3月31日
春の突風で吹き飛ばされた納屋の壁。
この納屋にはけっこう大事な物が収まっている。壁が無いがゆえに吹き込んでくる雨風に、中の者たちをさらす訳にはゆかぬ。
男たちは黙って壁の補修を始める。
吹き飛ばされた壁には木材がたくさんついていて、そこから釘を抜き、波板を剥がし、使えそうな木材は補修材として使い回すのである。
男たちはぽっかり空いた壁面に木材を打ち付ける。
なぜ風で飛ばされたのか?という原因を考えながら。
我々が調子に乗って切り倒して回った木たちが、そもそも防風林だったということ。風よけの木たちを切り倒してしまうと山は突風が吹き荒れる。こんな事になるとは思っていなかった。
納屋の構造の問題もある。この木の組み方は、地震からくる横揺れに対してかなり神経を使った組み方であるが、風で壁が飛ばされるという想定はほとんどしていないような組み方だ。昔の建築物だからなのか、釘だけで建っている。ビスは使われていない。
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