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vol.2 富山が生んだ天才投資家 クレイジーマインドポールさんのクレイジー『自己肯定感』講義

ポール サウザーの白熱教室
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※試聴版。オリジナル版(51:51)は購入後に視聴可能。

その2(全4話)

「クレイジー」と聞いて、あなたはどんな印象を感じるだろうか。辞書通りの意味ならば「狂っている」であろう。ということは、クレイジーマインド・ポールと呼ばれ親しまれているポールさんは「狂った精神のポール」なのだろうか?まずはこの「クレイジー」という言葉の意味について考えてみたい。

クレイジーと似た英単語で「mad(マッド)」がある。まさに狂っている、正気を失った、錯乱した状態を指す言葉である。このように深刻な病状を示す「マッド」とは異なるニュアンスを「クレイジー」は秘めている。もしポールさんが本当に狂人であれば、クレイジーではなく「マッド大家ポール」と呼ばれていたことだろう。しかしながら、クレイジーという言葉を真に深く考えたとき、その言葉が持つニュアンスや人々が抱く印象を考慮すれば、ポールさんを表現するのに適切な言葉はやはり―――「クレイジー」が最も適切だ。Vol.2の紹介文ではこのことについて考えてみたい。

これまでポールさん自身のコンテンツではあまり明かされてこなかった、ポールさんを形作った経験の数々を、本作では時系列順に並べて追体験できる。今では2,400万円の年収を稼ぎ出し、多数の不動産オーナーになったポールさん。まさに現代の立志伝中の人であるが、最初から全てを持っていたわけではなかった。お金持ちの家庭に生まれたわけではなく、英才教育を受けたわけでもない。むしろ社会人になりたての頃は手取り17万円の、いわゆる「地方の・普通の・勤め人」だった。しかもクルマや趣味という「消費」に全振りした、良き消費者であり、良き労働者であった。現在の事業家ポールさんとは対極の存在だった。

教育関係者だった両親、祖父母。そして勤務先の児童養護施設の上司。ポールさんは彼らからの指導や教育に疑問を抱かず、素直に従って生きていた。その教育には「制限」がいくつもあった。勤め人という「枠」である。その「枠」の中で全力疾走した結果―――かの有名な「イチゴ味かき氷事件」が発生する。

そこでとうとう疲れを感じるポールさん。もしかしたら、がむしゃらに「枠」の中で全力疾走しても豊かにはなれないのではないか?身体を酷使せずとも稼ぐ方法を探し続けていた。その中で、吉川英一師匠とふんどし王子を知ることになる。しかしなぜそこで株式やFXに走らず、ひとつの「正解」である不動産投資に辿り着けたのか?もし、ポールさんが真にクレイジーであれば、ここで株式・FX、さらにはネットワークビジネスにも手を出していたかもしれない。しかしそれは必然として起こらなかった。

なぜならポールさんの根幹には「セイフティマインド」が搭載されているからである。ふんどし王子いわく「野生動物並みの危機察知能力」とのことだが…セイフティマインドは「クレイジー」と相反すると思うだろう。しかし今一度「クレイジー」という単語に思いを巡らせてみよう。「クレイジー」には冒頭の通り「狂っている」という意味を持つ。しかしながら「マッド」が持つ「狂気」のニュアンスは実はなく、「クレイジー」には「常軌を逸した、風変わりな、普通でない」といった意味があり、そちらの方がニュアンスとしては強い。

当時、富山県で主流となっていた投資法は田んぼを安く買って、新築アパートを建てるという「吉川スキーム」が主流の手法であった。これには大きな資金が要ることから、当時のポールさんには手が出せなかった。しかしあきらめず、クルマやスニーカーなど所持品の全売却から始まり、メルカリでの転売を駆使して物件購入資金をかき集めた。これは非常に正統な、努力の結晶たる正攻法だ。ただ、その投資先は他人の手垢が付いていない、人と違うこと―――そう、スキマ産業であった。つまりポールさんは誰もやっていない、風変わりで常軌を逸した独自路線を突き進んだのだ。これを見て人々は「クレイジー…!」と呟いた。そこには称賛と尊敬と、一種の憧れが含まれていたことだろう。

そんなポールさんに憧れて、自らもまた「クレイジー」たらんと、ポールワナビーになったとしても、そのマインドと手法は模倣できるのだろうか?それは簡単なことではないと釘を刺しておく。

ふんどし王子は、ポールさんに初めて会ったとき「この人は確実に成功できる。馬力が違う。今は馬力を出すベクトルが趣味に向いているけど、お金稼ぎの方に向ければ…」と直感したという。この馬力のことを作中ではまるで大排気量のV8エンジンと語っていた。かの有名な「イチゴ味かき氷事件」は、精神の大出力エンジンに、肉体が付いてこれなかったことを示すエピソードでもある。

クレイジーマインド投資法には、先述のセイフティマインドという土台がある上で、この強力なエンジンが要る。セイフティマインドでスキマ産業のキワを見切り、そのキワを大排気量エンジンで駆け抜けるのがクレイジーマインド投資法の奥義なのだ。ゆえに、セイフティマインドと大排気量エンジン、この2つを高いレベルで兼ね備えていない者には再現はできないのである。

ではそんな大排気量のエンジンは、どうすれば獲得できるのだろうか?先天的で獲得できないものなのだろうか?もちろん、生まれついて強靭な精神を持つ人もいるし、意図せず成長の過程で身に付けることもある。ポールさんも、どちらかといえば、そのような経緯で獲得したものだという。しかし、ポールさんは児童養護施設で子ども達や周りの職員を見ていくうちに、このエンジン作りに重要なパーツを発見した。それが本作のメインテーマである「自己肯定感」である。後天的に自己肯定感を高めることで自分の精神にブレーキを掛けるものを取り払い、エンジン出力を上げていくことは可能だ。そのことはVol.3にて語られる。

さて最後に、冒頭の質問に戻ろう。「クレイジー」と聞いて、あなたはどんな印象を感じるだろうか?

限りなく「アメイジング」に近い「クレイジー」ではないだろうか。

つづく

著・ヤコバシ


【オーディオブックの正しい使い方を伝授する】
1.集中して聴かない。オーディオを聴くための時間をわざわざ取らない。スキマ時間や作業時間に『ながら』で聴くのが正しい使い方である。
2.ぼけーっと繰り返し聴く。聴き返すたびに毎回聴こえ方が違うぞ、とか、刺さる言葉が違うぞ、と思ったならそれは良い聴き方。一回で全部吸収してやろう、と言うのは悪い聴き方。
3.PCのnote.muサイトからMP3ファイルをダウンロードする。itunesその他で、スマホに同期する。電車や車での移動中、家事の最中に聴くのが良いと思う。ストリーミング再生で聴くのはあんまりおすすめしないかな。

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