シーズン5 #4(#64)『モンク・イン・ザ・ダーク』

原題:mr.Monk Can’t See a Thing
放送日:
2006年7月28日
2007年4月24日
スタッフ:
脚本  リー・ゴールドバーグ
    &ウィリアム・ラブキン
監督  スティーブン・サージック

ゲストスター:
ジェイミー・カラー(ピーター・ブリーン役)
ジム・ピドック(ジェイク・コルバート役)
サンドラ・ネルソン(ジャックマン医師役)
シャナ・スタイン(シャナ役)
アート・エヴァンス(ラスティ役)
ドリュー・パウエル(エディ・マードック役)

<ストーリー>
 例年通り、家中の煙探知器の点検を頼みに近所の消防署を訪れたモンク。折悪しく住宅火災の通報が入り、消防士たちは全員出動してしまうが、引退した消防士ラスティが点検を引き受けてくれる。そこへ不審な男が現れ、侵入を見とがめたラスティをシャベルで殴り殺すと、格闘になったモンクの目に塩酸入りの洗浄液をかけ、逃亡した。角膜が傷つき両目の視力を失ったモンクは、失意のどん底に。やがて、警部やナタリーの励ましで、盲目のまま捜査に復帰したモンクは、消防署でラスティが殺された際の実地検分を行ううち、ラックにあった防火服が1着盗まれていることに気づく。何と、侵入犯の狙いはそれだったのだ――。

<解説>
“モンクの目が見えなくなる”という大ネタに、豪快な“ホワイ&ホワット・ダニット”ミステリが組み合わされたダイナミックな1作。2つの趣向は、元々別々に着想されたと思われるのだが、腕が触れた感覚でモンクが消防服の紛失に気づく展開や、火災現場でのやはり触覚による手がかりの発見(そして冒頭の煙探知機の件り)によって、ミステリ側に自然に融合させている手際が見事である。
“モンクの失明”は、その他、警部らが体験プログラムに挑む件りから建設現場でのドタバタサスペンス、そして遺体安置室での緊迫のクライマックスまで、さらにさまざまな展開を見せてくれるが、中でも、ゴミ箱の並ぶ路地でモンクが「見えなければ気にならない」と大喜びする件りは、これまでのエピソードでも見え隠れしてきた“モンクの恐怖症は恣意的な思い込みの部分が大きい”という事実がはっきり描かれたユニークな場面といえるだろう。

<MEMO>
被害者ラスティ役を演じたアート・エヴァンスは、『ダイ・ハード2』(90)で、ダレス空港のチーフ・エンジニア  バーンズ役を好演。

本作は、同年1月に刊行されたゴールドバーグによる初の小説版『モンク、消防署へ行く』をベースに脚本化された。
小説版は、展開や謎が複雑で(モンクの失明はナシ)ナタリー視点による語り口も魅力的な好ミステリとなっている。
日本では、ソフトバンク文庫にて刊行。

(以下、準備中)


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