ディスクを2枚潰したサガフロンティアの話
その昔、スーパーファミコンというハードがあった。カートリッジを利用し、セーブにバッテリーを用いたそのハードのゲームソフトは明確に寿命があった。バッテリーが切れるとセーブデータも消えるのである。
しばらくして、プレイステーションというハードが出た。こいつはゲームソフトは読み込みのみのCDに、セーブデータをメモリーカードという記憶媒体に保存することで、上記の寿命をなくした画期的な製品だった。
・・・本当に? 遊び過ぎればROM媒体のゲームであっても擦り切れ、使えなくなるという話をする。ざっくりしたサガフロンティアというゲームの自由さの紹介と、個人的な思い出話に終始するのでご容赦願いたい。
サガフロンティアってどんなゲーム?
スクエア(現スクエア・エニックス)から発売されたサガ・シリーズの7作目、プレイステーションのサガシリーズとして1作目である。
様々な世界・種族が混沌として暮らすリージョン界を舞台に、7人の主人公から1人を選びそれぞれ全くシナリオを楽しめるRPGである。
筆者はこのゲームのディスクを遊びすぎで2枚破壊した。
何がそんなに楽しかったの?
主人公が7人おり、それぞれ全く違うシナリオであることからか、サガフロは1人1人のシナリオが短めである。(最も短いブルーのシナリオはタイムアタックで20分を切る記録があるほど。)
つまり、比較的短いスパンで色々な攻略を楽しむことができた。
回避可能な全ての雑魚敵を回避して進むプレイもしたし、編成したキャラクターに全ての術技を習得させる遊びもした。この縛りは無理だな?って思ったら投げ出して他のキャラのシナリオを開始したりもした。
この妙な自由さに惹かれていたのだ。
戦略面での自由さ
サガフロンティアは戦略や育成も自由であった。大別して人間・妖魔・メカ・モンスターの4つの種族がいるのだが、それぞれの成長システムも全く違う。
サガシリーズでお馴染みの閃き・術習得を行える人間。
技の習得はできないが、専用の妖術を取得でき、専用装備に魔物を封印して技を習得できる妖魔。
成長せず、装備でステータスが決まり、倒したメカ系のエネミーからスキルをダウンロードするメカ。
倒したモンスターから技を吸収し、手に入れた技に応じて姿を変化させるモンスター。可愛かったモンスター仲間がどんどんえらいことになるのも様式美。
主人公によって仲間になる種族にばらつきはあるが、色々な編成を楽しむことができる。また、早熟晩成などの違いもあるが、全く使えない種族・キャラもいないため好きなキャラで攻略可能。
シナリオの自由さ
7人の主人公はそれぞれ全く違うシナリオを展開する。
魔術師の国に生まれ、双子を殺すことを宿命づけられたブルー。
故郷を救うため、8つの指輪を集める旅に出たクーン。
婚約者を殺され、その罪を着せられて投獄されたエミリア。
家族を失い、復讐のために悪の組織:ブラック・クロスを追うヒーローとなったレッド。
少年に発掘され、忘れてしまった自分の使命を思い出すために旅に出るメカのT260G。
事故にあい、妖魔の血を得ることで半妖となったアセルス
ニートをしてたら親に追い出されて、なんでか悪の政治家との戦いに赴くことになったリュート。
並べただけでもわかるだろう、フリーダムさ。レッドは完全に特撮の文脈だし、アセルスは耽美系の何かであった。
これらの妙にフリーダムなストーリーとゴッチャゴチャの世界観、やたら自由な戦略がマッチして、筆者の好きな自由さが生まれていたのだ。
全てのエンディングを見たり、いろんなセリフを見るために筆者は何回も何回もプレイした。1枚目は気がついたら起動しなくなっていた。
中学2年生の夏のことであった。
2枚目はどうしたん?
1枚目を破壊した後、しばらくサガフロンティアに触れることはなかったが、20を過ぎた頃、偶然にもゲオで500円で売られたそれを目撃することとなった。
大学生である。時間はいくらでもあった。私の20の夏はサガフロンティアで終わった。約1年でそのディスクは擦り切れる結果となった。
まとめ
サガフロンティアは今やると古臭い部分も当然にあるし、不親切なマップや不親切なシナリオ・フラグといったものも存在する。
だが、筆者にはサガフロンティアほどにハマったゲームが存在しない。
もし、興味があればアーカイブスなどで一度触れて見てほしい。単純に7人全員のシナリオをさらうだけならそこまで時間はかからない。
最初の方に書いた通り、一番短いシナリオであればタイムアタック20分以内の記録が存在するゲームなのだ。
ただし、ハマった時のプレイ時間に関しては筆者は責任を負わないものとする。
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