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vol.3 アルバイト医として生きていく ~開いてしまったパンドラの箱~

やさぱす サウザーの白熱教室
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※試聴版。オリジナル版(58:52)は購入後に視聴可能。

勤め人の身分であれば誰しも、出張というものに行ったことがあるだろう。
数少ない有給を握りしめ、2泊3日の弾丸海外旅行に行ったこともあるだろう。

非日常である昼の温泉で、居酒屋で、映画館で、ふと疑問に思うことはないだろうか。
「隣に座っているこの男は、普段何をやっている人間なんだろう?」
同じような旅行者?
有給中?
夜勤明け?

その男の正体を教えてあげよう。
奴の名は、

やさぱす。

昼と夜の狭間に遭いまみえる、誇りとやりがいを捨てた消費の堕天使である。


さて、
このコンテンツはやさぱすと言う名のアルバイト医の生き様を根底に置きつつ、極めて軽快に具体的ノウハウが語られる。まるで、口当たりの良い酒のようにするすると喉を流れていくのである。

・寝当直の七つ道具
・税金と社会保険料とは何か?
・法人保有が社会保険料に「効く」メカニズム
・五分でできる法人設立のマニュアル
→「1人でAmazonでできるもん」6万と3980円なり
・昼と夜で変わる「金の価値」とは?
・良いバイトの見つけ方
・良いバイトの回し方
・寝当直のライフハック
・寝当直に連れ込んで良い娘?

約1時間に及ぶ彼のトークには、直接収入を生むためのノウハウがこれでもかとばかりに詰め込まれている。白熱教室の趣旨であるところの、聞いた人間に確実なリターンを、と言うコンセプトにこれほどまでに合致するコンテンツも珍しいだろう。
「特殊な能力も要らず、伝えられたノウハウを実践するだけで、年収が1500万を超える。」
このようなキャッチコピーは、普通であれば見た瞬間に嘘であろうが、今回に限り嘘にはならない。強烈な資本である医師免許を「誇りとやりがい」を削ぎ落としマネーに変換すると、このようなパワーを出力してしまうという、単なる仮説証明実験についての報告をしているだけだからだ。

そう言った意味では、この白熱教室はおかしな値段がついているはずだ。
千数百円。円である。このコンテンツはドルでも安いと太鼓判を押せる。

ただ、
しかしだ、
やさぱす本人もこのコンテンツの中で何度も言うように、このコンテンツは「毒」なのだ。服用にあたっては細心の注意を払っていただきたい。

第1、2話の中で、このコンテンツは「医療におけるパンドラの箱を開けた」と称された。少女パンドラが箱を開けた時、箱の中に閉じ込められていたあらゆる「災厄」が世界中に散らばってしまった。パンドラが慌てて箱を閉じた時、箱の中に残っていたのは「希望」だけであった。世の中は災厄に塗れ、唯一、希望だけは我々の手には入らない。

この白熱教室では、もう一度このパンドラの箱をこじ開けて、最後に残った希望を取り出さんと試みた。
しかして、その中に残っていたのは希望ではなく、並々と満たされた「毒」だったのである。

口当たりの良い酒のようなその毒は、たしかに金銭的な見返りを約束する物に他ならない。しかし、やさぱす自信がいうように、その毒はじわじわと「己が前に進もうとする意思の力」を麻痺させかねないのだ。


金のために誇りもやりがいも捨てた。
だが、何のために捨てるのか?
この姿勢が問われるのが「アルバイト医の将来ビジョン」だ。
このビジョンがなければ、遅効性の毒に侵され、アルバイト医は金を稼ぐだけの中毒患者に成り下がるだろう。
彼が作りたいのは「一緒に進む仲間」であって、このコンテンツをノウハウとしてただただ消費するような中毒に陥った「商売敵」などではない。

やさぱすは、アルバイト医の具体的戦術とは「労働単価を極大化」する戦い方であり、医師免許という「資本」に「労働力」を掛ける「労働集約産業」であると言う大前提をは強調する。
であれば、労働力以外の収入源をどれだけ持つことができるか?という問いに対する答えが必要なのだ。
それがやさぱすにとってはボロ戸建てであり、ボロ戸建てという「労働者以外の収入源」を大きくするための基本戦略が「誇りとやりがいを捨て、労働単価を極大化」するアルバイト医なのである。

かつて彼はボロ戸建てを例えて、「コンコンと釘を打ちながら、自分の器を少しずつ大きくしているのだ」と語ってくれたことがある。その彼がプロフェッショナルとして昏々と睡眠をとりながら、自分の器をやはり育てている。
このコンテンツはそんな彼の覚悟のほどがよく表れている。

「寝当直とは、寝ることをプロとして請け負う生業である」と彼はいう。
このコンテンツを通して、その生き様、いや、寝様から是非ともアルバイト医としての真髄を汲み取っていただきたい。



おまけ。
このコンテンツの隠れた楽しみ方に、やさぱすの「はーい」を味わうというものがある。
彼の独特の「はーい」という相槌には愛らしいような憎らしいような、何とも言えない味わいがあり、これを聴いているだけで何か不思議とホカホカした気分になること請け合いである。はーい。


著:フランケン

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