シーズン4 #6(#50)『幻の女』

原題:mr. Monk and Mrs. Monk
放送日:
2005年8月12日
2006年5月9日
スタッフ:
脚本:デヴィッド・ブレックマン
監督:ランドール・ジスク

ゲストスター:
ハーヴ・プレスネル (ザック・エリンハウス役)
ケビン・キルナー(ジャック・ボリンジャー役)
ジャラッド・ポール(ケビン・ドーフマン役)
グレゴリー・ウィリアムズ(ソーレンソン役)
フランキー・イングラシア(クローガー先生の受付嬢役)
サンディ・フランシス (墓地の未亡人役)
ベス・ランドー(女性役)

<ストーリー>
 亡き妻トゥルーディが残した詩の一篇をきっかけに、ついに立ち直りの兆しを見せるモンク。クローガー先生は涙を流し、ストットルマイヤー警部も復職への口添えを約束する。一方、街でトゥルーディそっくりの女性を見かけたナタリーは、彼女が「夫を守るために死を偽装した」と語るの聞き、愕然とする。やがて、彼女と話していた男、エリンハウスが死体で発見されるが、現場に駆けつけたモンクが次々に行う推理の内容は、すべてトゥルーディに当てはまるものだった。そこで、事態を憂慮したナタリーから「彼女は生きている」と告げられたモンクは、かつてない混乱状態に陥ってしまう――。

<解説>
 シリーズ全作中、最もシリアスかつ悲痛なエピソードの1つであり、その仕上がり、そして公式ガイドブックでのコメントを見ると、スタッフたちが〝トゥルーディへの敬愛の念〟も含め、極めて慎重繊細な手つきで制作した〝特別な1本〟だったことが想像される(ちなみに、この「幻の女」は、シリーズ50作めのエピソードである)。最も印象的なのは、モンクが亡き妻の墓前で真偽を〝感じ取る〟場面の静謐な描き方(クレーンを使った大俯瞰/移動ショットが本当に美しい)、そしてナタリーの境遇を活かした真摯なエピローグだろう。
 また、〝モンク自身がシリアスな状態に置かれ続ける本作にどんなギャグが置けるだろう〟という命題に、〝ディッシャーの誤解と暴走〟という、本筋を邪魔せずサポートする絶妙な最適解で応え、ミステリコメディとしてのバランスをキープしたたセンスも絶賛に値するように思われる。そして、本作はまた、その設定上、短い回想シーンのみの出演であることが多い、トゥルーディ役=メロラ・ハーディンの魅力が堪能できる1本であることも特筆しておきたい。
 

<MEMO>
*メロラ・ハーディンは、映画『セブンティーン・アゲイン』(09)の
校長役が印象的。また、クリント・イーストウッド監督/主演の『目撃』
(97)では、冒頭、ジーン・ハックマン演ずる大統領との不倫中に諍い
となり、シークレット・サービスに射殺される女性の役を演じていた。

*アンディ・ブレックマン夫人のべス・ランドーが、小さな役で画面に登場。これも、記念すべき50作、そしてモンク夫妻の物語であることから生まれた特別出演だろうか。

*以下、準備中。

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