シーズン4 #15(#59)『歯医者さんは大嫌い』

原題:mr.Monk Goes to the Dentist
放送日:
2006年3月10日
2006年7月11日
スタッフ:
原案:ダニエル・ドラッチ
   &ジョー・トプリン
脚本:デヴィッド・ブレックマン
   &トム・シャープリング
監督:ジェフリー・レヴィン

ゲストスター:
ブルック・ラングトン(テリー役)
マイケル・デンプシー(パターソン刑事役)
デヴィッド・シャッケルフォード(ニール・グラハム役)
ブライアン・キンメット(アーロン役)
スヴェン・ホルムバーグ(ブレンダン役)
ジョエル・ブライアント(チャド役)
デヴィッド・プレスマン(マーティ役)
リック・ユッド(ハル役)
ジョン・ファブロー(オリバー・ブルーム医師役)

<ストーリー>
 歯医者で親知らずを抜くために麻酔をかけられたディッシャーは、薄れる意識の中、治療室に乱入してきた男を歯科医ブルームと歯科衛生士が殺害するのを目撃する。だが、麻酔から覚めたときには犯罪の痕跡はまったく残っていなかった。ストットルマイヤー警部からも「幻覚だ」と取り合ってもらえないディッシャーは、ついに辞職を宣言して署を飛び出してしまう。一方、捜査中の現金輸送車の運転手が射殺された事件を追う警察は、犯人の1人を遺体で発見。何とそれは、歯医者で殺された男だった。誰にも信じてもらえないディッシャーのため、モンクは大嫌いな歯医者を訪れることに――。

<解説>
 本エピソードは、〝機密資料を扱う人間には(朦朧とした状態でうっかり話す可能性があるので)意識の残る麻酔をかけることが禁止されている〟というトリビアから生まれ、アンディ・ブレックマンがそれを歯医者に応用することで軌道にのったと語られている。
 歯科医ブルーム役を演じたのは、『バットマン フォーエヴァー』(95)等に出演し、本作へのゲスト出演後、『アイアンマン』シリーズの監督(&出演者)として大ブレイクしたジョン・ファヴロー。その軽妙な名演技も、本作の大きな魅力となっているのでお見逃しなく。
 また、モンクを拷問する際に言及される映画『マラソンマン』は、ジョン・シュレンジャー監督の1976年作品。元ナチの歯科医(ローレンス・オリヴィエ)が、ダスティン・ホフマン演じる主人公の歯にドリルを突き立てる場面は、映画史上屈指の“観客まで痛い”拷問シーンとして有名である。
 つけ加えると、今回の注目点は、犯行に使われた凶器が大胆にもずっと我々の目の前に提示されていることだろう。

<MEMO>
警察を飛び出したディッシャーが、旧友と再結成する「ランディ・ディッシャー・プロジェクト」は、第9話「ホワイトクリスマス」で、すでにそのバンド名が語られているのでご確認を。そしてどうやら、本作の後も活動は続いているらしく、彼が機会あるごとにこのバンドをアピールするのが、シリーズの「お約束ギャグ」の1つとなっている。

*その設定は、脚本家チームが“ディッシャーが失業中に何をして時間を潰すか”を検討する中で、ダニエル・ドラッチが思いついたという。「僕は、ボストン時代にCake Eatersというバンドをやっていた。それで、ガレージでバンドをやっているシーンを書いてみた。あの“5、6、7、8”という掛け声は、ずっと使ってみたかったのジョークだったんだ」。 
 初期の脚本ではディッシャーの唄う歌は数行のみだったが、プロデューサーからオリジナルのミュージックビデオを撮影してみよう、というノリがあり、スクリプト・コーディネーターのサルバトーレ・サヴォが作詞を担当することになったという。
 そして、《Don't Need a Badge》と題された歌詞が完成すると、共同プロデューサーのスコット・コリンズが、友人である作曲家エヴァン・ブラウにそれを送付した。「17年間一緒に演奏していないバンドのようなサウンドにしてほしい、とエヴァンに言ったんだ」とコリンズ。
 ミュージックビデオの映像は、モンクの撮影が行われているスタジオのすぐ外にあるグリーンスクリーンを使って撮影。編集補のリック・ロドノが、その映像を“『史上最悪のコンピューターソフト』を使ってディッシャーが自宅で一人で組み立てた”感じに、時代遅れのグラフィック処理で完成させたそうである。

(以下、準備中)


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