画像1

vol.4 天才投資家ポール『不動産投資術』を語る、やっちまった物件たちとマジ基地ズッ友大乱闘編

ポール サウザーの白熱教室
00:00 | 00:00

※試聴版。オリジナル版(54:01)は購入後に視聴可能。

第四話(最終話)

白熱教室シリーズには既にいくつもの不動産オーディオがラインナップされている。リリース順に初心者編から始まり、徐々にレベルアップ。各編、それぞれの講師流の手法や考え方が伝えられてきた。物件の買い方や、維持管理、修繕、会社法人の作り方、融資、売却、等々…既刊シリーズでは個々の回に特色があり、学ぶことができる。さて、本作であるポールさんの不動産投資オーディオでは何が学べるのか?

本作で学べるのは不動産の「怖さ」である。

今でこそ華々しい活躍をするポールさんだが、そこに至るまでの道筋は「怖いこと」の連続であった。これまであまり深くは触れられてこなかった、その「怖さ」の深部に切り込んだのが本作であり、リスナー各位には不動産投資の「怖さ」に耳を傾けていただきたい。この「怖さ」はVol.4のみならず全編にちりばめられている。実はポールさんは、怖い思いをたくさんしてきているのだ。

Vol.1紹介文では聖帝が、そしてVol.2,3紹介文では私ヤコバシがポールさんの人柄や取り組みを絶賛してきたわけだが、本作はそのような「ポールさんマンセー!」で終わる作品ではない。しっかりとした「実務的な学び」が満載だ。作中は印象的なとある単語が何度も登場する。

「怠惰にやると、ちゃんと失敗するのよ」

「片手間でやると、ちゃんと負けちゃう」

「ズボラにやると、ちゃんとダメなことになる」

「労力をケチった分、ちゃんと跳ね返ってくる」

「俺だってずっと失敗してきてるんだから。毎年、ちゃんと。」

このように”ちゃんと”だらけなのである。

不動産投資は、いわゆる「紙の資産」とは違い、技術介入の余地が多分にあるビジネスだ。裏を返せば、技術介入しなければ悲惨な結果になるビジネスでもあるのだ。物件の検索や購入、入居者付けなどライバル達とはほぼ平等な条件下で行われるからこそ、この技術介入の質と量が成功ーーーつまり収益に直結するのだ。冒頭で登場する「ワンルーム区分投資」がなぜダメなのか?それはこの技術介入をほとんどせずに業者に丸投げしているから”ちゃんと”損をしてしまうのだ。高年収だが時間のないエリートサラリーマンや医師が、このスキームにハメ込まれてしまう原因はそこにある。

不動産投資は”ちゃんと”準備しなくては”ちゃんと”負けるのだ。

当たり前のように思うことだが、本作ではこのことをリアリティたっぷりに、より一層強く学ぶことができる。このようにオーディオで先達の体験を”ちゃんと”学んだ上で、”ちゃんと”活かせば、大きな損失を防ぎ、余計な消耗を”ちゃんと”回避できる。本作は、そんな先達からの実体験に基づく、貴重な贈り物だ。ポールさんは言う。

「洗練された天才と言われたこの投資家でさえいまだに失敗してるんだから…まあ不動産業界入る時はそれなりの覚悟して入ってきてくださいよ」

不動産投資に挑む人は気を引き締めて前に進もう。

ではそんな先達、ポールさんはこれからどうしていくつもりなのか?Vol.4の後半は、勤め人を卒業したその先についてが語られる。そこでは「投資家」と「事業家」の違いから始まる。投資家は、読んで字の如く資本を投じて、利益を得る人のことを指す。一方で事業家とは事業を企て、経営する人のことである。では「事業」とはそもそも何なのか?もはや日常的な単語となっている「事業」であるが、この言葉は古代中国の書籍『易経』を由来とする。

「化してこれを裁する これを変と謂い

推してこれを行なう これを通と謂い

挙げてこれを天下の民に錯く

これを事業と謂う」

つまり、時流の変化に応じて物事を推し進めて、人々を導き社会に貢献することを「事業」と呼ぶのだ。事を興(おこ)し、人を雇って教育し、面倒を見て税金を払って社会貢献する経営者。これこそが「事業家」であり、その在り方は「投資家」とは異なる。

毎月のキャッシュフローが250万円を超えたポールさんは、不動産投資それ自体にはもはや興味が薄れつつあるという。生活するのに支障ない基盤が完成し、勤め人を卒業したポールさんが次に思うのは「事業をやりたい」だった。「やりたいと思ったことをできる財力と時間ができたから、どんどんやっていく」と語るポールさんは、不動産という安定的キャッシュフローがあるからこそ、リスクをとって事業が興せるのだ。

重機を用いて解体工事を行う「ポール工業」、オリジナルのTシャツやパーカーをプロデュースする「ポールアパレル」、YouTubeにおける配信活動「クレイジーマインドちゃんねる」そして不動産を取り使う「ポール地所」。盟友のふんどし王子も「Investor Rounge」というバーを開店。聖帝も飲食店経営(ラーメン屋)、害虫駆除業、養蜂業と事業を興す方向へシフトしている。彼らに共通するのは不動産という安定的キャッシュフローを確保している点だ。不動産からの収入という堅い継続的収益があるからこそ、真に自分の心が動く「やりたいこと」へチャレンジできるのである。「やりたいこと」は、経済的な基盤と有り余る時間があるからこそできるのであって、この点において勤め人を卒業する意義があるのではないだろうか。

そうして、事業を興して雇用をし、人々の生活を守っていく。事業を通して地域の経済に貢献して、税金を納めて社会に利益を還流する。事業家として経営者になることとは、まさに「地元の名士」に成ること、そのものであろう。

ポールさんは言う。

「みんなができる範囲の中で、小さい失敗をしてもいいと思える挑戦をどんどんしていったほうがいい。時間ていうのは、命と一緒なのよ。時間を無駄にしたってことは、命を無駄にしたのよ。どうせ絶対人間死ぬから、いつかは。それまでの時間を切り売りしてるんだけど…その時間を、一番最大限に”したいこと”をして生きて欲しいよ」

あなたは「したいこと」を忘れてしまっていないだろうか。日々の勤め人仕事や生活費のことを考えるうちに、忘れてしまった過去のユメ。それを取り戻し、人生の残り時間を使うためには…やはり「勤め人卒業」は欠かせない。そのための重要パーツ「不動産」の特に「怖さ」について学べるのが本作である。

勤め人から投資家へ。投資家から事業家へ。

多くの土地を所有する大地主となり、マジ基地ズッ友を福祉で援け、事業を興していくポールさんは結果的に、そして必然的に「地元の名士」への階段を登り始めた。

「富山の王様」はこうして誕生したのである。

をはり。

著・ヤコバシ

ここから先は

¥ 1,680

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?