シーズン6 #14(#90)『芸術は爆発だ!』

  • 原題:mr. MONK Paints His Masterpiece

  • 放送日:

  • 2008年2月1日

  • 2008年7月1日

  • スタッフ:

  • 脚本 ジョン・ワースラー

  • 監督 アンドレイ・ベルグレイダー

ゲストスター:
ピーター・ストーメア(ペーチャ・ロヴァック役)
ヴィクトリア・テナント(ミス・ベンソン役)
トム・バウワー(ベニー・ウェントワース役)
イジー・ディアス(ヘクター・モラレス役)
アナベル・ミルン(アンジー役)
ブレンダ・カネラ(マリア役)

<ストーリー>
 特殊部隊上がりの廃品業者ベニーの店に侵入した男が、仕掛けられた罠にかかって死亡。男は高価な身なりをしており、何を盗みに来たのかはまったく不明だった。クローガー先生から「趣味を持つように」と勧められていたモンクは、ベニーの店に並ぶ絵画セットを購入して(ナタリーが支払い)、コミュニティーカレッジの美術クラスに通い始めるが、不可解なことにそのベニーも殺され、捜査は暗礁に乗り上げてしまう。数日後、モンクの生み出す珍妙な絵に周囲が首を傾げる中、謎の美術商ペーチャ・ロヴァックが彼の元を訪れると「才能に圧倒された」と感嘆の声を上げ、作品を千ドルで買い取りたいと申し出た――。

<解説>
 ミステリとしての構造――殊に事件の展開と真相との関係――は、前作「いとしのジュリー」に近いものの、モンク自身を中心に据えた回特有の、緊張感より不可思議な面白さが前面に出た快作。名人芸を余裕をもって楽しめる、長期にわたった傑作シリーズならではの魅力的なエピソードといえるだろう。とはいうものの、例えばモンクが真相に気づく“現場から消えた一枚の絵画”等、ロジックの四隅をぴしりと押さえる小さな手がかりの見事さは健在で、脚本チームの変わらぬ全力投球が素晴らしい。
 謎の画商ロヴァークを演じたピーター・ストーメア(吹き替え:森山周一郎)は、スウェーデン出身のシェイクスピア俳優として知られ、ベルイマン演出の『ハムレット』『リア王』等に出演。映画は『ファーゴ』(96)の誘拐犯役、『アルマゲドン』(98)のロシア人宇宙飛行士役、『コンスタンティン』(05)の魔王役等が印象的。不敵な廃品業者ベニー老人に扮したのは、映画『ダイ・ハード2』(90)で主人公マクレーンをサポートする空港管理人マービンを演じたトム・バウアーである。
 てんこ盛りのギャグの中では、バナナを扁平に描いてしまったモンクが悩んでいると、ナタリーが飛んでいって実際にぺったんこにつぶしてしまう件りが秀逸。そして、同じくナタリーによるラストの「燃やして~」は大傑作である。

<MEMO>
*クローガー先生役のスタンリー・カメルは、本シーズン放送開始後の2008年4月8日、心臓発作で死去しており、この「芸術は爆発だ!」が最後の出演となった。
*(以下、準備中)


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