シーズン7 #5(#97)『深く静かに潜航せよ』

  • 原題:mr. MONK is Underwater

  • 放送日:

  • 2008年8月15日

  • 2009年5月4日

  • スタッフ:

  • 脚本 ジャック・バーンスタイン

  • 監督 パリス・バークレー

キャスパー・ヴァン・ディエン(スティーヴ・オルブライト中尉役)
ラ・モンド・バード(ウェドス兵曹役)
ロブ・エヴァース(クレイマー役)
ウィリアム・アザートン(ウィテカー艦長役)
ダン・マクニール(船員1役)
ペッパー・スウィニー(コック役)

<ストーリー>
 海軍の潜水艦・USSシアトルの副長が航行中に死亡した。その死は自殺と判断されたが、友人のオルブライト大尉は他殺を疑い、ナタリーの亡き夫が親友だったことから彼女の元を訪れ、モンクに調査を依頼。ナタリーは、嫌がるモンクを説得し、港に停泊中の潜水艦に乗り込ませる――が、突然訓練が始まり、潜水艦は緊急出航することに。
 数日間は陸に戻れないと知ったモンクはパニックに陥るが、主治医であるベル先生の幻影を創り出すことで、何とか正気を保つ。捜査を進めるうち、モンクはある手がかりから艦長が殺人犯であることを看破。しかし、真実に近づいたことで命を狙われ、ナタリーとともに絶体絶命の大ピンチに――。

<解説>
 ドラマの8割近くが艦内で展開する、“モンク vs 潜水艦”の一篇。コンセプト的には、旅客機を舞台にした第1シーズンの最終話「完全犯罪への秒読み」と対になるもので、CGやストックフィルムを駆使した潜水艦描写、ナタリーとモンクがバラストタンクで溺死しかけるクライマックスでの大アクションなど、ぐんとスケールアップした大作化リメイクのような印象である(ディッシャーが電話先で協力し、警部はまったく登場しない、という共通点もある)。
 さらに、ミステリとしても、端正な“アリバイトリック物”として魅力十分であるが、本作で特筆すべきは、モンクが自己防衛本能で生み出した“妄想ベル先生”の面白さだろう。ナタリーが一緒になって「助けて、ベル先生!」と叫んでしまう件りや、モンクが“ベル先生”を自分と犯人の間に立たせてブラインドにする件り(最高のギャグ!)などアイデア満載。そして同時に、モンクが知り合って間もないベル先生をちゃんと信頼できていることを我々に示し、エピローグでは本人を登場させてその名医ぶりをさりげなくだめ押ししているのも見事である。

<MEMO>
*ウィテカー艦長を演じたウィリアム・アザートンは、『ダイ・ハード』(88)のソーンバーグ記者で知られる名バイプレイヤー。オルブライト大尉役のキャスパー・ヴァン・ディーンは、『スターシップ・トゥルーパーズ』(97)の主人公ジョニー・リコである。

*クライマックスで潜水艦が海上に出てくるカットは、『レッド・オクトーバーを追え!』(90)のクライマックスと同じ映像である。本作の方が、カット尻が数秒長いことから、これもストックフィルム(記録映像)ではないかと推察される。

*(以下、準備中)


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