ってくるんじゃないの?」

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医は仁術なりなんて聞き飽きた。金は無くても人を救え、時間も無くても人を救えだと?医者を何だと思ってる!

本気でクソ食らえな一文であると思う。クソではあるが、それでも尚、この一文にはある種の真実が詰まっていると感じる。
"医は仁術なり"とは"医は、人命を救う博愛の道である"という意味らしい。

そう、医療とは道なのだ。医療とは少なからず医道としての側面を持っている。
自分の良心や信念に従って実践し、極めると感謝も得られ、何より技術を積み上げるのが楽しい。金はある程度しか得られないけど。

道=最高の善を成すため、ただひたすら修練を重ねること。これ、まさに多くの医師が人生を懸けてやってるやつやん。
武道を少しやってるから思うけど、医療もどうみても道だよこれ。医道だよ。

道を極めるのって楽しい、もちろん医道は滅茶苦茶楽しい。じゃあそんな楽しい道を追求するにはどうすればよいか?

最も重要な答えの1つは、金の心配を無くすことだ。道からは前述の通り金はある程度しか得られない。いつ金が尽きるかと危惧しながら道に習熟するのは不可能ではないが、相当に難しい。
医道を極めるには、どうしても医療以外から金を稼ぐ必要がある。

ここで必要になってくるのが前述の+αだ。一介の医師として働くのみでは金の憂慮はいつまでも続く。+αを持つことで医師としての給与以外からの金の流れが生まれ、α+にまで育てば医道に心置きなく邁進出来るようになる。

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道には守破離という考え方がある。

守とは教わった型を徹底的に守ること。
破とは型を身につけた者が自分に合ったよりよい型を模索し、既存の型を破ること。
離とは教わった型と自分自身で見出した型に精通し、既存の型に囚われず型から離れて自在になること。

「血反吐を吐け」 音声中で何度も繰り返される言葉だ。
医道を極めるためにはまず型を身に付けねばならない。まさに守。

自由を得るために医療以外の他分野との交流が推奨される。
医療以外のビジネスモデルを理解し、所有する事が重要になる。まさに破。

そうして得たビジネスモデルへの習熟と金で、既存の医療を変えていく。
「やっぱり医療に戻ってくるんじゃないの?」の問いはまさに、最終的にお前は離を目指すのか?という問いだと私は捉えた。

道を探し求めるからには離に至るのが最良ではある。
但し,自分が楽しければ必ずしも離を目指す必要もない。

守こそ大事だと、在野で医学を極めるでもいい。
あえて破で止め、医療以外の道を歩んでもいい。
果ての離に至り、新たな医療を見出してもいい。

自分の性質を見極め、己に最も合った道の段階を歩み続ければそれが最高の善。

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離には自在になることの他に、もう1つの意味がある。
新たな型を、技術を、知識を創造する。それが離の表すところ。

自由を得る、その上で自分でしか創造できない医療の型を模索していこう。
己の医道を貫くことが、自分を幸せにし、周りを幸せにし,世界を変えていく。


何でそんなことするのかって?



楽しいからだよ。



著 やさぱす



【オーディオブックの正しい使い方を伝授する】
1.集中して聴かない。オーディオを聴くための時間をわざわざ取らない。スキマ時間や作業時間に『ながら』で聴くのが正しい使い方である。
2.ぼけーっと繰り返し聴く。聴き返すたびに毎回聴こえ方が違うぞ、とか、刺さる言葉が違うぞ、と思ったならそれは良い聴き方。一回で全部吸収してやろう、と言うのは悪い聴き方。
3.PCのnote.muサイトからMP3ファイルをダウンロードする。itunesその他で、スマホに同期する。電車や車での移動中、家事の最中に聴くのが良いと思う。ストリーミング再生で聴くのはあんまりおすすめしないかな。

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